2022年の映画界はどうなるのか? 過去2年ほど新型コロナウイルスの影響などで、多くの公開延期が相次いだ。その停滞からようやく解放され、話題作が満を持して登場。とくにハリウッド大作、人気シリーズ最新作のラッシュになりそうだ。
『トップガン マーヴェリック』
トレンド①“人気シリーズの続編”
まず注目は、トム・クルーズで、前作からじつに36年ぶりとなる『トップガン マーヴェリック』が待望の5/27公開となる。トムが演じたアメリカ海軍のエリート・パイロットは、多くの人にとってのアイコン(偶像)となり、その同じ役でカムバックするわけで、胸が熱くならないわけにいかない。『ミッション:インポッシブル』の最新7作めも2022年に公開予定なので、60歳(!)を迎えるトムの主演作は映画興行の中心になりそうだ。
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
その『トップガン〜』の直前、4/8に公開されるのが、マッツ・ミケルセンが新参加する『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』で、夏には『ジュラシック・ワールド/ドミニオン(原題)』が待機。4月から夏にかけて、メガヒット確実の大作が続くことで、洋画が久しぶりに盛り上げを見せるのは間違いない。
『ゴーストバスターズ/アフターライフ』
おなじみのシリーズ、キャラクターの話題作としては、正当な続編として38年ぶりとなる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』(2/4公開)を皮切りに、ロバート・パティンソンが主役を受け継いだ『THE BATMANーザ・バットマンー』(3/11公開)あたりに注目が集まる。さらにドクター・ストレンジやブラックパンサーの新作、ヴェノムに続くダークヒーローの『モービウス』など、2022年もアメコミ作品の躍進は止まらない。その勢いが、おそらく年末に公開される『アバター2(仮題)』につながっていくだろう。
『SING/シング:ネクストステージ』
大ヒットといえば、2022年はアニメの超人気作が多く、『SING/シング:ネクストステージ』(3/18公開)、「トイ・ストーリー」の人気キャラが主役の『バズ・ライトイヤー』(7月公開)、『ミニオンズ・フィーバー』などに大きな期待がかかっている。
『スペンサー(原題)』LAプレミアでのクリステン・スチュワート
トレンド②“ダイアナ元妃”
2022年は、“実在の人物を描いた秀作”もひとつのトレンドになりそうだ。まず注目なのは、ダイアナ元皇太子妃。2022年は、彼女の交通事故死が世界に衝撃を与えてから25年の節目にあたる。息子たちもそれぞれ家庭を持ったが、今なおダイアナ妃は“レジェンド”的な存在であり、そんな彼女を、若手実力派スター、クリステン・スチュワートが演じる『スペンサー』が公開される。ダイアナがチャールズ皇太子との離婚を考えた、クリスマスの3日間を描く物語。タイトルのスペンサーとは、ダイアナの旧姓だ。さらに没後25年ということで、その生涯を貴重なフッテージでまとめたドキュメンタリー『ダイアナ(原題)』も公開。2022年は、ちょっとした“ダイアナ・イヤー”を予感させる。
『ハウス・オブ・グッチ』
『スペンサー』のクリステン・スチュワートは、アカデミー賞も有力視されているが、やはり実在の人物という点で、ファッションブランド、GUCCIの一族のスキャンダルを再現した『ハウス・オブ・グッチ』(1/14公開)のレディー・ガガや、テニスのビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹とその父の奮闘を描いた『ドリームプラン』(2/23公開)のウィル・スミスも、同様にアカデミー賞に絡んでいきそう。また、レジェンドの映画化ということでは、“キング・オブ・ロックンロール”として知られるエルビス・プレスリーの真実に迫る『エルビス(原題)』も、2022年公開。エルビス役に抜擢されたオースティン・バトラーに一気に注目が集まるのは確実。マネージャー役をトム・ハンクスが演じる。
『バレット・トレイン(原題)』
トレンド③“ニッポン原作モノ”
そしてもうひとつ、2022年のトピックとして挙げたいのが、日本がオリジナルの作品だ。ベストセラー作家、伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を、ハリウッドが映画化したのが『バレット・トレイン(原題)』。日本では何作も映画化されている伊坂作品だが、これは新幹線も舞台となる殺し屋たちの物語で、アクション映画としてどのようにアップデートされているか楽しみ。しかも主演はブラッド・ピット! 監督は『デッドプール2』のデヴィッド・リーチで、真田広之、マシ・オカらが共演する。
さらに驚くのは、あのガンダムの実写映画化。日本のみならず世界で熱狂的な支持を集める『機動戦士ガンダム』が、『キングコング:髑髏島の巨神』のジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督によって、壮大なスケールの一作として再生される。ストーリーの詳細やキャストは明らかになっていないが、ガンダムオタクを自認する監督なので、オリジナルへのリスペクトは半端じゃないはず。ネットフリックスで2022年に配信される。
この超人気作品のハリウッド実写化のブームは現在、加速中で、『ガンダム』と同じくレジェンダリー・ピクチャーズが『僕のヒーローアカデミア』を実写化。監督は『キングダム』などの佐藤信介だが、英語作品となる。さらに『聖闘士星矢』は『Knights f the Zodiac』というタイトルで、新田真剣佑の主演で進行中。この2作が2022年に公開されるがどうかは未定だが、ドラマシリーズでは『ONE PIECE』もハリウッドで実写化され、ネットフリックスで1/29に配信(こちらにも新田真剣佑が出演)。この流れは止まりそうもない。
また異色なところでは、2018年にまさかの大ヒットを記録した日本映画『カメラを止めるな!』が、『ファイナル・カット(原題)』としてフランスでリメイク。日本でも2022年公開が決定した。監督が『アーティスト』でアカデミー賞受賞のミシェル・アサナヴィシウスで、主演は人気スターのロマン・デュリス。このようにあちこちで日本オリジナル作品の映画化が話題になりそうだ。
『The Gray Man(原題)』
そのほか、配信作品ではネットフリックスのアクションエンタメ作品が充実をみせる。『アベンジャーズ』シリーズのルッソ兄弟による最新監督作『The Gray Man(原題)』は、ライアン・ゴズリング、クリス・エヴァンス、さらに『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で人気となったアナ・デ・アルマスという豪華共演によるアクションサスペンス。『デッドプール』のライアン・レイノルズ主演によるアドベンチャー大作『アダム&アダム』や、ジェイソン・モモア、ジェイミー・フォックスそれぞれの主演作が次々とお目見えする。
劇場公開作、配信作とも、年間を通して話題作が途切れない。2022年は、映画ファンにとってうれしい1年になることだろう。
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