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2023.11.06


生まれ変わった〈リストランテASO〉で、イタリア料理とワインに舌鼓!

〈リストランテASO〉は、フランス料理やイタリア料理の名店を運営する、ひらまつの邸宅イタリアンレストラン。都心とは思えないほどの広さと非日常的な雰囲気をもち、1997年のオープン以来、東京・代官山のランドマークとして存在感を示してきた。その店が、2023年9月16日にリニューアルオープン。新しく生まれ変わったのだ。

生まれ変わった〈リストランテASO〉で、イタリア料理とワインに舌鼓!色とりどりの草花が咲き誇る中庭

併設されているヨーロピアンスタイルの〈カフェ・ミケランジェロ〉を通り抜け、木漏れ日の射す中庭を両脇に眺めながら、テラコッタの回廊を通って〈リストランテASO〉へと到着する。1階は中庭を眺められる上品なダイニング、2階はプライベートが守られた個室と、完璧な棲み分けができている。

1階のダイニング。人気が高い中庭に面したテーブル席も

螺旋階段の上の天井には、〈リストランテASO〉の象徴ともいえるフレスコ画“碧空”が

2階には3つの個室があり、こちらは個室A

料理長を務めるのは沖太一さん。〈リストランテASO〉や銀座〈アルジェントASO〉で修業を積んだ後、2012年にひらまつ初の大阪出店となるフランス料理店〈ラ・フェット ひらまつ〉の立ち上げメンバーとして活躍した。2014年に〈リストランテ ル・ミディ ひらまつ〉に異動し、2015年には料理長に就任したという輝かしい経歴をもつ。イタリア料理に加えてフランス料理にも精通しているのも、沖さんの特長だ。

〈リストランテASO〉で提供されているのは、ランチ、ディナーともにコースのみ。どちらとも3つのコースが用意されているので、TPOに合わせてセレクトするといい。〈リストランテASO〉を存分に堪能したいのであれば、ディナーの“シェフズセレクト(Scelta dello Chef)”がイチオシ。沖さんのスペシャリテを含む珠玉の料理が体験できるので、絶対にハズさない。

生まれ変わった〈リストランテASO〉で、イタリア料理とワインに舌鼓!“シェフズセレクト” (2万6103円)より、“フォアグラとつる紫と焼栗の自家製キタッラ”

このコースの目玉となるのが“フォアグラとつる紫と焼栗の自家製キタッラ”。自家製手打ちパスタの“キタッラ”は、ギターの弦が張られたような調理器具で押し切りして作られる。太くて四角い断面をしており、噛み応えのあるテクスチャーだから、フォアグラにも負けていない。そのフォアグラはこんがりソテーされていて、ジューシーでうま味がたっぷりだ。さいの目にカットされたフォアグラも加えられていて、食感も異なるからメリハリもある。ほっくりとした焼栗、スライスされたパルミジャーノ・レッジャーノ、酸味のあるオキザリスと、脇役たちも主張。力強い料理なので、添えられたホオズキを途中で食べてリフレッシュするといい。

生まれ変わった〈リストランテASO〉で、イタリア料理とワインに舌鼓!“シェフズセレクト”より、“雲丹 佐賀豆腐ムース オレンジマルメラータ”

“雲丹 佐賀豆腐ムース オレンジマルメラータ”は、北海道の生雲丹(うに)を殻ごと用いた最初の一品。とろっとした雲丹の下には、口溶け感のある佐賀県の豆腐と、甘酸っぱいオレンジマルメラータ(オレンジマーマレード)が層を成している。海藻のシートにはうま味があり、花穂紫蘇が華やかな香りだ。

沖さんがイタリアを訪れた際に考案した前菜が“牡丹海老と赤いサラダ”。プレートにはプリプリの牡丹海老に、エメラルドグリーンに輝く牡丹海老の卵、濃厚なブッラータ、ビーツのチュイールがお目見え。サービススタッフが、ビーツと昆布の出汁、凍らせたフランボワーズとイチゴ、ビネグレットを目の前でシェイクしてくれるので、この出来立てソースを料理にかけてからいただく。牡丹海老にビーツ、イチゴ、柑橘類が合わせられ、フレッシュ牡丹海老の甘味が存分に引き出されている。

生まれ変わった〈リストランテASO〉で、イタリア料理とワインに舌鼓!“シェフズセレクト”より、“ロゼール産仔羊のアローストとアニョロッティ”

メインディッシュは、“ロゼール産仔羊のアローストとアニョロッティ”。繊細な食味を有し、シルキーな口当たりのロゼール産の仔羊に、パセリのパン粉をまぶしてローストし、仔羊のジュ(出汁)をベースにした閑雅なソースを合わせた。付け合わせには、ニンニク風味の蕪、仔羊の肉とハーブが包まれたピエモンテのショートパスタ“アニョロッティ”が添えられている。

生まれ変わった〈リストランテASO〉で、イタリア料理とワインに舌鼓!“シェフズセレクト”より、“〆のカラスミスパゲッティ”(+1,000円)

“〆のカラスミスパゲッティ”は、追加でオーダーできる、〈リストランテASO〉で長年愛されているスペシャリテ。ソースは浅利の出汁、生クリーム、オリーブオイルで作られていて、実に濃厚。忍ばせた蟹のほぐし身によって、海の滋味も感じられる。上にはふんだんに削られたカラスミ、アサツキ、刻んだ菊の花びら。スパゲッティにカラスミがしっかりと絡んで、抜群のコク。

“洋梨の赤ワイン煮とカッサータクリーム ラズベリービネガーのレディクション”は、口中をさっぱりさせてくれる、見た目も麗しいアーティスティックなデザート。赤ワインで柔らかく煮込んだ洋梨のコンポートが主役で、下にはラムレーズンとナッツがつかわれたシチリア島発祥のアイスケーキ“カッサータ”という構成。コンポートのゼリーにアジサイの葉をかたどった2種類のパイが添えられ、レディクション(煮詰めたラズベリーのビネガーソース)が合わせられている。

ワインは1000本以上も用意されていて、イタリア産、フランス産ともに充実。総支配人でシェフソムリエの篠﨑大輔さんによるセレクトは完璧だから、料理に合うものを相談してみるといい。華やかでエレガントなフランチャコルタ “カ・デル・ボスコ キュヴェ プレステージ エディツィオーネ”は、最初の一杯にぴったり。“テルラン ピノ・ビアンコ ヴォルベルグ リゼルヴァ”はミネラル感があって野菜や魚に寄り添い、なめらかなタンニンをもつ赤ワインの“カ・ヴィオラ バローロ ソット カステッロ”は、肉料理のポテンシャンルを引き出す。

代官山という都会にいるとは思えないほど、緑豊かな一軒家のレストラン。ゆったりとした時間が流れる空間で、五感で楽しめるイタリア料理とワインに舌鼓を打てる機会なんて、そうそうない。新しくなった〈リストランテASO〉に訪れてみて!

 
Information

●リストランテASO
住所:東京都渋谷区猿楽町29-3
営業時間:12:00〜15:30(13:30LO)、18:00〜22:30(20:00LO)
定休日:水曜
TEL:03-3770-3690
URL:https://www.hiramatsurestaurant.jp/aso/
※サービス料込み

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文=東龍 text:Toryu
1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。
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