クリス・ヘムズワース:「自分の頰をひっぱたきたい気分だった」
アクションをやらせたら誰よりもかっこいいクリス・ヘムズワースが、今度は馬で駆け回る。最新作『ホース・ソルジャー』は、9月11日直後のアフガニスタンを舞台にした戦争もの。ヘムズワースの役は、反タリバンのアフガニスタン人たちと組み、険しい山岳地帯で、馬に乗ってテロ集団と戦った実在の米軍大尉。マーベルのスーパーヒーロー映画とは違い、予算が限られたインディーズ映画にはそれなりに厳しいこともあったが、素敵なご褒美も。今作では、妻エルサ・パタキーとの初共演がかなったのだ。役柄は、これまた妻役。当然ながら、信憑性はたっぷりだ。
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――奥さんと夫婦役を演じるというのはどんな感じでしたか?
C 楽だったよ。僕らはこのシーンのリハーサルを7年もやってきたようなものだから。観客に「この人たち、夫婦には見えない」なんて思われたら、それこそ問題だよ(笑)。友達の中には、夫婦は時々、仕事で離れるほうがいいという人もいる。いつも一緒というのは、逆によくないと。でも、僕はずっと忙しかったし、子供たちをおじいちゃんおばあちゃんに預けて、ふたりでロケ地に向かうのは、ミニ休暇みたいな感じで、素敵だったんだよね。
――今作での役は、12人の最前線部隊のリーダー。主役のあなたは現場でもリーダーですが、それは意識しますか?
C もちろんだ。主演俳優や監督が嫌な人だと、撮影現場は楽しい雰囲気にならない。ドミノ効果なんだよ。映画『白鯨との闘い』のときに、ロン・ハワード監督に「この撮影はきついものになるよ。君はリーダーだから、気をつけてくれ」と言われて、「もちろんです」と言ったんだが、あるとき、僕はうっかりなにか不満を言ってしまった。そうしたらたちまちにしてみんなが不満を言い出してね。「しまった、本当にこれは伝染するんだ」と後悔したよ。自分の頰をひっぱたきたい気分だった。
――アクションもので男ばかりの現場だと、誰が一番マッチョなボディの持ち主か、競争になったりしたのですか? マイティ・ソーであるあなたがやはり一番なのでしょうか?
C 僕らはみんなジムで一緒にワークアウトしたんだが、トレバンテ(・ローズ)がやってくるとみんな目を見張ったものだ。着替えのときに、僕は彼に「触っていい?」と聞いて、腹筋を触らせてもらったりした。彼にはかなわないよ。
9.11直後に、最初に戦地へと向かった米陸軍特殊部隊の隊員たちの活躍を描く物語。ヘムズワースはミッチ・ネルソン大尉を演じている。わずか12人でアフガニスタンへと乗り込んだネルソン大尉らは、敵勢力5万人を相手に不慣れな騎馬隊を組んで戦うこととなり……。5月4日(金)より全国ロードショー。配給/ギャガ
文=猿渡由紀 text:Yuki Saruwatari