デンゼル・ワシントン:「観客を楽しませてあげられる映画だ」
30年以上のキャリアを持つデンゼル・ワシントンは、これまで一度も続編に出たことがない。「意図的じゃないよ。お願いされたことがなかっただけ。あるいは、意味がないと感じたか」と言うワシントンだが、『イコライザー2』には、その意味を見出したようだ。
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2014年の1作め同様、監督はアントワン・フークア。今作には、ロバート・マッコール(ワシントン)が面倒を見る若者の役で、『ムーンライト』のアシュトン・サンダースが出演する。フークアによると、カメラの裏でも、ワシントンはしっかりとサンダースの世話をしてあげていたそうだ。
−今作も、アクションがたっぷりですが、ハリウッドにはすでにボンドやジェイソン・ボーン、リーアム・ニーソン演じる様々なアクションヒーローがいますよね。マッコールはどこが違うと思いますか?
わからないな。そういうのは、それらの映画を全部観た人に聞くべきじゃないかな。僕はそれらを全部は観ていない。それに、僕はキャラクターをそんなふうには見ない。比較して考えないんだ。僕は、この映画を、アントワン(・フークア)風のよい映画だと感じた。観客を楽しませてあげられる映画だともね。
−今作ではアシュトン・サンダースの指導者のような役割を果たしますが、あなた自身も若い俳優によくアドバイスをあげるのでしょうか?
僕は、実際に手本を示すようにしている。でも現場で僕の仕事は演技をすることで、指導することではない。聞かれたら答えるけどね。出し惜しみはしないよ。だけど、そのためにいるわけではない。
−若い俳優といえば、最近はあなたの長男ジョン・デビッド・ワシントンが、大活躍していますね。デンゼル・ワシントンの息子ということで、彼はどんなプレッシャーがあったと思いますか?
それは彼に聞いてもらわないとね。だけど、ひとつ僕らがやったのは、目立たないようにしたこと。この業界に彼が入った最初の1、2年、誰も彼が僕の息子だと知らなかったんだよ。彼は、そうしたかったんだ。自分で成功を収めるために。父としてもそれは賛成だよ。息子が「俺は1人でやってみる」と言ったら、父は「それはいい。俺もそれを望む」と言うよ。
−多様性がプッシュされる今、彼にとっては、あなたが出てきた頃より状況は楽だと思いますか?
もっとチャンスはあると思う。ただ、チャンスがあるから楽だとは限らないよね。その役を取らないといけないし、取れたら、今度はいい仕事をやってみせないといけない。それは逆にプレッシャーになるかもしれない。チャンスをもらったなら、ちゃんと結果を出してみせないといけないんだよ。
<プロフィール>
デンゼル・ワシントン:1954年生まれ。ニューヨーク出身。舞台俳優としてデビューし、‘90年『グローリー』でアカデミー賞助演男優賞を獲得。’01年には『トレーニングデイ』で、アカデミー賞主演男優賞に輝いた名優。
最新作はこちらの『イコライザー2』
元CIAエージェントで、世の裁けない悪人を19秒で抹殺していく“イコライザー”。そんな一面を持つロバート・マッコールの活躍を描いた’14年『イコライザー』。その続編となる今回では、CIA時代の上司が殺害される事件が発生。独自に調査するマッコールは、身内であるCIAが関与していることに気づく。10月5日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー。
photo by AFLO