中国料理の名シェフ・小林武志の名を冠した〈コバヤシ〉は、“カウンターチャイニーズ”が堪能できると話題!
東京には、ファインダイニングから町中華まで、たくさんの美味しい中国料理店があるけれど、ここにきてまた新しい一店が登場した。『ミシュランガイド』の星を維持してきた小林武志さんが、2024年6月6日、六本木に自身の名を付けた〈コバヤシ(KOBAYASHI)〉をオープンしたのだ。
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中国料理の名シェフ・小林武志さん
小林さんの料理は、香りと色と味わいを大切にしており、厳選した旬の食材を、丁寧な手仕事と伝統的な中国料理の技法を用いて、数々の名作料理に紡ぎ上げている。ショーキッチンを望めるカウンター席では小林さんが新たに挑むコース料理が、個室では小林さんが約20年かけて生み出した至高のスペシャリテが味わえるのだ。食通の間で特に話題になっているのが、10品前後のおまかせコースをカウンター席で体験できる“ウルトラケー(ULTRAK)”。
カウンターは8席。ほかに5種類の個室を完備
“コバヤシ&ヌマモト(KOBAYASHI & NUMAMOTO)”
内容は季節によって変わるけれど、ここで紹介したいメインディッシュは“コバヤシとヌマモト(KOBAYASHI & NUMAMOTO)”。小林さんがミートスペシャリストの沼本憲明さんとコラボレーションした極みの肉料理で、山口県岩国市の黒毛和牛“高森和牛”のシンシン(モモ肉の中心部分)を用いて、四川料理を代表する料理“水煮牛肉(シュイジューニューロー)”を生み出した。やわらかなシンシンにしっとりと火を入れ、赤身の旨味をぎゅっと閉じ込めている。あえて辛さを抑えて刺激を減らし、唐辛子や豆板醤、豆鼓や花椒の風味を存分に引き出した。崇高なスパイスの香りが広がり、全身に染み渡るような味わいがある。
“海老と黄韮の春巻き”
癖になる点心が“海老と黄韮の春巻き”。春巻きの中には、たっぷりの車海老の餡と、香り付けの黄ニラが1/2本入っている。サクサクっとした皮とプリプリっとした海老、香味の豊かな黄ニラが渾然一体となっている!
“コバヤシ 特製 XO醤 ウルトラスタイル(KOBAYASHI 特製 XO醤 ULTRAstyle)”
“コバヤシ 特製 XO醤 ウルトラスタイル(KOBAYASHI 特製 XO醤 ULTRAstyle)”は、干し貝柱と金華ハムをふんだんに用いた自家製XO醤を生かした一皿。伊勢海老と蛤とアスパラガスをアヒージョ風に仕上げたモダンなクリエーションだ。魚介類の滋味がXO醤の上味と共振し、贅を尽くした快味で口福に満たされる。添えられたXO醤で“追いXO醤”できるのが、これまた嬉しい!
“頂湯(ディンタン)”
最上級のスープを意味するのが“頂湯(ディンタン)”。贅沢に豚肉と鶏肉をたっぷり使ったスープは、黄金色に輝き、驚くほどの香ばしさだ。仕上げに加える金華ハムは1.5㎜角のみじん切りに美しく切り揃えられ、塩分を出し切る寸前の火入れで完成。塩は一切使われておらず、金華ハムの塩味と湯(タン)=スープは非常にバランスがよく香りが上品で、素晴らしい俊味に仕上がっている。
“手羽先/紹興酒”
“手羽先/紹興酒”は、仕上げに目の前で紹興酒が吹きかけられ、とても香り高い。手羽先の中にはフカヒレが詰められており、旨味たっぷりで骨の際まで美味しく食べられるので、手に取って最後まで食べ尽くすのがオススメだ。高級キノコのモリーユ茸や青味にあふれるズッキーニなど、季節の野菜もふんだんに添えられる。
“干し貝柱の炒飯”
〆の食事は“地鶏の煮込みそば”に加え、メニューには記載のない“干し貝柱の炒飯”が提供された。油を感じさせないパラッとした仕上がりで、干し貝柱が惜しげもなく使われているので、風味が半端ない。卵との一体感も抜群で、最後に食べてもペロリと完食できる佳味だ。
料理と見事にマリアージュするワインペアリング(7種類 2万7500円、5種類 1万6500円)もオーダーしておきたい。ブルゴーニュを中心としたフランスワインが7種類もペアリングされる。
最初の泡は、中国料理のアミューズにもぴったりなシャンパーニュの“ルイナール ブラン・ド・ブラン”。シャルドネ100%で、白桃や蜂蜜などのエレガントな香りと優しい味わいが広がる。“シャトー・ランシュ・バージュ ブラン・ド・ランシュ バージュ2020”は、軽やかな料理から重ための料理にもぴったりな白ワイン。熟したグレープフルーツを思わせる香りがあり、しっかりとした酸がありながらも、フルボディに近い。“シャンタル・レスキュール・セレクション サヴィニー・レ・ボーヌ 2018”は、上品ながらも骨格がある赤ワイン。ピノ・ノワール100%で中国料理の繊細なスパイスにもよくマッチする。
モダンなカウンターチャイニーズを堪能できる〈コバヤシ〉が、今年一番の話題になる中国料理であることは確かだ。彼女とのデートにはもちろんのこと、大切な人との食事であればあるほど利用してもらいたい。
●コバヤシ(KOBAYASHI)
住所:東京都港区六本木3-3-29 六本木アーバンレックスB1
営業時間:17:00~23:00
定休日:日曜
TEL:050-1809-4801
URL:https://shiroi-r.com/
※サービス料別
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1976年台湾生まれ。テレビ東京「TVチャンピオン」で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数。