モノトーン空間に、名作家具が映える!
好きな北欧家具と暮らすためにデザインしたノルディックモダンなN邸。白やベージュをベースにしたシンプルな内装を背景に美しい曲線と用の美ともいうべき使い心地を持つ、名作家具が映える。余白との絶妙なバランスが生み出す、端正でありながら居心地がよい空間。フィロソフィーのある空間作りを学ぼう!
- SERIES:
- 西海岸的なハッピー・ルーム! Vol.78
N邸/1LDK/74.5㎡
白い壁に明るいトーンのフローリング、モダンな空間にさりげなく名作家具が置かれているN邸。「予算も考慮してのことですが、好きな家具が主役、その器となる家本体はシンプルにしたい」という明確なコンセプトのもと、デザインを依頼した住まいだ。施主がミッドセンチュリーの北欧家具に興味を持ったのは、デンマークの建築家アルネ・ヤコブセンの〈エッグチェア〉を知ったことがきっかけ。このチェアは、ヤコブセンがデンマークのホテルの設計を担当した際に、レセプションルームやロビー用にデザインしたもの。パブリック空間の中にプライベート空間を作るという彼ならではのアプローチから、他者の視線を遮って個の空間を生み出せる卵型の丸いチェアが出来上がった。自身のガレージでワイヤーと石膏を使用して試作を繰り返し、完璧なフォルムを追求した。
ヤコブセンは「最も重要なのはプロポーションがきちんとしているか」と発言したことで知られている。N邸もデコレーションすることよりもプロポーションを重視している。まず、余白のある空間作り。収納棚やベッドサイドの照明は壁付けにして浮遊感を出し、家具は足元が抜けるデザインで余白を。寝室やワークスペースの窓は、高い位置に配置することで、壁にも余白を生んだ。次は、フラットさ。通常の設置の仕方だと、凹凸が出てしまうエアコンは、造作の棚と面を合わせて収納し、壁面をすっきりと見せた。そして、ドアの取っ手や蝶番、レンジフードまで白で揃えて、複数色を使うことで出る凹凸感も抑えている。
「ヤコブセンをきっかけに、余計な装飾がないシンプルな美しさを持つ北欧インテリアに惹かれた」という施主。自身が最も落ち着くというモノトーンで、家具やモビール、アートなどが統一されていることが、いっそうプロポーションの魅力を引き立てている。
ベッドはソファと同じ〈ボーコンセプト〉。ベッドサイドに壁付けした収納棚はプッシュ式で開閉でき、上にはスマホ置きやちょっとした飾り棚としても使えるように。ベッドに掛けた〈ラプアン カンクリ〉のブランケットとピローケースがモノクロ空間のアクセントに。
白くてスクエアなデザインのキッチン。対してダイニングは、デンマークのデザイナー、ヴァーナー・パントンが手掛けた照明やフィンランドの建築家アルヴァ・アアルトのダイニングセット、壁のアートポスターで、黒く丸みのあるデザインにまとめ、コントラストを。
窓からの陽射しが気持ちよいワークスペース。造作した幅160㎝のデスクは、ロの字型の脚がすっきりとした抜け感を出している。チェアは〈フリッツ・ハンセン〉で使いやすいキャスター脚をセレクト。左側の壁には、スクエア型で撮ったモノクロ写真をディスプレイ。
予算の範囲内でできることではあるものの、家の中のどこを見ても好きなものに囲まれた生活が実現したので、どの瞬間も心地いいですね。特に仕事が終わり夕食をとった後、ソファに座って映画を見るのが至福のひとときです。
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※『Safari』8月号194〜195ページ掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo








































































