ブッキング・ドットコム アジア太平洋地域マネージング・ディレクター兼バイス・プレジデント――アンジェル・ユル・マンカス
アンジェルにとって、腕時計とは即ち〈タグ・ホイヤー〉―そう言っても過言ではないほど、このブランドに惚れこみ愛し続けている。今回の撮影に持参したフォーミュラ1とカレラのほかにも、ダイバーズウォッチのアクアレーサー、スマートウォッチのコネクテッドの計4本を愛用中だ。〈タグ・ホイヤー〉のフラッグシップモデルのほとんどが揃うアンジェルのコレクション。なぜここまでこのブランドに惹きつけられたのだろうか?
- SERIES:
- ビジネスセレブの「時を紡いで」 vol.15
●今月のビジネスセレブ
ブッキング・ドットコム アジア太平洋地域マネージング・ディレクター兼バイス・プレジデント
アンジェル・ユル・マンカス[Angel-llull-Mancas]
Profile
IBB ホテルズ社の最高経営責任者、ホーワス インターナショナル社のシニア・ビジネス・ディベロップメント・コンサルタントなどを経て、2012年にブッキング・ドットコムに。世界中の様々な地域でリージョナル・マネージャー、北米のシニア・リージョナル・ディレクターを歴任し、2019年3月から現職。
タグ・ホイヤー
タグ・ホイヤー フォーミュラ1
キャリバー 16 クロノグラフ
●愛用歴/約1年
●購入場所/アメリカのブティック
●購入金額/約2000ドル
スポーティでありながら、繊細な色みのダイヤルによって、スーツの手元にもマッチするエレガンスを兼備。現在は販売終了。
「針やタキメータースケール、リュウズに少量だけ効かせ、絶妙なアクセントとなっている赤。そしてメインダイヤルのスレートグレーのニュアンスのある色みも気に入っています。クロノグラフのインダイヤルの配置、デザインも好きですね」
タグ・ホイヤー カレラキャリバー ホイヤー 01 クロノグラフ〈右〉
オープンワークのダイヤルから、精緻なムーブメントの美しさを堪能することができるスタイリッシュなクロノグラフ。チタニウムカーバイドコーティングを施したベゼルやラバーストラップのブラックと、ポイントにあしらわれたレッドのコントラストが特に艶を醸し出す。オープンワークながらも非常に視認性にも長け、実用性が高いのも魅力。現在も入手可能で、価格は58万円。
タグ・ホイヤー フォーミュラ1キャリバー 16 クロノグラフ〈左〉
そのモデル名のとおり、フォーミュラ1の伝説的なレーサーが着用したことで知られる名品。衝撃吸収機能を備えるなど、“スピード”のために開発されたクロノグラフは、ステンレススチールとセラミックの対比や、サンレイ仕上げを施したアントラサイト・グレーの文字盤が洗練を印象づける。瀟洒な雰囲気を持ち合わせながらも200 m防水というタフさで、オンオフ問わず活躍する。
「そのストーリーは、私がまだ幼かった頃に遡ります。実は父が大のF1レースのファンで、小さい頃から兄弟とF1に親しんできました。もちろん私も夢中になり、F1レースを取り巻くすべてのものに憧憬を抱いていましたが、あれは80年代、至る所で〈タグ・ホイヤー〉がフ
ィーチャーされていて」
―〈タグ・ホイヤー〉って一体なに?
疑問に思ったアンジェル少年はそう父親に尋ねた。
「すると父が箱からとてもかっこいい時計を取りだして、“これだよ”と。もう、“わあ〜!”ってなりまして(笑)。当時のF1界のそうそうたるドライバーたちは私のアイドルですが、当然〈タグ・ホイヤー〉の時計を愛用している人も多く、そのときから私にとって特別なブランドになりました」
〈タグ・ホイヤー〉の人気コレクションのひとつであるフォーミュラ1のファーストモデルが発表されたのは1986年。それまで契約していたフェラーリからマクラーレンのスポンサーとなったことをきっかけに誕生した。
「一流のエレガンスを宿しながらも、旅行、スピード、スポーツ―あらゆるイメージを併せ持ち、冒険心を掻き立てる。まだまだ少年でしたが、いつか大人になったら必ず手に入れると心に決めました」
初めて手に入れたのはアクアレーサーで、今から15年ほど前に、スイスで購入したという。
F1をきっかけに憧れを抱いたアンジェルのファースト〈タグ・ホイヤー〉としては、ダイバーズウォッチはちょっと意外な気もするが、スペインの海辺の町で生まれ育った彼にとっては、それはごく自然な選択だった。
以降、人生の大きな転機が訪れるたびに、ひとつずつコレクションを増やしていったアンジェル。
「1人めの子供が生まれたときの記念に買ったのはカレラ。昔、父が私に〈タグ・ホイヤー〉というブランドの存在を教えてくれた際に見せてくれたのがカレラだったので。私も父親になり、いつかこの子が大きくなったときへ思いを馳せて。これは私にとって非常に特別な存在なので、デイリーには使っていません」
いよいよF1ゆかりのフォーミュラ1を入手したのは、現在暮らしているシンガポールへ転居したとき。
「ご存知のとおり、シンガポールはF1のレースが開催されている国。故郷から遠く離れていても、子供のころからF1を一緒に観戦してきた愛しい家族を、この時計を通じていつも近くに感じることができると思いまして」
最も新しいのはコネクテッド。「タグ・ホイヤーがいよいよスマートウォッチを発表!」と時計界でも大きな話題を振りまいた注目作だ。
「現在、18カ国、49のオフィスを統括する立場なので、とても出張が多いんです。そんな今の私にとって、時刻調節が不要で、メールチェックや予定の確認、そしてブッキング・ドットコムでの予約アラートも確認できるコネクテッドはなくてはならない存在です。ファッション性も高く、なにより自分が大好きなブランドなので、出張時以外もほぼ毎日のように使っています」
もちろん次に欲しい時計も〈タグ・ホイヤー〉だ。
「まだ持っていないモデルなので、モナコのクロノグラフが欲しいですね。あるいは、カレラのトゥールビヨン搭載のクロノグラフ。いずれもよほど大きな転機がないと買えませんが(笑)」
このブランドへの一途な思いは、これから先も真っすぐ続いていく。
「改めて考えると、愛用中の時計もこれから欲しい時計もクロノグラフばかりですね。でも実はクロノグラフ機能を使ったことはまずないんです(笑)。デザイン、そして機能性を感じられるところに惹かれているんでしょうね。使うとしたらレースに出るときだと思いますが、妻に反対されていますので(笑)」
最後に、ここまでアンジェルの心を惹きつけて離さない〈タグ・ホイヤー〉というブランドの魅力を聞いてみた。
「最新のテクノロジーと伝統的なクラフツマンシップ、その両方を併せ持つところでしょうか。自動巻きの時計たちとコネクテッドは、たとえて言うなら紙の本と電子書籍のようなもので、私にとってはどちらも必要ですしそれぞれのよさがあります。また、私にとってはいずれも心を動かした瞬間を象徴するもの。もはや時計というより魂を持った存在ですね」
Company Information
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雑誌『Safari』6月号 P252・253掲載
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photo : Yoshifumi Ikeda text : Kayo Okamura