アンドリュー・ガーフィールド:「いつもとは違う演技体験だった」
2代目スパイダーマンとして世界的に有名になったアンドリュー・ガーフィールドは、それ以前から批評家に愛されてきた実力派。
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スパイダーマンを卒業してからはさらにその道を歩み続け、とくにここ最近は、『沈黙-サイレンス-』『ハクソー・リッジ』で、苦境に置かれた主人公を続けて演じ、絶賛を浴びた。最新作『ブレスしあわせの呼吸』も、その流れを継ぐもの。実話にもとづく今作で彼が演じるのは、結婚して間もなく小児麻痺を患い、余命わずかと宣告された男性。全身麻痺になった彼は、強引に退院し、残された日々を妻のケアのもと、自宅で過ごすと決める。そして、思いのほか長い人生を生きることになった彼は、ほかの身体障害者たちの人権のためにも闘うようになるのだ。
−今作であなたが演じるロビンは、病気のため全身麻痺になります。そのため、映画の大部分で、顔だけの演技をすることになりましたが、それは難しかったですか?
難しかったというより、興味深かったね。いつもとは違う演技体験だった。ロビンはそういう状況にあったので、僕は、撮影前、ロビンの妻ダイアナや息子のジョナサン、彼の友人、お医者さんたちからたっぷり話を聞いたよ。リサーチは、僕が一番好きな部分だ。好奇心に従ってひたすら追求するのさ。それはとても楽しい。
−3作続けて苦しむ役が続きましたが、さすがに辛くないですか?
そうかもね(笑)。でも、この2年ほどは、役者としての僕にとって、素晴らしい時期になったよ。生きているのはどんなことなのかというのを、深く考察する機会をもらえた。でも確かに、この後はもうちょっと違うことをやりたいかもしれないな。
−こういう映画をやると人生観は変わりますか?
どの映画からも何かを学ぶけれども、これは特にそうだった。精神的な意味での人生は自分で作り出すものだというのを教えてもらったと思う。
−『沈黙-サイレンス-』は、アメリカで期待外れの結果に終わりましたが、そのことにはがっかりしていますか?
いや、それは僕にどうできることでもないからね。それに、僕はあの映画が大好きだ。素晴らしい映画だと思っているよ。あれは、映画を超えた映画だ。むしろ、詩みたいな感じでとても美しいと思う。
−アメコミ映画はますます作られ続けていますが、またあちらに戻るつもりはありますか?
今のところそういうオファーもないし、スパイダーマンほど特別の思い入れをもつコミックのキャラクターはいない。でも、絶対にやらないと決めているわけじゃないよ。
<プロフィール>
アンドリュー・ガーフィールド:1983年米ロサンゼルス生まれ、イギリス育ち。舞台でキャリアをスタートさせ、‘07年『大いなる陰謀』で映画デビュー。’12年『アメイジング・スパイダーマン』で主人公を演じ、世界的スターに。『アンダー・ザ・シルバーレイク』が10月13日公開予定。
最新作は『ブレスしあわせの呼吸』
28歳で余命数カ月を宣告されて36年。人工呼吸器と共に、世界一幸せに生きた男とその家族の奇跡の実話を映画化した作品。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでゴラムを演じたアンディ・サーキスが初監督を務めた作品で、アンドリューはポリオにより首から下が麻痺になってしまう青年ロビン・カヴェンディッシュを演じている。9月7日(金)より角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー。
Shutterstock/アフロ