最先端を行けばクルマも“ボーダーレス”になる!?
電動化、自動運転……。クルマの進化が止まらない。となると、もはやクルマのジャンルすら意味を持たなくなってくる!? 進化した〈アウディ〉はついにここまで来た!
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[アウディ A7 スポーツバック]
AUDI A7 SPORTBACK
ステレオタイプという言葉がある。「一般的にいわれている」ことや、「社会通念的な概念」をたとえる言い方だ。ときとしてネガティブに使われることがあり、流行りの歌の歌詞にもよく見受けられる。面白いのは、この言葉とオーディオのステレオは関係ないということ。個人的にずっとスピーカーから流れるステレオサウンドに関する言葉だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。どうもこの場合のステレオは印刷技法に関することらしいのだ。詳細はここでは省くので、興味のある方はこれを機会に是非ググってみてはどうだろう。
それはともかく、自動車業界もまたステレオタイプには物事が進まなくなってきた。昔は4ドアといえばセダンだし、2ドアといえばクーペやオープンカーを指していた。が、今4ドアで思い浮かべるのはSUVもあればミニバンもある。ドアの枚数だけではクルマのジャンルを計れなくなってきたのだ。
今回スポットを当てる〈アウディ〉A7スポーツバックもそう。ボディタイプはまさに4ドアクーペ。2ドアに負けないくらいシュッとしたスタイリングをしている。この新型は2010年にリリースされた初代からのフルモデルチェンジになる。特徴はやはりそのデザインで、先代で好評だったフォルムをそのままに細部を徹底的に見直した。一見して違いがわかるのはテールエンドで、シェパード犬にたとえられた低いテールを33㎜だけ上げ、ルーフラインからの流れをなだらかにしている。従来のモデルもあれはあれでいいのだが、今となっては少しクラシックにすら思える。
全体的にはキープコンセプトながら新型はプラットフォームが最新のものに変わっているのも見逃せない。A8、A4、Q5、Q7にも使われるMLB evo(エム・エル・ビー・エヴォ)と呼ばれるのがソレだ。軽量かつ高剛性で、様々なタイプのクアトロシステムが使える。
A7 スポーツバックのエンジンは3リッターV6ターボのみで、最高出力は340psを発揮。で、ここで注目したいのがグレード名。A7 スポーツバックの後に55TFSIクアトロ云々と続く。ではなぜ“55”という数字がつくのかというと、今後排気量のない電気自動車に対応するため。EVもこういった数字でくくればガソリン車に置き換えてイメージできるからだ。これから各メーカーもきっとこうしたカテゴリーを作るだろうが、この辺は〈アウディ〉の先見性が光る。
このクルマの楽しみ方&使い方
A7 スポーツバックには〈アウディ〉らしい先進技術がたっぷり注入されている。それはエンジンをスタートさせた直後からそうで、“HDマトリクスLEDヘッドライト”と“LEDリアダイナミックターンインディケーター”が、独特のサインで起動をまわりに知らせてくれる。まるでサイボーグが目覚めるように。
そしてインテリアではブラックアウトされていたメーターパネルやダッシュボードセンターのモニターがデフォルト画面を映し出す。しかもセンターは上下2画面。走りに関しての様々な情報を得るのが上で、エアコンを中心とした快適なキャビンを作り出すのが下の画面での操作となる。どちらも直感的に操作できるタッチスクリーン式だ。
個人的に便利だと思ったのはスマートフォンとの接続で、一部コンテンツを画面に表示させ操作することができる。〈アウディ〉専用の“my Audiアプリ”というのを使うとナビの目的地をクルマに送信することも可能だそうだ。また、“アウディコネクトナビゲーター”というのもいい。24時間365日専任のオペレーターが施設検索や予約手配をしてくれる。もはやこの辺は高級車のデフォルトかもしれないが、使い勝手がいいのは確か。使い出すとクセになるほど役に立つ。
といった気になる装備はここには書ききれないほど。〈アウディ〉の先進性は知れば知るほど驚かされるから脱帽だね。
01 スタイリング
レジャーにも使えそうなハッチドア
先代から受け継いだクーペラインをさらに妖艶にした新型。エレガントさは格別。リアゲートを開けると大型ハッチバックのように使えるのもこのクルマの優位点。4ドアのフォーマルさも残しながら多岐にわたる実用性の高さを感じさせる。
02 ドライブアシスト
クルマ全体でドライバーをアシスト!
交差点の先の見えないエリアに対してレーザースキャナーやセンサー、カメラを駆使して接近する車両を監視したり、右折時のドライバーの死角をレーダーが監視したりと、ドライバーをアシストする安全装備はてんこ盛りこれで安心!
03 マイルドハイブリッド
このクラスで好燃費も期待できる!
このクルマには48V(ボルト)のマイルドハイブリッドシステムが搭載される。これによりエネルギー回生と加速アシストが実現され燃費向上が見こまれる。時速55~160㎞ /hの間でのコースティング中ではエンジン停止されるのもグッド。
SPECIFICATIONS
アウディ A7 スポーツバック55 TFSI quattro S line
●全長×全幅×全高:4975×1910×1405㎜
●ホイールベース:2925㎜
●エンジン:3ℓ V6 DOHCインタークーラー付きターボ
●最高出力:250kW(340ps)/5200-6400rpm
●最大トルク:500Nm /1370-4500rpm
●トランスミッション:7速Sトロニック
●車両重量:1900kg
●駆動方式:四輪駆動
●定員:5名
●税込み価格1066万円
●アウディ コミニュケーションセンター
TEL:0120-598-106
雑誌『Safari』12月号 P298・299掲載