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CULTURE カルチャー

2026.01.24


心にグッとくる! 号泣映画5選!

 

 


『親愛なるきみへ』
製作年/2010年 原作/ニコラス・スパークス 監督/ラッセ・ハルストレム 脚本/ジェイミー・リンデン 出演/チャニング・テイタム、アマンダ・セイフライド、ヘンリー・トーマス 

心が洗われる一作
原作は、『きみに読む物語』などのニコラス・スパークスなので、どのように“泣ける”かは想像がつくかもしれない。1組のラヴストーリーとしては特別に目新しいものではないものの、その純粋さ、王道さで誰もが感動できる映画になっている。

アメリカ軍特殊部隊のジョンと、女子大生のサヴァナ。それぞれ帰省中に海辺で出会った彼らが恋人同士になるも、やがてジョンが戦地に出発して離ればなれに……という遠距離恋愛の物語。軍の機密でネットを使えないジョンなので、手紙のやりとりが続く展開がピュアさを増しつつ、運命は2人の関係をさらに遠のかせる。

出会ってから本気で惹かれ合うまでのドラマがじつに丁寧に演出され、主演の2人、チャニング・テイタムとアマンダ・セイフライドもまっすぐに役を演じているので、心が洗われる一作でもある。主人公たち心の行き違いだけではなく、父親が息子のジョンに向ける感情や、父子の関係が伝わる描写に、涙腺がゆるむ人も多いのでは?
 
  

 


aftersun/アフターサン』
製作年/2022年 監督・脚本/シャーロット・ウェルズ 出演/ポール・メスカル、フランキー・コリオ

20年後に父の本心を想像すると……!
観ている間は、その世界にどっぷりと浸っただけなのに、観終わった後になぜか涙が流れてしまう映画がある。『aftersun/アフターサン』はそんな一本かもしれない。登場人物の心情がどんなものだったのか。余韻とともに反芻できるからだ。

リゾート地での、ひと夏の父との日々。それを20年後の娘ソフィが回想するドラマ。あの夏、すでに両親は離婚しており、ソフィが大好きな父のカラムと過ごしたのも、それが最後となった。ソフィがたどる記憶と、当時、カラムがビデオカメラで撮った映像で構成される本作は、基本的にありふれたサマーバカンスの断面をつづる。しかし、カラムのいくつかの不可解な行動がミステリアスな空気を増長し、20年後に父の本心を想像するソフィの思いが重なったとき、予期せぬ感情が湧き起こって、涙せずにはいられなくなる。ラストシーンの意味も深く考えてしまうはずだ。一方で、もう会えなくなった家族との思い出を懐かしむという、誰もが共感できる作品でもある。
 

  

 


『ロボット・ドリームズ』
製作年/2023年 原作/サラ・バロン 製作・監督・脚本/パブロ・ベルヘル 

泣ける大人アニメ
基本的に“泣ける”映画のポイントは、ストーリー、あるいは登場人物の感情が占めている。しかし稀に“音楽”の効果で涙腺が決壊する作品もある。

この『ロボット・ドリームズ』はアカデミー賞にもノミネートされた長編アニメ。製作費をたっぷりかけたCGアニメが全盛の時代に、あまりにシンプルな線画の2Dが逆に新鮮。1980年代のニューヨークで、孤独な生活を送るドッグ(犬)が通販でロボットを購入。彼らは友情を育むが、あるきっかけで離ればなれになってしまう。

全編、セリフやナレーションなしで展開し、各キャラの表情も単純なのだが、なぜか思いが痛いほど伝わってくる作りは奇跡的。アース・ウィンド・アンド・ファイアーの『セプテンバー』が、ドッグとロボットの楽しい日々で流れ、彼らの思い出の曲となるのだが、その『セプテンバー』がもう一度使われるシーンに、涙をこらえきれなくなるのは確実。

誰かとの大切な絆は、たとえ会えなくなっても永遠に残る。そしてその相手が、いま幸せに過ごしていると知れば、それだけで自分も心からうれしい……。そんなテーマに素直に感動できる珠玉作!
 

  

 


『ルワンダの涙』
製作年/2005年 監督/マイケル・ケイトン=ジョーンズ 出演/ジョン・ハート、ヒュー・ダンシー、クレア=ホープ・アシティ

あまりにも残酷な悲劇に怒りの涙がこみ上げる!
悲劇の実話を基にした映画は、その当事者の悲しみや苦しみをリアルに体感できるので、思わず涙が誘われるケースも多い。本作は、1994年にアフリカのルワンダ共和国で起こった、あまりに衝撃的な事件をベースにしている。

主人公は、英語教師としてルワンダに来たイギリス人のコナー。その頃、ルワンダではフツ族とツチ族の対立が深まっており、フツ族出身の大統領の飛行機が撃墜されたことから、フツ族がツチ族の虐殺に踏み切る。コナーの赴任した学校が虐殺から逃れた人たちの避難所になり、彼の目線で恐るべき歴史を再現する作りだ。人間が同じ人間を殺(あや)める際に、ここまで理性を失えるのかという現実。さらにその手段のあまりの残酷さが、有無を言わさず観る者の頬を濡らすことになる。

同じ虐殺事件を背景にした、ホテル経営者が人々を守る『ホテル・ルワンダ』と併せて観れば、さらに背筋が凍り、人間の愚かさに対して怒りの涙がこみ上げてくるはず!
 

  

 


Our Friend/アワー・フレンド』
原作・製作総指揮/マシュー・ティーグ 監督/ガブリエラ・カウパースウェイト 脚本/ブラッド・イングルスビー 出演/ケイシー・アフレック、ダコタ・ジョンソン、ジェイソン・シーゲル

余韻に浸るうちに静かに涙が流れるはず!
家族との関係、長年の友情、そして実話。この3つは感動映画を支えるうえで重要なトピック。そのすべてを美しく融合させたのが本作だ。

妻のニコルと2人の娘に囲まれ、仕事に必死に向き合ってきた主人公はジャーナリストのマット。しかしニコルが末期ガンを宣告されたことで、彼の生活は一変する。ピンチに追い込まれた一家に手を差し伸べたのは、かつてマットとニコルに人生を救われた“恩”があるデインだった。

母親がこの世からいなくなることを子供たちに説明するなど、前半からマットの目線になって胸が締めつけられものの、全体に大げさな演出は控えめ。現在と過去が行き来しながら、メインの登場人物3人の友情が浮かび上がっていく構成も見事で、号泣というより余韻に浸って静かに涙が流れるパターン。

『マンチェスター・バイ・ザ・シー』でアカデミー賞主演男優賞に輝いたケイシー・アフレックが、このマット役でも繊細な名演技を披露。人として誰かの助けになること。その喜びを素直に受け止められる、誠実かつ良質な一本だ。

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文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
Photo by AFLO
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