Safari Online

SEARCH

LIFESTYLE ライフスタイル

2021.04.11


【田中大貴】はじめてうれし泣きした試合がキャリアのターニングポイント! 尊敬する先輩と掴んだ悲願の優勝トロフィー!

Bリーグ発足時から、アルバルク東京の主力選手として活躍してきた田中大貴。日本のバスケの未来を担うキープレイヤーの足跡には、尊敬する人物とともに戦った一戦が、ターニングポイントとして今も刻み込まれる。

DAIKI TANAKA
TURNING POINT2012年11月25日
第64回全日本大学
バスケットボール選手権大会
VS 青山学院大学

日本最高峰のシューティングガードとして、日本のバスケ界を牽引している田中大貴。Bリーグ屈指の常勝チームであるアルバルク東京の中心選手として、2018年と2019年に2連覇を達成。数々の栄冠を掴んできた田中だが、名門・東海大学時代はあと一歩のところでタイトルを逃していた時代があった。1年生から主力で活躍していたが日本一は獲得できず、シルバーコレクターに甘んじていた。そんな彼がひとつの分岐点として記憶している試合は、悲願の日本一を掴み取った一戦。3年生で迎えた全日本大学選手権の決勝で、青山学院大学と対戦した頂上決戦だ。

「青山学院大学と決勝で対戦するのは、2年連続のこと。相手は3連覇を狙っていて、そのシーズンも勢いに乗っていた。だから、前評判も相手が優勢という見方をされていました。そんな対戦相手を破り、ずっと手が届いていなかった日本一を獲得することができたんです。プロになった今でも、この試合ほど嬉しかった勝利はありません。試合が終わった瞬間、気づいたら泣いていました。小学校の頃からバスケで悔しくて泣いたことはたくさんあったのですが、嬉しくて泣いたのは、人生でこの試合だけですね」

試合は、田中の得点などによって7対0と東海大学がリードする立ち上がりに。第1クォーターは15対14に迫られ、第2クォーターで逆転されてしまったが、後半に田中が躍動。3ポイントシュートなどを決めて驚異的な追い上げをみせ、71対57でフィニッシュ。14点差をつけ、チームは悲願の優勝トロフィーを手にした。東海大学が全国優勝したのは、実に6年ぶりのことだった。優勝候補の青学相手に多くの得点を決められたことで自信を得られたと語る田中。だが、勝利の原動力となったものはほかにもあった。

「この試合では、当時4年生でキャプテンを務めていた狩野祐介さんという先輩に対し、特別な思いがありました。狩野さんは気分に左右されることが全くない選手。練習や、試合前の準備といったすべてにおいて、365日全く変わらない態度で取り組んでいました。多くを語らず、背中で見せるタイプの先輩で、本当に心から尊敬できる選手だったんです。しかし、そんな狩野さんでも、ずっとタイトルを獲得できていなかった。高校時代に在籍した福岡第一高校で、引退の年にウインターカップ決勝まで上り詰めました。でも、惨敗した経験があったんです。そして、東海大学でも日本一にあと一歩で届かず、この年、最後のシーズンを迎えていました。そんな狩野さんにここで日本一を達成してほしい。僕だけでなく、チームの全員がそう思っていました。自分ではなく誰かのために頑張ろう。選手としてそんな思いを抱いたのは、これがはじめてのことでした」

優勝候補の青学を上回ることができたのは、もちろんチームに力があったからだ。しかし、そこに“誰かのために”という気持ちが加わったことがさらに大きな力を生んだ。田中は、そう回想する。

「それまで自分が自己中心的な選手だったというわけではないのですが、狩野さんと一緒に戦う中で、この人のために勝ちたいという思いが自然と生まれてきたんです。そんな狩野さんも、試合終了とともに号泣していました。そんな姿を見たら、自然と涙が止まらなくなってしまって(笑)。狩野さんとは、特に普段からよく話したり、行動をともにしていたわけではなかったのですが、バスケットに取り組む姿勢から、本当にいろいろなことを学びました。狩野さんと出会うまでは、僕自身気持ちに波があって、その浮き沈みにプレイが影響されることもありました。気持ちのあり方も含め、自分を変えてくれた先輩でもあります。大学時代に狩野さんに出会えたことも、バスケ人生における大きなターニングポイントになっています」

そんな田中は、2019年に日本代表としてW杯に出場したが、1次ラウンド5戦全敗。予選敗退という苦杯を喫し、世界との差を、身をもって知った。

「もっと若いうちに世界を知りたかったという思いもあります。でも、W杯を経験してから、日本のバスケを世界レベルに成長させるスピードをもっと早くしなくてはならない。そう考え日々の練習や試合に取り組んでいます。これからの日本バスケのためにも、僕の世代が大きな大会で結果を残し、道筋を作っていかないと。もしオリンピックが開催されることになったら、その気持ちを持って戦いたい。そして、それが日本のバスケの分岐点になることを強く望んでいます」

