英雄の決断力と勇気に感服!『ハリエット』
今年のアカデミー賞で主演女優賞にノミネートされたのが、この『ハリエット』のシンシア・エリヴォ。映画をよく観る人でも「誰それ?」という名前かもしれないが、間違いなく今後、アメリカのエンタメ業界を背負って立つ才能の持ち主。その意味でもノミネート作は必見だし、実話を基にした信じがたいほどパワフルなヒロインに、ひたすら圧倒されるのは確実だ。
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『ハリエット』
胸アツなポイントは?
“恐れ知らずの女性闘士の姿にチカラが湧いてくる!”
※本作は、3月27日(金)の公開予定でしたが、延期となりました。詳しい公開日は公式ホームページhttps://harriet-movie.jpにてご確認ください。
あまり知られてないが、アメリカのエンタメ界には“EGOT(イーゴット)”という称号がある。E=エミー賞(テレビ)、G=グラミー賞(音楽)、O=オスカー(映画)、T=トニー賞(舞台)と、各ジャンルの栄誉をすべて獲得したスターを、こう呼ぶ。オードリー・ヘップバーンら過去に15人しかいないEGOT。シンシア・エリヴォは“EGT”の3つはすでに受賞し、今年はオスカーも目前だった。つまり、それだけスゴいエンタテイナーってこと! 特に歌唱力は神レベルであり、『ハリエット』でも、重要なシーンで魂に響く彼女のボーカルを聴くことができる。
主人公のハリエット・タブマンは、19世紀、農場の奴隷として過酷な労働を強いられていた。しかし遠い地に売り飛ばされると知った彼女は、愛する家族と別れる覚悟で脱走。そこから奴隷制に立ち向かう闘士となり、やがては南北戦争で黒人兵士を率いる存在になる。まさに“英雄”。驚くのはハリエットの決断力と勇気。映画的に描かれているとはいえ、その瞬発的な判断と、命の危険も恐れない行動の数々は呆気にとられるほど。周囲の人々を襲う壮絶な試練もリアルに伝わってくるので、作品全体の有無を言わせないパワーを実感できるはず!
『ハリエット』
監督/ケイシー・レモンズ 出演/シンシア・エリヴォ、レスリー・オドム・Jr、ジョー・アルウィン 配給/パルコ
2019年/アメリカ/上映時間125分
TOHOシネマズシャンテほか全国ロードショー。
(C)2019 Focus Features LLC.