ペン先が躍る書き味や紙の擦れる音に感じる心地よさ! デジタル時代の今だからこそ “特別な思い”を万年筆に乗せて
独創的なデザインでお馴染みの時計ブランド〈テンデンス〉。そのファウンダーがガブリエル・ジェルミーニ。“手書き文字には、その人のキャラクターがにじみ出る”と語る彼にとって万年筆は特に思い入れが強いアイテムなのだとか。ときには大切な契約のサインのために、またあるときは豊かなアイデアを紡ぐツールとして。相棒ともいうべき万年筆への思いを語ってもらった!
- SERIES:
- ビジネスエリートの愛する万年筆! 第37回
PROFILE
スイス出身。スイスの名門大学でホテルマネジメントを学び、赤十字で人道支援活動に貢献。その後、ブラジルに渡り、ファッションブランド会社を設立。リオデジャネイロに店舗を展開するなど、強力なビジネスの感性を発揮。2007年にフィリッポ・ジャルディエッロと〈テンデンス〉を設立。ふたりが持つ個性と専門知識を組み合わせ、これまでにない遊び心にあふれた新しいウォッチブランドに育て上げた。
最愛の人への手紙
『Safari』読者のみなさんへ
(ウチのブランドやスタッフたちを)
よろしくお願いします!
̶ガブリエルレオ、カーラへ
6歳で初めて手にした憧れの万年筆!
日本でも多くのファンを持つ時計ブランド〈テンデンス〉。そのファウンダーがガブリエル・ジェルミーニだ。彼の万年筆との出会いは実に鮮烈だった。彼の母国スイスでは幼稚園の頃から文字の練習をはじめる。小学校に上がった6歳のガブリエルは、普段の行いや勉強が最も優秀な生徒として表彰され、そのときの記念品が万年筆だったそうだ。「もらったのは、確か〈パーカー〉の青い万年筆。みんなこれが欲しくて1年間頑張るんです。だから手にしたとき、本当に嬉しくて、誇らしかったですね」
憧れの宝物を手に入れたガブリエル少年が手をインクで染めながら、夢中になってペンを走らせる……。そんな微笑ましい姿が眼に浮かぶようだ。
現在は4〜5種類の万年筆をビジネスの署名用、メッセージ用やスケッチ用など、シーンによって使い分けている。書くスピードがとても速いため、万年筆選びのポイントはタッチがソフトなこと、かつインクの量が適切で筆運びがスムースであること。ペン先が紙をこする音に心地よさを感じるといい、来日した際には真っ先に〈東急ハンズ〉に向かい、片っ端から書き試すんだとか。
「手書きの文字を見れば、その人のキャラクターがなんとなくわかるんです」
デジタル全盛の今だからこそ、手書き文字から伝わってくる温もりやフィーリングを大事にしたいのだという。
「今日は持っていませんが、フィレンツェで出会ったとても美しい万年筆があって。ボディのマーブル細工がとても芸術的。〈ビスコンティ〉のメディチシリーズの万年筆なのですが、書き心地も素晴らしくて、とても気に入っています」
お気に入りのペンは1度“迷子”になったものの、ちゃんと手元に戻ってきた。そんなエピソードを教えてくれたガブリエルの瞳には、大切な人との再会を喜ぶような愛おしさにあふれていた。
ポップで先進的な〈テンデンス〉とクラシカルなフォルムの万年筆。対極のようでいて実は両方ともアナログを突きつめた至極の世界。ガブリエルにとってはどちらも愛おしい存在だ。
愛用の万年筆
ビジネスシーンで活躍!
万年筆愛好家の中でも、多くのファンを持つ“マイスターシュテュック149”。インクは吸入式。筆運びがとても速いガブリエルにとってスムースな書き味が心地よく10年以上も愛用している。存在感のあるボディのフォルムも手によく馴染み、気に入っているという。クラシカルかつ普遍的なデザインも気分を盛り上げてくれる。
印象的な時計をラフに楽しむ〈テンデンス〉のスタイル!
手元には2月に発売される〈テンデンス〉の“ディカラー”。コチラは、その時計の中でも砂漠をテーマにしたモデル。グラデーションが印象的な時計に合わせ、ラフに重ねづけしたブレスにも遊び心があふれている。装飾性の高いアイテムとヴィンテージ感のある万年筆のコントラスト。その甘辛加減が絶妙!
〈テンデンス〉のオリジナル手帳&便箋、ボールペン。上質な紙を使用したこだわりのノートや便箋はペンの走り具合も抜群。レザー調の黒表紙にロゴをプレスしたシックでシンプルなデザインの手帳は、〈テンデンス〉のカラフルでポップな腕時計をより際立たせてくれるアイテム。ガブリエルも数年来愛用している
COMPANY DATA
TENDENCE[テンデンス]
セレブをも魅了する伝統と革新の化学反応
“未だかつて見たこともない、大胆でオリジナリティあふれる時計”ブランド。本場・スイスならではのハイクオリティに大胆なデザインをのせた腕時計は、ファッションアイテムとしても人気。ブランドファンをさらに楽しませたいという今後の展開にも注目だ!
雑誌『Safari』3月号P214・215掲載