バスケットボール選手
田中大貴
DAIKI TANAKA
1991年、長崎県生まれ。バスケの名門・長崎西高校から東海大学に進学。2年連続でインカレMVPを獲得し、3年時に日本代表に選出。アジアカップ準優勝に貢献。2014年にアルバルク東京入団。2018年にチームをリーグ優勝に導く。2019年にW杯日本代表選出。

TAMURA'S NEW WORK[AIR FORCE 1 DARUMA × DAI TAMURA]“エアフォース1 ダルマ”の復刻に合わせて企画されたこのデジタル絵馬は、〈ナイキ〉とスニーカーショップ〈アトモス〉とのトリプルコラボで実現したもの。作品のテーマとして掲げたのは“躍動感”。スニーカーの上を舞うように描かれた赤いモチーフは、よく見るとスポーツをしている人のシルエットになっている

「スニーカーに願掛けできる作品」
今回の作品は、いつもと毛色が違う。描いたモチーフは、〈ナイキ〉の“エアフォース1 ダルマ”の復刻モデルだ。

「激動の1年を経て迎えた2021年元日。なにか縁起のいいことができないかということで、ダルマをモチーフにしたモデルが復刻されました。この発売に合わせ、ダウンロードして願いを書き込めるデジタル絵馬を制作することになったんです。NBAでは選手がスニーカーのソールに大切な言葉を書き込むことがあるのですが、この作品も白いソールに夢や願いを書けるようにしました」

アスリート作品が有名な田村だが、実はスニーカーを描くのも好きだという。

「静物も躍動的に描きたいという思いがずっとあり、今回その夢が形になりました。いつかはスニーカー自体のグラフィックをデザインするのが夢。そのためにも、もっと自分を磨いていきたいですね」

アーティスト
田村 大
DAI TAMURA
1983年、東京都生まれ。2016年にアリゾナで開催された似顔絵の世界大会、ISCAカリカチュア世界大会で総合優勝。アスリートを描いた作品がSNSで注目を集め、現在のフォロワーは10万人以上。その中にはNBA選手も名を連ねる。海外での圧倒的な知名度を誇る。Instagram:@dai.tamura

 
Information

雑誌『Safari』5月号 P206~208掲載

“アスリートの分岐点”の記事をもっと読みたい人はコチラ!

イラスト=田村 大 文= 遠藤 匠
illustration : Dai Tamura text : Takumi Endo photo by AFLO
Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタントエレガントな時間を、手元に宿す。
SPONSORED
2025.11.28

Urban Safari CLOSE-UP BRAND フレデリック・コンスタント
エレガントな時間を、手元に宿す。

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!
SPONSORED
2025.12.01

創業地“小矢部”の名を冠した〈ゴールドウイン〉のプレミアムな1着!
大人のスキーウエアは上質感と快適さで選ぶ!

1950年にはじまった〈ゴールドウイン〉のヒストリー。その新作スキーウエアコレクションの名前は、創業地にちなんだ“オヤベ”だ。歴史の深みを感じさせ、エイジレスなスタンダードデザインでありながら、機能は最新鋭。素材はもちろん、ひとつひとつの…

TAGS:   Fashion
初登場HYDEが〈ハリー・ウィンストン〉をまとう!カリスマに似合うのはいつも最高峰の輝き!
SPONSORED
2025.11.25

初登場HYDEが〈ハリー・ウィンストン〉をまとう!
カリスマに似合うのはいつも最高峰の輝き!

一流は一流を引き寄せるとは、よくいわれること。ロックアーティストHYDEがまとったのは“キング・オブ・ダイヤモンド”として名高い、世界最高峰のジュエリー&ウォッチブランド〈ハリー・ウィンストン〉。常に最高を求め続ける両者が出会うと、どんな…

TAGS:   Fashion Watches
〈タトラス〉で見つけたここぞの1着!さりげに違い出しできる大人の冬アウター
SPONSORED
2025.11.25

〈タトラス〉で見つけたここぞの1着!
さりげに違い出しできる大人の冬アウター

冬カジュアルの主役であるアウターは、さりげなく違いが出せる1着を選びたい。そこで注目すべきなのが、大人のための上質な冬アウターに定評のある〈タトラス〉。定番ベースのシンプルなデザインを基本としつつ、街ゆく人をハッとさせるさりげない“違い”…

TAGS:   Fashion
〈サンローラン〉なら小さくても格上感あり!大人の革小物はさりげなロゴ使いで!
SPONSORED
2025.11.25

〈サンローラン〉なら小さくても格上感あり!
大人の革小物はさりげなロゴ使いで!

