で、実際どうなのか?〈BYD〉シーライオン7
大物女優のTVCF出演とともに、一躍名前を上げた〈BYD〉。日本国内でも積極的にモーターショーなどのイベントに出展したり、販売網を拡大したりと積極的。実際、気になっている人も多いんじゃない? そんな中4月15日より、あのクルマの日本国内販売が開始! 「実際のところ、どうなの?」をレポートしたい。国内導入第4弾となる電気自動車、〈BYD〉シーライオン7の登場だ。
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まず戦略的な価格から。このシーライオン7は後輪駆動と四輪駆動のふたつのバリエーションをラインナップする。前者は495万円、後者は572万円、ともに税込み価格となっている。総電力量は82.56kWhで、一充電あたりの航続距離はRWDが590km、AWDが540kmとかなりのもの。
〈BYD〉はもともとバッテリーメーカーのため、リチウムイオンバッテリーの信頼性はもとより、その“使い方”が巧い。〈BYD〉では製品の多くにLFP(正極材にリン、鉄、リチウムを使用する)イオンバッテリーを採用している。これを板状に成型し、床下にびっしりと隙間なく埋めることで、高航続距離を稼いでいる。と同時に、充電時の車両側の最大受入容量も105kWと頼もしい。
〈テスラ〉のように、ナビを設定しておけば到着地に着く前に自動的にプレヒートをする、というものはないにしても、自分で予熱を行えるボタンは、特徴的なインターフェースに組み込まれているから充電もスムースかつ速い。
そう、〈BYD〉といえば特徴的なのはインテリアだ。デフォルトでは15.6インチという大型ディスプレイが横向きに配置されているが、タッチひとつで縦に回転する機能を備えている。このUIもシーライオン7から刷新された。高性能チップの採用により窓やドアミラーの開閉を行えるようになったり、シート関連の操作もこの中で行える。さらにNFCカードを追加できるようになったので、スマートフォンやスマートウォッチでキーのロック/オープン、そしてイグニッションオンまでを行えるようになっている。
デザインもフラッグシップにふさわしいものに。ボディサイズは全長4830×全幅1925×全高1620㎜。日本の道でも扱いやすいサイズながら、EVらしい長いホイールベース(2930㎜)で接地感抜群。〈BYD〉にはすでにドルフィン、シール、そしてこのシーライオンと、海洋生物由来のネーミングモデルが存在するが、すべて独特の有機的なラインで構成されており、特にライトの存在感は、夜間走行の際にも驚くほどの個性を醸し出す。ちなみに航続距離に関わるCd値は0.28となかなかで、さらに最高時速は215km/hとパフォーマンスのアピールも抜かりない。
さて、実際に乗ってみるとまずはシートがとても柔らかい。そして、サスペンションもかなり柔らかいものになっている。ラグジュアリーという局面を押し出したのか、ダンピングのアタリが優しすぎるイメージだ。モーターの出力は230kW、最大トルクは380Nmとパワフルなので、どこか粘るようなコーナリングとパワーのバランスが個性的に感じた。ハンドルはとても素直で軽やかだから、このバランスには好みがわかれそう。
けど、正直に言ってこの航続距離とこの質感、プライスタグを見るとゼンゼン悪くない。そして代を増すごとに高級感も飛躍的に増している。たくさんのガジェットライクなサプライズも用意されていて(たとえばスマホの非接触充電に、スマホクーラー機能があるとか)、アジア由来の細やかな気遣いにはグッと来る人も多そうだ。
★DATA 〈BYD〉シーライオン7 AWD
●全長×全幅×全高:4830×1925×1620㎜
●車両重量:2340kg
●ホイールベース:2930㎜
●一充電走行距離(WLTCモード):540km
●フロントモーター最高出力(ネット値):160kW(217PS)
●フロントモーター最大トルク(ネット値):310N・m
●リアモーター最高出力(ネット値):230kW(312PS)
●リアモーター最大トルク(ネット値):380N・m
●システム最高出力(ネット値):390kW(529PS)
●システム最大トルク(ネット値):690N・m
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:572万円〜
●ビーワイディージャパン
TEL:0120-807-551
URL:https://byd.co.jp/byd-auto/