
2090円(発行/日之出出版 発売/マガジンハウス)
母は亡くなり、父親は蒸発してどこにいるか分からない。女子高生エイブリーのたった一つの希望は、残りの高校生活を消化し、奨学金を獲得して外の世界に飛び出すことだった。ところが見ず知らずの大富豪の遺言状で自身が莫大な遺産の相続人に指名されたことから、エイブリーの人生は風雲急を告げる。大富豪一族を巡る陰謀、相続人候補となるはずだった個性豊かな4人の御曹司たちとのスリリングかつときめく駆け引き、そして、秘密の通路や仕掛けだらけの大豪邸を舞台に遺産を巡る謎解きが展開する…。
ミステリー好きを虜にしているジェニファー・リン・バーンズによる『相続ゲーム』シリーズ。その第二巻『相続ゲーム2 ホーソーン家の遺産 エイブリーと秘密の家系図』がいよいよ12月18日に発売となる。ここではいち早く、第二巻の訳者あとがきを特別に公開! 第一巻を読んだ人はもちろん、まだシリーズを手に取っていない人は、こちらを読んでからぜひ謎解きミステリーの世界へ飛び込んでみて!
【訳者あとがき】
遺産を相続して三週間、そろそろエイブリーも大豪邸でセレブ生活を満喫と思いきや、出生証明書のサインに疑問が生まれたり、顔の見えない相手から脅されたり命を狙われたり、屋敷の開かずの間にとんでもない秘密が隠されていたり、相変わらずの波乱つづきの日々です。ひとつ謎が解けたと思ったら新たな謎が登場し、また違うゲームに飛びこんでいき、見守っている側をもひと息もつかせてくれません。そして、だんだんと舞台はホーソーンハウスの外にも広がってきて、スケールも大きくなってきました。
どうして四六二億ドルを相続することになったのか、という謎解きミステリーの主軸は健在ながら、だんだんと登場人物の内面にグッと踏みこんできたので、この二巻はかなりドラマチックです。しかもアクション映画を見ているようなスリルとサスペンス要素も加わって、ますます先が気になります。
そして、勝ったら朝食をおごるというルールで毎朝のように公園でチェスをしていた相手のハリーがからんでくると、物語は一気に動き出します。
もちろん、ロマンスのほうも大盛りあがりです。イケメン四兄弟との関係性に変化が生じてきて、恋愛未満のライバルなのか同志なのかも不明、お互いの意図も不明の状態で、心理戦と駆け引きが続きます。近づいたり遠ざかったりの距離に、焦ったいやらキュンキュンするやら。なにがウソで、なにが強がりで、なにが本心なのか、という謎も深まってきます。
「海を見わたせる崖の上に立っているところを想像して。風に髪がなびいてる。太陽が沈んでく。からだも心も、あるひとつのものを切望している。ひとりの人を。背後から足音がきこえて、振り返る。そこにいるのはだれ?」と親友に問われたエイブリーが想像するのは、いったい誰なのでしょう? そしてそれが今後変わる可能性もじゅうぶんにありそうです。エイブリーの心が揺れるのと同じように、読んでいる側も推しキャラを誰にするか、悩ましいのではないでしょうか。
めくるめく謎解きとロマンスの海にどっぷり浸かってください!
二〇二五年 十月二十日
代田亜香子
詳しくは特別サイトへどうぞ!『相続ゲーム2 ホーソーン家の遺産 エイブリーと秘密の家系図』











































































