〈アウディ〉A8
フラッグシップセダンなんていうと、ちょっと大人なイメージ。人生の後半に選ぶべきクルマ、な〜んて思ってない!? 実は今、ジャーマン3と呼ばれる〈メルセデス・ベンツ〉、〈ビー・エム・ダブリュー〉、そして〈アウディ〉のフラッグシップが、メッチャ“攻めてる”ってご存知?
- SERIES:
- 話題のクルマを品定め!
- TAGS:
- 話題のクルマを品定め! Cars
最初に誤解を解いておくと、そもそも“フラッグシップセダン=コンサバ”の図式自体が間違っていると思っていい。それらの多くがフルサイズセダンだから、“エグゼクティブなオヤジ用”な〜んて思われがちだけど、コンサバなんてとんでもない。今も昔も“フラッグシップ”という名の免罪符のもと、これからの自動車産業の行方すら示唆するような、ものすごいテクノロジーがたくさん搭載されているハイテクカーなんだから!
オヤジっぽさがない若々しいルックス!
そ〜んな前置きをちょっと頭の隅に置いといてもらったうえで、この9月に日本にも導入が叶った、〈アウディ〉A8をチェックしてみよう。まずはルックスから。
エクステリアは横方向の広がりを感じさせるデザインに変更され、ひとめで〈アウディ〉とわかるデザインなのに、久々に若さを手に入れた感じ。リアビューも同じく、垂直方向の直線基調を強調。上品かつアイコニックなヒップラインがエレガントだ。
〈アウディ〉といえば“ヒカリモノ”。ライト類には並々ならぬ情熱を注ぐのが常だけど、今回も期待を裏切らない。
HDマトリクスLEDハイビームは個別に制御される32個の小型LEDからなるシステム。これとともにはじめて組みこまれた”アウディレーザーライト”は一般的なハイビームの2倍の照射距離を誇るなど、目立つだけでなく技術的にも工夫を凝らし、視認性という安全面に貢献させているのがスゴイ。
インテリアもさすがにフラッグシップ!
インテリアもリッチ&クリーンな雰囲気で上質をこころゆくまで堪能できる。
コックピットに座っただけで先進感を感じることが出来る。その大きな要因のひとつは、このA8から装いを新たに生まれ変わる、〈アウディ〉の新世代インフォテイメント・システム“MMIタッチレスポンス”。
インパネの中央には2枚のスクリーンが用意されている。アッパー部は10.1インチ、ロウワー部には8.6インチ。双方タッチ式での操作が可能だ。アッパー部はナビや走行モードなど車両に関するインフォメーションが。下部には空調やナビの目的地などを入力するキーボードなどが備えられる。
実はこのシステムが登場するまで、〈アウディ〉が独自に備えていた先代MMIは、文字入力システムが独特すぎて、熱烈なファン以外はなかなか使いこなすのが難しかった。それが新世代になったことで直感で操作が可能に。これは嬉しい。
最先端の技術は走りにも!
注目したいのは、量産車ではじめての搭載となる、フロント1基のレーザースキャナーを含む最大23個のセンサーが生み出す、高度なセンサリング技術によるドライバーアシスタンス。たとえばすっかりお馴染みの全車速追従型クルーズコントロールは、まるで人間が(しかも運転が上手な人が)操作しているかのようなナチュラルなアシスタントを叶えている。
パワートレーンは2種類。
3.0ℓV6と4.0ℓV8、双方ターボのガソリンエンジンとなり、340psのV6はA8 55 TFSIクワトロに、460psのV8はA8 60 TFSIクワトロとA8 60 L TFSIクワトロに搭載される。トランスミッションはどちらのエンジンも8速AT。
そしてこれらすべてのエンジンには、欧州で人気の48V電源によるマイルドハイブリッドが組み合わされていて、燃費に大きく貢献しているのがポイント。
「えっ、V8 モデルで1800万円を越えるクルマが燃費を気にするなんて!」と思うことなかれ。エグゼクティブほど環境コンシャスなのはご存知のとおり。そう、日々のコストよりもCO2排出量に考慮したクルマを選ぶのは、もはやジョーシキってワケ。
肝心の乗り味なのだが、特にV8は悶絶級の陶酔系。しっとりシックでフラットなキャビンは、さすがフラッグシップセダンの一言! そう、超攻めてる先進と、最上級の贅沢さ、ド級のスペックを高い次元で両立させていることこそ、フラッグシップの妙味なのだ。
★DATA 〈アウディ〉A8 55 TFSIクワトロ
●全長×全幅×全高:5170×1945×1470mm
●ホイールベース:3000mm
●車両重量:2040kg
●エンジン:3ℓV6DOHCインタークーラー付きターボ
●最高出力:250kW(340PS)/5000~6400rpm
●最大トルク:500Nm(51.0kgm)/1370~4500rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1140万円
●アウディコミュニケーションセンター
TEL:0120-59-8106