ベジタリアンメニュー素斋菜
食事はやはりバランスが大事。そうとわかっていても、今はいろんな情報がありすぎて、どうすればいいのかわからないって人も多いのかも。そこで提案したいのが“医食同源”ということ。中国の薬食同源思想から着想を得た考えだが、そんな昔ながらの健康食を意識してみてはどう?
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- カラダが喜ぶヘルシー料理! VOL.5 厲家菜 銀座
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今回ご紹介するのは〈厲家菜(れいかさい) 銀座〉。医食同源の発想に基づき、カラダに優しく内側から人を美しくする力を持った料理を提供する店だ。それも、かの西大后が愛したという料理の数々。ランチは5種、ディナーは10種のメニューを味わうコースからスタートする。
清の時代から受け継ぐ宮廷料理
厲家菜の創始者である厲 子嘉は、清王朝の高級官僚として西太后に仕えた人物。主治医と相談しながら漢方医学に則った料理を工夫し、日々"医食同源"の食事を提供していた。その大きなポイントは3つ。
1.なるべく多くの食材を使い、栄養素をバランスよく摂る
2.色、香り、味、形を重視する
3.五味のバランスに気をつける
3の五味とは、甘味、塩辛さ、酸味、苦味、辛味。甘味は能を働かせ、酸味は食欲を刺激する。苦味は肺によく、辛味は脾臓いいとされた。塩は料理に欠かせないものだが、摂りすぎると心臓や血管などによくないとされ、分量に注意、基本的に味つけは薄味が基本。
これって、実は現代にも通じるポイントばかり!
由緒正しき宮廷料理を現在は4代目が受け継ぎ、その料理を東京の真ん中でも味わうことができる。
2018年6月に登場したベジタリアンコース“素斋菜(sù zhāi cài )”は、なんと前菜だけでも10種類。さらに主菜が5種、スープとデザート2種からなるフルコースだ。仏教徒にとって、旧暦の1日と15日の“菜食の日”に欠かせない特別な精進料理だという。
画像は2名分。2日前までに要予約。ベジタリアンメニュー素斋菜1万2000円
宮廷料理の圧倒される品数の多さ!
さすがの宮廷料理、まずは品数の多さに圧倒される。もちろん、実際に提供される場合は、一品、あるいは数品ずつ出されるので安心を。
食材ひとつひとつの旬にこだわり、仕込みに気の遠くなるような手間をかけ、最低限の脂と絶妙な火加減で仕上げた料理が次々と供される。到底、真似することは難しいだろう。季節の食材を組み合わせた十全十美(完全無欠)な精進料理なのである。
たとえば、前菜の7品目"蓑衣黄瓜"は、キュウリを特製ドレッシングで仕上げたサラダ風の逸品。
ベジタリアンメニューより蓑衣黄瓜
最後までワクワクしながら食べ進められる!
キュウリのスライスを盛りつけたように見えるが、1本のキュウリを断ち切ることなく皮1枚のところで繋がった、宮廷の料理人たちに伝授される包丁技の素晴らしさを実感できるひと皿。
清朝の蓑をモチーフにしているが、見方を変えれば〝鎮座する龍の如し″=皇帝の権威の象徴である龍がそこに現れる。そういった洒落や驚き、面白さも秘められている。
説明を聞きながら食べ進めると、思い描いていた精進料理というイメージとは異なり、飽きることもなく、次はどんな食材をどのように調理した料理が出されるのだろうと最後までワクワクしながら食べ進められる。もちろん女性にも好まれるのでデトックスデートもいいだろう。
そして、ベジタリアン以外のメニューも、それぞれ美と健康を目的とした手間をかけた料理ばかり。ベジタリアン以外のほとんどのコースで味わえる、同店のシグネチャーディッシュ“翡翠豆腐”も、機会があれば是非味わってほしい。
こちらの“翡翠豆腐”は、西大后が大好きだった翡翠を象り、初代が作り出した料理。ソラマメとホタテのすり身で作られ、甘い香りと優しい味わいが身に染みる。
非日常を演出するモダンなインテリア
〈厲家菜 銀座〉の店内は中国・桂林の山並みをソファーで、霧をカーテンで表現した幻想的なインテリア。絶妙な配置で、ほかのゲストの目線や声が届きにくいのもいいところ。接待利用には個室もあり。
伝統的な"医食同源"の食事をとれば、この暑い夏もきっと元気に乗りれること必至!
●厲家菜 銀座
住所:東京都中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル9F
営業時間:11:30~14:00(LO)、18:00~21:00(LO)
休日:日曜
※消費税込価格、サービス料10%別
TEL:03-6228-6768
URL:www.reikasai.jp