【Vol.23】上がるのはドアと気分とアナタの株!?
テスラ モデル X スーパーカー世代憧れの跳ね上げ式ドア。電気自動車でSUV、しかもこんな装備がついているなら、これは久々のデートカー? お洒落してドライブに出かけよう。 いい悪いは別にして、トランプ大統領就任に沸くアメリカ。一部報道では、大…
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テスラ モデル X
スーパーカー世代憧れの跳ね上げ式ドア。電気自動車でSUV、しかもこんな装備がついているなら、これは久々のデートカー? お洒落してドライブに出かけよう。
いい悪いは別にして、トランプ大統領就任に沸くアメリカ。一部報道では、大統領戦略・政策にシリコンバレーの住人たちが関与しているとかいないとか……。真相はともかく、シリコンバレーは話題が多い。この〈テスラ〉の新型車もそのひとつ。2015年秋のアメリカでの発表会は、まるでイーロン・マスク(テスラ社会長兼CEO)の独演会のように盛り上がった。なにか言葉を発するたびに起こる歓声は、ロック歌手の曲と曲の間のMCのようだ。
そんな話題のクルマが、昨年秋に日本上陸した。フルサイズサルーンのモデルSに続く、クロスオーバーの“モデルX”である。特徴はいろいろあるが、ファルコンウィングドアと呼ばれるリアドアに集約される。まさに、宇宙ロケット開発に着手するイーロン・マスクが描いた、未来的な発想がそこにあるからだ。
具体的にいうと、リアドアが上下に動いて開閉する。かつての〈ランボルギーニ〉で有名になったガルウィング方式だ。ただそれだけじゃ面白くない、とばかりに工夫が施される。ファルコンウィングドアは開閉が全自動。リアからも運転席からも、キーからでも操作ができちゃう。しかも複数のセンサーが、障害物をモニタリングしていて、自動停止機能も搭載。要するにぶつからない。それだけじゃない。よく見るとヒンジは2つ。付け根とルーフの外側にそれぞれついている。つまり、クルマの両脇に十分なスペースがないと翼をすぼめるようにして開閉するのだ。ふむふむ、かなりお利口さんである。ちなみに、ガルは“カモメ”、ファルコンは“ハヤブサ”の意味。どちらも羽を広げて飛ぶ姿が思い浮かぶ。さらにいうと、リアのゲートはもちろんフロントドアまで電動で開閉する。運転席まで全自動なのはそうない。さすがだ。
そしてキャビンはというと、3列までシートレイアウトが可能。最大7名まで乗車できる。しかもシート形状はよく考えられていて、バックレストの厚みがない。それはまるでアスリートのごとくムダな贅肉を削ぎ落としたようだ。その結果、室内は広々と使えて3列めへのアクセスが容易。カラダを不自然に折り畳まなくてすむのがありがたい。
と思ったら、ここでもファルコンウィングドアの恩恵があった。なんと天井から開くことで頭を屈めなくていいのだ。そこで考えたのは、このクルマを結婚式の送迎用にしてはどうかということ。角隠しを気にせずリアシートに乗りこめる。どうだろうこのアイデア。関係者のみなさん、是非ご一考を!ってね
ほかにもある! このクルマの楽しみ方&使い方
ハイブリッドと違い、日本ではまだまだEV(電気自動車)のイメージは固まっていない気がする。すでに〈ニッサン〉リーフを筆頭に数モデル販売されているが、一般的でないのは事実だ。なので、走りはおとなしいのか激しいのか印象はまちまち。コンパクトカーが多いことを鑑みると、それほどスポーティではないだろうとレッテルを貼っている人も少なくないはずだ。
だが、現実には違う。〈テスラ〉モデルSで実証されているとおり、出だしの瞬発力は驚異的。時速0㎞から100㎞到達までの加速タイムは、いわゆるスーパーカー並み。いやいや、数あるスーパーカーのトップクラスに匹敵する。
EVはそんな性質だけに、モデルXもまたイメージ以上にスポーティな走りを見せる。単なる背が高めのクロスオーバーではなく、実は走りがいいのだ。なぜなら、EVは基本が低重心。重いバッテリーを床下に敷き詰めるのだから、ものすごく安定する。フツーにエンジンやギアボックスを積むよりも、重量バランスは優れているといっていい。
事実、モデルXを動かしてそれを強く感じた。全長5m、全幅2mの大きなカラダがすごく軽快に走り、小さく思えたのだ。というわけで、モデルXでガンガン走り回ってくださいな。きっとEVのイメージがガラリと変わること間違いなし。EVは走ってナンボの乗り物なのだ。
ココにもソソられる!
〈01 運転席〉未来のクルマはキャビンもクリーン!
モデルXはモデルS同様、大型モニターですべてを操作する。ナビやクルマのセッティングはこいつでOK。また、業界初の医療用“HEPAエアフィルトレーション”を搭載しているのも注目。なんとキャビンを手術室と同じくらいクリーンにする。
〈02 ファルコンウィングドア〉乗り降りするたび視線が刺さります!
これが噂のファルコンウィングドア。普通のクルマだとリアドアのヒンジは前だが、このクルマは天井にヒンジがある。これは市販車初の試み。注目度は想像以上なので、リアドアを開閉するときは服装にも気をつけましょう! かなり見られます。
〈03 パノラミックビュー〉「あれ、UFOじゃない?」な~んてことも!?
自動運転を含め、〈テスラ〉の安全装備が進んでいるのはご承知のとおり。電子デバイスで守られる。で、視界確保もご覧のとおりの充実ぶり。これが安全運転に繋がるのは言わずもがな。景色まで楽しめちゃうし、開放感もたっぷり味わえるはず。
SPECIFICATIONS
テスラ モデルX P100D
●全長×全幅×全高:5030×2070×1680mm
●車両重量:2242kg
●パワートレイン:前後デュアルモーター
●最高出力:フロント262ps/リア510ps
● 最大トルク:967Nm
●0-100km/h加速:3.1秒
●最高速度:250km/h
●電源:リチウムイオン電池
●最大定員:7名
●税込み価格1728万3000円
●テスラ青山
TEL:03-6890-7700
雑誌『Safari』5月号 P266・267掲載