“史上最高の時計師”と称えられるのが〈ブレゲ〉の創立者アブラアン-ルイ・ブレゲ。永久カレンダーや自動巻き機構などを開発した、まさに“天才”。そんなブレゲが開発し、1801年6月26日に特許を取得したのが、フランス語で“渦巻き”を意味するトゥールビヨン。で、その日に合わせて今年発表されたのが、新作トラディション トゥールビヨン フュゼ7047。文字盤とフェゼ(鎖引き)トゥールビヨン機構を気品あるブルーでカラーリング。エレガントなデザインで、なんとも品格が漂う1本。複雑機構の緻密な動きに思わずうっとりしてしまうはず。
こちらのトラディション トゥールビヨン フュゼ7047は、天才ブレゲが作った“スースクリプション”と呼ばれるタイプの懐中時計をデザインモチーフにし、機械式時計のメカニズムを可能な限り目で楽しめるよう工夫したトラディションシリーズの新作。
ケースはプラチナ製で、文字盤はゴールド製のオフセンター仕様。ギョーシェ彫りのクル・ド・パリ模様や穴が空いたモチーフを先端に配したブレゲ針などを見ることができる。
オフセンターの文字盤の右上にはトゥールビヨンを搭載。トゥールビヨンは、機械式時計の時を刻む心臓部“脱進調速機”を、キャリッジと呼ばれるカゴに入れて強制的に回転させることで“姿勢差”を減らして、時計の精度を向上させる仕組み。ちなみに姿勢差というのは、地球の重力が原因で起きてしまう、時計の“進み遅れ”のことだ。
また、このモデルは、もうひとつ時計の精度を上げるフュゼ・チェーン・トランスミッションによるコンスタンスフォース機構も搭載している。フュゼ・チェーン・トランスミッションは円錐形の滑車とチェーンを組み合わせて、クルマのCVT変速機と基本的に同じ原理、構造で駆動トルクを安定させる仕組み。この機構のチェーンは、文字盤やトゥールビヨンのキャリッジと同じブルーの表面処理が施されていて、文字盤からその姿を眺めることができる。
ケース径41mm、手巻き、プラチナケース、アリゲーターストラップ、3気圧防水。2327万6000円(ブレゲ/ブレゲ ブティック銀座)
搭載されているムーブメントはキャリバー569。シリコン製のブレゲヒゲゼンマイを採用し、磁場の影響を受けず、優れた計時精度を誇る仕様となっている。パワーリザーブは50時間。
文字盤と同じトーンのミッドナイトブルーのアリゲーターストラップが高級感をいっそう後押ししている〈ブレゲ〉の新作トゥールビヨンモデル。2つの複雑機構が楽しめるだけに、お値段もそれなりにハードルが高いものに。ただし、それだけの価値がある1本であることだけは間違いがないので、気になった人は是非お問い合わせを。
●ブレゲ ブティック銀座
TEL:03-6254-7211