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CULTURE カルチャー

2023.09.26


映画『ジョン・ウィック コンセクエンス』を10倍楽しむために、知っておきたいキアヌ・リーヴスのこと。【後編】

 

 
キアヌ・リーヴス
『ジョン・ウィック コンセクエンス』(2023年)

人気シリーズ最新作『ジョン・ウィック コンセクエンス』の公開により、脚光を浴びているキアヌ・リーヴス。前回までは出演作を中心にして魅力を振り返ってきたが、今回は“いい人”と評判の彼の素顔にスポットを当ててみたい。

アクション映画で抜群の身体能力を見せるキアヌだが、元々はアイスホッケーをやっていたスポーツマンで、その下地は出来ていた。ハイスクールのチームに在籍していた頃は“壁”というあだ名をつけられるほどの優れたゴールキーパーで、優秀選手として表彰されたことも。アイスホッケーを題材にした青春ドラマ『栄光のエンブレム』(1986年)に無名ながら抜擢されたのは、その素養を認められてのこと。まさに、芸は身を助ける、だ。

飾らない人柄で知られるキアヌは、フツーに地下鉄に乗って移動することもあり、乗客にキアヌであると気づかれないほど。来日時には必ずラーメンを食べに行くのは有名だが、2023年2月にお忍びで来日した際、立ち寄った銀座のラーメン屋は満席だったにもかかわらず、周囲の客は誰ひとり彼に気づかなかったという。9月には自身がベーシストを務めるバンド、ドッグスターの一員として来日を果たしたが、今回は大好きなラーメンにありつけたのだろうか? 

 
 

 
キアヌ・リーヴス
『ザ・ウォッチャー』(2000年)

人の良いキアヌだから、詐欺まがいの被害に遭うこともしばしばあるようで、『ザ・ウォッチャー』(2000年)への出演は、まさにそれ。プロットを気に入らなかった彼は出演を断ったが、アシスタントが勝手に彼のサインを偽造して契約書にサインした。訴訟で長い時間を無駄にするくらいなら……と、キアヌは出演渋々承諾。これらのことの経緯を1年間明かさないというスタジオとの約束を、彼はきっちり守った。
 

 
キアヌ・リーヴス
電車で席を譲るキアヌ

近年はインターネット上のミームとして、映画以外の場で知名度を上げているキアヌ。公演のベンチでうなだれているオフの姿を収めた画像は、あまりに有名で“サッド・キアヌ”と命名され、そのフィギュアが作られたほどだ。このようにスターの割には無防備な彼は、巷で頻繁に目撃されてはスマホで撮られているが、ほとんどが彼の“いい人”ぶりを裏付けるもの。気軽にサインや写真撮影に応じるのはもちろん、電車で席を譲る光景を撮られたことも。

そんなキアヌだから“聖人”と呼ばれるのも納得がいく。実際、彼は複数の財団を運営し、小児科病院や癌の研究などのチャリティに貢献。これはキアヌの妹が長年、白血病と闘ってきたことも関係している。妹が回復した後も癌研究のための寄付は継続して行っているとのこと。ちなみに『マトリックス』(1999年)の出演料の7割に相当する3150万ドルを癌研究のために寄付していたことが2022年になって明らかになったが、これは善行をひけらかすことを良しとしないキアヌの姿勢の表われ。まさしく聖人である。

もうひとつ、聖人的なエピソードを。『マイ・プライベート・アイダホ』(1991年)で男娼を演じたこともあり、また浮いた噂がほとんどないことから、90年代にはキアヌはゲイではないか?という疑惑が持ち上っていた。これに対して彼は否定も肯定もせず、完全にスルー。疑惑を否定することによって同性愛のイメージを悪くしたくない、というのが彼の主張だった。今でこそLGBTや多様性という言葉が当たり前のように語られているが、これは約30年前、今よりも少し世の中が窮屈だった頃の話だ。

このように、映画の中以外でもキアヌに関するエピソードは事欠かない。いずれにしても、舞台裏の素顔を知れば知るほど、彼のことが好きになるはず。今後も応援していこうじゃないか。(前編、中編)
 

 

 
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文=相馬学 text:Manabu Souma
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