普段、バッグや靴ほど目立たないが、意外とセンスを問われるのが財布などの革小物。大人ならシンプルながらも品があって、さりげない上質感のあるものが狙いめだ。となれば〈サンローラン〉の革小物を。小ぶりなアイコンロゴがピリッと効いた財布やカードケ…

TAGS:   Fashion
俳優・桜田 通が〈ベル&ロス〉の希少な限定モデルをつけこなす!“赤き情熱”と“煌めく緑”の衝撃!
SPONSORED
2025.11.25

俳優・桜田 通が〈ベル&ロス〉の希少な限定モデルをつけこなす!
“赤き情熱”と“煌めく緑”の衝撃!

航空計器から着想を得た革新的なデザインが人気の〈ベル&ロス〉から、2本の限定モデルが登場した。情熱的な輝きを放つダイヤルの赤と闇夜にクールに浮かび上がる蓄光の緑。異なる魅力を宿す2本のパワーウォッチがファッションシーンでも注目を集める俳優…

TAGS:   Fashion Watches
大人にこそ持ってほしい〈フルラ〉の新作!冬カジュアルに効く品格バッグ!
SPONSORED
2025.11.25

大人にこそ持ってほしい〈フルラ〉の新作!
冬カジュアルに効く品格バッグ!

大人の冬カジュアルに欠かせない名脇役がバッグ。どんな着こなしにも似合う上質なバッグがあれば、気分よく外出できるというもの。そこでおすすめしたいのが、〈フルラ〉の新作として登場した“アーバン バックパック”。コートなら背負って、短丈ブルゾン…

TAGS:   Fashion
機能美が所有欲をくすぐる〈アシックス〉のワーキングシューズ!こだわる男のための次世代ワークブーツとは!?
SPONSORED
2025.11.25

機能美が所有欲をくすぐる〈アシックス〉のワーキングシューズ!
こだわる男のための次世代ワークブーツとは!?

男のカジュアルウエアは、ワークやミリタリーをモチーフにしたタフで骨太なアイテムが定番。それは服だけでなく、足元も同じだ。とはいえ往年のワークブーツなどでは、履き心地やスペック的に現代の暮らしにフィットしない!? ならば、〈アシックス〉のワ…

TAGS:   Fashion
“とっておき”を、自分にも、大切な人にも!“上質”を贈りたい 大人のギフト!
SPONSORED
2025.11.25

“とっておき”を、自分にも、大切な人にも!
“上質”を贈りたい 大人のギフト!

クリスマスに忘年会、そしてニューイヤー……年末年始は、特別なギフトシーズン。頑張った自分へのご褒美に、大切な人に感謝を込めて、“とっておきの上質”を贈りたい。自分の身と心を一新させるようなワザありの逸品から、相手の顔が思わずほころぶ名品ま…

建築家・クマタイチが〈バルミューダ〉で発見。豊かな暮らしをデザインする、加湿器の新しい選択。
SPONSORED
2025.11.14

建築家・クマタイチが〈バルミューダ〉で発見。
豊かな暮らしをデザインする、加湿器の新しい選択。

〈バルミューダ ザ・ストア 青山〉を訪れた建築家・クマタイチさん。暮らしに寄り添う建築を数多く手掛けてきたからこそ、関心を寄せたのは新しい加湿器“レイン”だ。ただ湿度を調整するだけでなく、暮らしを豊かに導くための機能や造形美を兼ね備えた“…

勝利を呼び込む〈タグ・ホイヤー〉の傑作3選!名作時計はファッション使いするのが決め手!
SPONSORED
2025.11.11

勝利を呼び込む〈タグ・ホイヤー〉の傑作3選!
名作時計はファッション使いするのが決め手!

2025年で創業165周年を迎え、そのうえ、22年ぶりにモータースポーツの最高峰である“F1”公式タイムキーパーにも返り咲いた〈タグ・ホイヤー〉。モータースポーツと密接な関わりをもち、勝利を象徴するウォッチとして君臨してきたそれは、時を経…

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。
SPONSORED
2025.11.18

素材感と職人技が光る〈アニアリ〉。
ミニマルに洗練されたジャパンメイドのトートバッグ。

上質なレザーのしなやかな感触と使い勝手の良さで支持を集めている〈アニアリ〉のバッグ。ミニマルで洗練されたデザインは、装いを自然に洗練されたものへと導いてくれる。また、確かな日本の職人技に裏打ちされた使いやすさと安心感が、使うほどに深まる風…

TAGS:   Urban Safari Fashion

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