〈てんぷら山の上Roppongi〉の新たな意匠空間で、季節の滋味を“天ぷら”を通して五感で味わう!
1954年、神田駿河台に〈山の上ホテル〉とともに創業し、多くの文化人に愛されてきた天ぷら店が〈てんぷら山の上〉。2007年3月30日東京ミッドタウンに〈てんぷら山の上Roppongi〉がオープンして、その門外不出の味わいを六本木でも堪能できるようになった。そこから時を経て、さらなる飛躍のため、2023年8月11日にリニューアルオープンしたことで話題になっている。
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リニューアル後の店内は、六本木ならではの上質な空間に
内装が新しくなり文化が薫る伝統の“和”と“老舗クラシック感”を融合させた新たな意匠になった。山海の自然をさりげなく表現した和紙に、組子の格子や欄間など木をふんだんに使用した“和空間”に重厚感のあるシャンデリアがマッチ。以前よりもライティングが艶やかになって、よりドラマティックな空間に生まれ変わった。窓から広がる檜町公園の緑が鮮やかで、春には一面の桜景色が広がる。
カウンター席ではライブ感も楽しめる
この新しくリニューアルした名店で腕をふるうのが、“山の上イズム”を体現する料理長の寺岡正憲さん。旬の食材に精通し、匠の技によって最高のタイミングで揚げ、ゲストからの信頼も厚い。
期待も広がる食材披露のプレゼンテーション
カウンター席だけではなくテーブル席でも、これから揚げる食材を披露するプレゼンテーションも評判だ。
名物“生雲丹の大葉巻き”
是非とも味わっておきたいのが、生雲丹(うに)の天ぷら。とろっとして甘~い生の雲丹を大葉で包み、衣をまとわせて、さっくりと揚げた。外はカリカリッとしていながらも、中の雲丹はフレッシュな佳味を携えている。大葉のさわやかな風味が漂い、口中でトロンと溶けていく極みの逸品。
ディナーコース“あやめ”2万5000円
生雲丹をはじめとして、多くの旬味を体験できるのが、ディナーコースの“あやめ”。小鉢にはじまって、活車海老2尾、魚介4品、野菜5品といった天ぷらに、お食事とデザートという流れになっている。
その時に最適な食材が揚げられるので、日によって内容が違うのだけど、代表的なものを紹介しよう。
活車海老は、最初に頭が、次に身が揚げられて、まるごと味わうことができる。海老の旨味がギュッと凝縮された頭と、みずみずしい身のどちらとも堪能できるのがなんとも贅沢。“おおまさり”は生の落花生で、ホクホクッとして、じんわりと広がる甘味が秀逸。甘鯛は松笠揚げにして、鱗は見事にクリスピーなテクスチャーに、身はジューシーに仕上げた。
ディナーコース“あやめ”にも登場することがある子持ち小鮎
子持ち小鮎は1週間くらいしか味わえない、貴重な食材。肝の苦味と卵のプチプチ感のコンビネーションが最高。“大黒舞茸”は新潟県南魚沼市にある“大平きのこ研究所”のブランド舞茸。笠は肉厚で食べ応えがあり、深みのある至味がたまらない。フルーツほおずきの“太陽の子”はジューシーで適度な酸味があるので、甘味がより引き立つ。“新時代”は青森県むつ市のブランド南瓜。非常に糖度が高く、天ぷらにすると、まろやかな口当たりになる。
〆の“お食事”は“海老と小柱と三つ葉のかき揚げ”で、天丼、天茶、天バラの中からチョイスできるのが嬉しい悩み。天丼がオーソドックスで、ご飯と塩でかき揚げを混ぜ合わせる天バラ、サクサク感を楽しみながら出汁をかけて味変できる天茶も人気だ。
目利きされたアルコール類が、天ぷらの味を引き立てる
ソムリエや唎酒師が選んだお酒も充実しているので、ペアリングを楽しむのがオススメ。6種類のワインがグラスで、12種類の日本酒が1合でオーダーできるので、スタッフに好みを伝えてみて。
ゆったりとして落ち着ける個室
ビジネスやプライベートでの会食に適した個室(2人〜6人、1万2100円)もある。落ち着いた和のしつらえなので、状況によって予約してもらいたい。
70年という長い歴史を誇りながら、モダンに生まれ変わった〈てんぷら山の上Roppongi〉。会食にもデートにもぴったりなので、ますます重宝しそう!
●てんぷら山の上Roppongi
住所:東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ガーデンテラス3F
営業時間:ランチ 11:00~15:00(14:00LO)、ディナー 17:00~22:00(20:30LO)
TEL:03-5413-3577(受付時間 11:00~20:00)
URL:https://www.yamanoue-hotel.co.jp/tempurayamanoue/roppongi/
※サービス料込み
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。