Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2023.09.26


映画『ジョン・ウィック コンセクエンス』を10倍楽しむために、知っておきたいキアヌ・リーヴスのこと。【中編】

 

 
キアヌ・リーヴス
『ジョン・ウィック コンセクエンス』(2023年)

最新作『ジョン・ウィック コンセクエンス』も好評のキアヌ・リーヴスの魅力に迫るコラムの第2回。前回は彼のキャリアをたどりながら、ターニングポイントとなったアクションをメインに紹介した。『スピード』や『マトリックス』『ジョン・ウィック』と、キアヌの代表作はアクションがまず挙げられる。しかし、キアヌは役者であり、演じる道を選んだ者は、つねに新たな役を求めるもの。そんな彼の主演による、隠れた名作を掘り起こしていこう。 

 
 

 
キアヌ・リーヴス
『マイ・プライベート・アイダホ』(1991年)

まずはキャリア初期の名作『マイ・プライベート・アイダホ』(1991年)。後にアカデミー賞ノミネート作品『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)やカンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『エレファント』(2003年)で名を上げたガス・ヴァン・サント監督と組み、故リバー・フェニックスと共演して生み出した本作は、男娼をして暮らす若者たちの日常を切り取った衝撃的だが切ない青春ドラマだ。キアヌは裕福な家を出て、ストリートで体を売る男娼を演じ、心の痛みや迷いを体現。シェイクスピア劇を下地にしたドラマではあるが、今を生きる若者の等身大の感情が投影され、見応えのあるドラマとなった。本作をキアヌのフェイバリット作品に挙げるファンは少なくない。
 

 
キアヌ・リーヴス
『リプレイスメント』(2000年)

『マトリックス』のヒットに続いて出演したスポーツ・ドラマ『リプレイスメント』(2000年)は、プロアメフト選手のスト騒動により、急きょメンバーとしてかき集められた落ちこぼれ選手たちの奮闘を描いたもの。寄せ集めチームのリーダーとなった男を演じるキアヌは、ここ一番に弱いメンタルの克服を体現し、熱いものを確かに感じさせた。スポ根コメディの隠れた逸品だ。
 

 
キアヌ・リーヴス
『コンスタンティン』(2005年)

『マトリックス』三部作の熱狂を経て、キアヌが次なるビッグプロジェクトとして選んだのが『コンスタンティン』(2005年)。DCコミックの原作に彼自身が熱烈に惚れ込み、映画化にこぎつけた。悪魔祓いを専門とする私立探偵が、魔界の巨大な陰謀に立ち向かっていくオカルト風ファンタジー。タバコの喫い過ぎで末期ガンに冒され、生前の悪行から地獄行きが確定している主人公の探偵を、キアヌはハードボイルド風に演じ、これまでにない枯れたキャラを表現した。ここでの彼は、ある意味、ダークヒーローだ。

ラヴストーリーも入れておきたい。『イルマーレ』(2006年)は同名韓国映画のハリウッドリメイクで、2004年の世界を生きる男性と2006年の女性の時を超えた手紙の交流を、ファンタジー風に描いている。キアヌは『スピード』以来12年ぶりにサンドラ・ブロックと再共演を果たし、息の合ったところを見せた。映像や音楽も美しく、人気スター競演を盛り立てる。
 

 
キアヌ・リーヴス
『ネオン・デーモン』(2016年)

近年は脇役としても光っているキアヌだが、なかでも『ネオン・デーモン』(2016年)はインパクトが強かった。『ドライヴ』(2011年)で知られるデンマークの鬼才ニコラス・ウィンディング・レフンが手がけた本作はファッション業界の闇に飲み込まれていく新進モデルの狂気を、オカルト風に描いた問題作。キアヌはヒロインが滞在中しているモーテルの管理人という役どころだが、感じが悪く、ストーカーのようにも見える。出番はわずかで、物語を大きく動かすようなキャラではないが、ヒロインでなくても悪夢に見てしまいそうな、そんな男を怪演してみせた。

ほかにも、『ビルとテッドの大冒険』シリーズではバカキャラで大いに笑わせてくれるし、SF『地球が静止する日』(2008年)の知的な異星人役も印象深い。評価は微妙だったが、日本の時代劇の翻案『47 RONIN』(2013年)でサムライを演じたこともある。キアヌの多彩な“顔”に、ぜひふれて欲しい。(後編に続く)
 

 

 
Information

●noteでも映画情報を配信しています。フォローよろしくお願いいたします!
https://note.com/safarionline

文=相馬学 text:Manabu Souma
Photo by AFLO
きっかけは〈MINI〉!“新しい自分”に出会える特別なオーナー体験、募集開始!
SPONSORED
2025.09.04

きっかけは〈MINI〉!
“新しい自分”に出会える特別なオーナー体験、募集開始!

