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CULTURE カルチャー

2023.07.29

アノ映画のファッションに憧れて。Vol.23
『リアリティ・バイツ』のダボダボの開襟シャツ

 

 
リアリティ・バイツ

アメリカ社会にリストラが横行し、就職難に喘ぐX世代の心情とライフスタイルを描いた『リアリティ・バイツ』(1994年)は、必然的にビターな味付けになっている。タイトルの意味が”現実が噛みついてくる”というシビアな状況を指していることでも分かる通り。でも、登場人物たちが身につけている服には’90年代のインスピレーションがぎっしりと詰まっていて、あの時代のテイストに憧れる人たちのバイブルになっている。そう、今もなお。
 

 
物語の設定はかなりイタイ。大学を主席で卒業し、その勢いでTV局の契約社員として働き始めたものの、ひょんなことからクビになってしまったリレイナ(ウィノナ・ライダー)と親友のヴィッキー(ジャニーン・ガラファロー)が住むアパートに、同じく仕事をクビになった大学時代の同窓生、トロイ(イーサン・ホーク)とサミー(スティーヴ・ザーン)が転がり込んでくる。そして始まる共同生活の中で、理想と現実の間、現実からの逃避、HIVへの恐怖、セクシュアリティ等、各々が抱える問題が浮かび上がってくるという展開だ。
 

 
リアリティ・バイツ

この映画のファッションを語る時、いつも主役になるのはウィノナが演じるリレイナのワードローブだ。彼女が好んで着ている花柄のスリップドレスやオーバーサイズのボタンアップトップス、それにハイウエストのジーンズ(←今まさに街に溢れかえっているアイテムだ)は、1990年代のビジネスウーマンと”隣の女の子”をミックスした組み合わせ。そこに、『私、まだ人生を模索中です』的なマインドが象徴されていると言えなくもない。
象徴的なシーンを思い出してみよう。映画の冒頭、友人たちが卒業を祝うために集まる場面では、女の子たちは花柄のワンピーにチャンキーな(ずんぐりした)靴を合わせ、男たちは’90年代ファッションを絵に描いたようなオーパーサイズのボタンアップトップスにバギーパンツを合わせている。特に、トロイ役のイーサンが着る茶色いダボダボの開襟シャツシャツ、それも無造作に袖を捲り上げ、ボタンもちゃんと留めません的な着こなしは、よく見るとさりげなくキャラが立っていて、ウィノナのサポート役として秀逸だ。
 

 
リアリティ・バイツ

実はこの時代、イーサンは『いまを生きる』(1989年)の好印象も消えかけ、方向性を見失いかけていた。そんな彼に声をかけたのがウィノナ・ライダーだったと言われている。そしてこれを機に、イーサンは独特の浮遊感とイノセンスを漂わせる演技派として、『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(1995年。後にシリーズ化)、『トレイニング・デイ』(2001年)、『6才のボクが、大人になるまで』(2014年)と活躍の場を広げていく。その踏み台になったのが『リアリティ・バイツ』であり、ダボダボの開襟シャツだったのだ。

『リアリティ・バイツ』
製作年/1993年 監督・出演/ベン・スティラー 脚本/ヘレン・チャイルドレス 出演/ウィノナ・ライダー、イーサン・ホーク、スティーヴ・ザーン 

 
 

 

 
文=清藤秀人 text:Hideto Kiyoto
photo by AFLO
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