窓までの景色を一変させたヴィンテージモダンな住まい!
自分らしさの表現は、着るものや持ちものだけに収まらない。こだわりを詰め込んだ空間があってこそ、スタイルは完結する。今回は、コンクリート・石・ガラスの硬質な素材をミクスチャーしてフルリノベ。築8年のマンションを、自分たちらしいスタイルのある住まいに変えたタケウチ邸を紹介しよう!
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- 西海岸的なハッピー・ルーム! vol.38
タケウチ邸/2LDK/79㎡天井を剥いで高さを出したLDK。黒い窓枠と白い梁のモノトーン空間に、幅広のフローリングがやわらかな印象を添える。無垢の床が年月を経て味わいを増すのも楽しみ
たとえ数字のうえでは同じ広さでも、間取りやデザインによって、感じる広がりや心地よさは全く違うものになる。それを実感しているのが、結婚当時に購入した分譲マンションを築25年でフルリノベしたタケウチさんだ。
「もう少し広いところにしたいと、当初は買い替えも検討しましたが、新築の場合はどれも似たような間取り。自分たちらしく暮らすなら、フルリノベしたほうが早いと思ったんです」と語る。求めたのは、広く暮らすこと。好みのインテリア写真を集めて、「海外のアパートメントのようなヴィンテージ感のあるデザイン」という希望を伝えた。
建築家から提案されたプランは、希望を叶えながらもはるかに予想を超えるもの。随所にガラス張りのドアを採用することで、玄関を入ると同時に、一番奥に位置するLDKに差した光が足元まで届く。明るく伸びやかな空間になった。寝室もガラスのパーテーションを使い「細かな部屋割りをぶち抜いたことで、LDKの窓までパノラマ状に広がって見え、景色まで一変しました」という。
天井はむき出しにして縦の広がりを生み、ヴィンテージ感を演出。キッチンの背面は石張り風に仕上げ、ステンレス素材と合わせることで、“カジュアルになりすぎない大人のシンプルさ”を叶えた。目線の高さより上に、吊り戸棚などの収納をいっさいつくらないことで、視界を広くしている。
石、ガラス、タイルなど硬質な素材感に柔らかさを添えているのが、幅広の無垢の床やカウンターの木質感、そして、リビングのソファだ。ベロア調のファブリックは肌ざわりが心地よく、デイベッドにもなる奥行き。深緑色が部屋全体のアクセントにもなっている。来客が多いタケウチ邸。リノベしていっそう人が集う機会が増えている。
01 明るさと広がりを生む室内窓で仕切った寝室LDKと寝室の間は壁を取り払いガラス張りの室内窓にして広さを演出。寝室奥の壁だけをグレーにすることでより奥行きを感じさせる仕掛け。ダイニングの丸テーブルは、窓枠やキッチンのカウンターに合わせて側面だけを黒く塗っている
02 マルチに使えるアイランドカウンターキッチンの背面は石張り風のグレーを採用。カウンターは、大勢が集まったときのハイテーブルやちょっとしたデスク、朝食カウンターとしてマルチに使える。ダイニングから手元を隠す絶妙な高さ
03 スクエアなタイル張りのウォッシュルーム
04 実験用シンクとモルタル造作!3・4:モルタル造作で足元を抜いた洗面カウンターは、90㎝とやや高めの設定にしてシャープに見せ、実験用シンクを採用。ソリッドな空間にブラケットライトの光がやわらかく落ちる
座り心地も抜群のカンティレバーチェア!「簡単に買い替えるものではないので、妥協したくなかった」と選んだのは、“カンティレバーチェア”。片側だけで支える片持ち構造で、適度な弾力と安定感のある座り心地が特徴だ。バックスタイルや横から見たシルエットも美しくモダンな空間によく似合う。
「子どももこれから大きくなるので、もう少し広いところでと思いましたが、ありきたりの既成の物件ではなく、自分たちらしく暮らしたいと思いフルリノベを選択しました。LDKを広くしたのに、パントリーやクローゼットも作れて、僕のリモートワーク用の部屋ももてた。同じ広さでもジャストフィットするものなら、断然暮らし心地が違うと実感しています」
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URL:www.housetrad.com
雑誌『Safari』8月号 P218~219掲載
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photo : Takafumi Matsumura text : Kuniko Nakajo