「今とは“違う自分”に出会ってみたい」あるいは「本当の自分を発見したい」。そんなアナタに必要なのが“遊び心あふれる新しい自分”を探す旅。とはいえ今回は、リゾート地や最果ての土地を目指すのとは違って、“新しい自分”に出会うために新しいクルマ…

いつでもどこでも〈ロンハーマン〉が相棒!オンラインストア5周年記念のスペシャルアイテムは力作揃い!
SPONSORED
2025.09.03

いつでもどこでも〈ロンハーマン〉が相棒!
オンラインストア5周年記念のスペシャルアイテムは力作揃い!

こだわりの強い男は、ファッションもインテリアも、実際に触れてみてから手に入れたいと思う人は多い。自分の目で確かめることは大切だからね。でも、その目を先見の明を持つ〈ロンハーマン〉がすでにしてくれているとなれば話は違う。要は、その信頼があれ…

TAGS:   Fashion
普段使いにちょうどいい限定バッグ発見!ヴィンテージ感漂う作りで、秋スタイルに男らしさをプラス!
SPONSORED
2025.09.02

普段使いにちょうどいい限定バッグ発見!
ヴィンテージ感漂う作りで、秋スタイルに男らしさをプラス!

休日にウィンドウショッピングに行ったり、彼女と映画デートに出かけたり。こんなふうに気軽に街に出るときは、嵩張らずさっと肩掛けできるようなバッグが便利。といっても、せっかくのお出かけスタイルにそぐわないものでは本末転倒……。というわけで、使…

TAGS:   Fashion
即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 大人好みの人気ブランドが、特別仕様になって登場! 
SPONSORED
2025.09.01

即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 
大人好みの人気ブランドが、特別仕様になって登場! 

大人には、見た目の落ち着きと品だけでなく、上質な素材による肌触りのよさも大切。その風合いのよさは、醸し出す雰囲気までグッと格上げてくれるから、モノ選びをするときには外せない点。それはカジュアルなアイテムであればあるほど、大事になってくる。…

TAGS:   Fashion
〈フランク ミュラー〉×〈ダナー〉の最新ブーツがお目見え!ワザありデザインが目を引く意外なコラボの1足!
SPONSORED
2025.08.25

〈フランク ミュラー〉×〈ダナー〉の最新ブーツがお目見え!
ワザありデザインが目を引く意外なコラボの1足!

昨年、驚きとともにユニークな取り組みと評判を呼んだ、〈フランク ミュラー〉と〈ダナー〉のコラボブーツ。早くも登場した第2弾はキャラ立ち必至なデザインはそのままに、カラーやディテールでグレードアップ! 質実剛健なアウトドアブーツを、アートな…

TAGS:   Fashion
俳優・竜星 涼がまとう〈ベル&ロス〉の新作!強く輝きを放つ黒スケルトン!
SPONSORED
2025.08.25

俳優・竜星 涼がまとう〈ベル&ロス〉の新作!
強く輝きを放つ黒スケルトン!

航空計器からインスパイアされた四角と丸の組み合わせで唯一無二の地位を築き上げている〈ベル&ロス〉。特に現代的なデザインが人気の"BR-05"シリーズに新加入したのが、シャープな輝きと力強さを秘めたセラミック製の黒スケルトンだ。年々深みを増…

TAGS:   Fashion Watches
屈指の“メイド・イン・ジャパン”デニム〈デンハム〉白澤社長もお気に入り!ヴィンテージ感漂う大人のワイドデニム!
SPONSORED
2025.08.25

屈指の“メイド・イン・ジャパン”デニム〈デンハム〉白澤社長もお気に入り!
ヴィンテージ感漂う大人のワイドデニム!

太めのダメージデニムはストリートなイメージが強く、若者が穿くものと思っている人も意外と多いのでは!? そこでおすすめしたいのが、〈デンハム〉のワイドデニム“ジャンボ”。膝に入った適度なクラッシュや、腿に施された絶妙なバランスのヒゲなど、ま…

TAGS:   Fashion Denim
遊びも食も宿泊も充実の〈インスパイア〉リゾートへ!週末を遊び尽くす大人の韓国!
SPONSORED
2025.08.25

遊びも食も宿泊も充実の〈インスパイア〉リゾートへ!
週末を遊び尽くす大人の韓国!

羽田空港や成田空港から約2時間で行ける〈インスパイア・エンターテインメント・リゾート〉。迫力のウォーターアトラクションを楽しめるプールや贅沢な5ツ星ホテル、きらびやかな韓国最大級カジノ、食欲をそそる韓流の肉料理など、多彩な魅力が集まってい…

TAGS:   Gourmet Stay&Travel
【時計】ブランド刷新の仕掛け人CEOが語る〈オリス〉は、イタリアにおける“ピアッツァ=広場”でありたい
SPONSORED
2025.08.22

【時計】ブランド刷新の仕掛け人CEOが語る
〈オリス〉は、イタリアにおける“ピアッツァ=広場”でありたい

グループに属さない独立系時計ブランドならではの自由な時計作りで、存在感を放つ〈オリス〉。スイスの機械式時計の文化継承に多大な貢献を果たしてきた“正統派の後継者”である一方、1980年代に趣味的な高級品に留まっていた機械式時計を身近な存在に…

TAGS:   Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