『MEGザ・モンスター』『ブレス しあわせの呼吸』
ジョーズを超えた最強サメとジェイソン・ステイサムが戦う『MEGザ・モンスター』と、アンドリュー・ガーフィールド主演の『ブレス しあわせの呼吸』をピックアップ!
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物語で選ぶ編
ムネアツなポイントは?“J・ステイサムの海中アクションがキレキレ!”
『MEGザ・モンスター』
今年の末に、モデルで女優の婚約者、ロージー・ハンティントン=ホワイトリーと、ついに結婚式を挙げることが決まったジェイソン・ステイサム。この最新作『MEGザ・モンスター』も全米で大ヒットを記録。まさに公私ともに絶好調!
古代のサメが蘇る!
今作でステイサムが演じるのは、深海のレスキュー・ダイバー。200万年前に絶滅したとされる巨大サメ“メガロドン”が現れ、海洋研究施設に呼ばれた彼が、全長23mものサメに立ち向かう物語。貴重な巨大サメを捕獲し、金儲けに利用しようとする大企業の思惑も絡んで、事態はとんでもない方向へ!
水中でも強いJ・ステイサム!
ジェイソン・ステイサムといえば、水泳の飛び込み選手としてイギリスの代表選手にも選ばれた過去がある。ゆえにダイバーは、最高のハマリ役! 飛び込みの妙技は2年前の『メカニック:ワールドミッション』でも披露していたが、今回は自慢の泳ぎをたっぷり見せてくれる。まさに水を得た魚で、海中でのアクションのかっこよさは誰もが認めるはず。ウェットスーツがここまで似合うアクションスターはいないと断言しよう。
絶妙なカメラワークが興奮を呼ぶ!
そんな主人公が単独で巨大サメと闘うシーンも見どころだが、設定や物語では意外にリアリティを追求。要所のスペクタクルな見せ場では、カメラワークやカット割り、編集などが絶妙なので、予想外の興奮と臨場感を届けてくれる。仲間を救うための感動エピソード(日本人俳優のマシ・オカが活躍)も用意されていたりする。
パニック映画定番の展開も!
一方で、パニックアクション映画らしいツッコミどころもある今作。“そっちに行ったら、絶対にサメの餌食になるのに行っちゃう”とか、“深海で苦しんだ末に船に上がってきた女優のマスカラが、なぜかそのまんま”などなど……。こういうネタがあるからこそ、深刻になりすぎず、豪快に楽しめるってもの! 暑さが残っている時期だからこそ、映画館で本作を観ることをオススメしたい。
『MEG ザ・モンスター』
監督/ジョン・タートルトープ 出演/ジェイソン・ステイサム、リー・ビンビン、レイン・ウィルソン、マシ・オカ 配給/ワーナー・ブラザース映画
2018年/アメリカ/上映時間113分
9月7日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., GRAVITY PICTURES FILM PRODUCTION COMPANY, AND APELLES ENTERTAINMENT, INC.
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
セレブで選ぶ編
ムネアツなポイントは?企画打ち切りを乗り越えたA・ガーフィールド
『ブレス しあわせの呼吸』
アンドリュー・ガーフィールドが転機となったのは主人公ピーター・パーカーを演じた『アメイジング・スパイダーマン』に違いないだろう。それ以前にも、『わたしを離さないで』や『ソーシャル・ネットワーク』で数々の賞を受賞&ノミネート。実は演技力の高さは認められていた存在だった。それが人気アメコミヒーローを演じるのだから、人生が一変する出来事だったはずだ。
スパイダーマンが頓挫
しかしながら、同作は、2本作られただけで企画が打ち切られてしまう。興行の不振と、スパイダーマンがマーベル・シネマティック・ユニバースに参加することになり、他マーベル作品と同一の世界観にしなくてはいけなくなったからだ。アンドリューは、同じように打ち切られた『スーパーマン リターンズ』でスーパーマンを演じたブランドン・ラウスのように、役者として鳴かず飛ばずになってしまう危機に陥ってしまったわけだ。
その後の活躍がスゴイ!
ところが、本来持つ演技力により、その危機を見事に乗り越える。メル・ギブソン監督による沖縄を舞台にした戦争映画『ハクソー・リッジ』で、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされるほどの迫真の演技を披露。続くマーティン・スコセッシ監督の『沈黙−サイレンス−』でも、江戸時代の日本で拷問受ける宣教師役を好演。静かな中にも強い意志を持つ役柄を演じさせたら、ハリウッドでは右に出る者はいないと思わせる名演技だった。
麻痺となる主人公を力強く演じる
本作でアンドリューは、首から下が麻痺になってしまうロビン役を表情と声で演じ切っている。ロビンは、28歳でポリオにより麻痺となるが、手作りの人工呼吸器付き車イスで旅をし、同じ境遇の人に勇気を与えた実在の人物だ。絶望の闇から抜け出し、人生を取り戻していく表情は素晴らしく、観る者に深い感動を与えるはず。
災い転じて福となすとこのことだろうか。スパイダーマンを続けていたら、肩書きはアクション俳優となっていただろう。それもよいが、アンドリューには演技派俳優がお似合いだ。
『ブレス しあわせの呼吸』
監督/アンディ・サーキス 脚本/ウィリアム・ニコルソン 出演/アンドリュー・ガーフィールド、クレア・フォイ、トム・ホランダー 配給/KADOKAWA
2017年/イギリス/上映時間118分
9月7日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー
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