ペットを超えた絆に感涙!
ワンダフルな犬映画5選!
映画の中で、印象的な役割を果たしているのが犬。ほとんどが、ワンポイントの登場だけど、なかには主役級として出演し、人間との深〜い絆を披露する作品もある。そんな大人も楽しめるワンちゃん活躍映画を5作品セレクト!
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『エンツォ レーサーになりたかった犬とある家族の物語』
製作年/2019年 監督/サイモン・カーティス 出演/ケヴィン・コスナー(声)、マイロ・ヴィンティミリア、アマンダ・サイフリッド
ワンちゃん視点による家族の物語に涙する!
飼い犬エンツォの視点から、レーサーのデニーとその家族と過ごした日々を描いた温かな感動作。終始エンツォのモノローグが入るのが特徴で、デニーと出会った時、デニーが恋人イブと結婚した時、エンツォにとって“妹”になるゾーイが誕生した時……。そのつど、エンツォがどう思っていたのか、なぜこの行動をしたのかが時にユーモラスに、時に切実に語られていく。
犬を飼っている人、もしくは飼った経験がある人なら、「ああ、あの時、あの子はやっぱりこう思っていたのかな」など心当たりがあるシーンが随所に登場し、ほっこりしたり涙腺を刺激されたり。
デニーの人生は晴ればかりではない。土砂降り続きの日々も常にエンツォはデニーに寄り添い、彼と家族を見守り続ける。家族同士でもわかっていないことをエンツォだけが知っているなんてことも。
そしてそんな時のエンツォの言葉はとても哲学的。声を担当しているケヴィン・コスナーの渋声もあいまって、つい考えさせられてしまう面もある。
『僕のワンダフル・ライフ』
製作年/2017年 監督/ラッセ・ハルストレム 出演/デニス・クエイド、ペギー・リプトン、K・J・アパ
犬の想いが伝わる演出に感服!
犬のベイリーが何度も生まれ変わって元の飼い主イーサンの元へ帰るまでを時代の変遷と共に描くラッセ・ハルストレム監督作。
ベイリーはゴールデンレトリーバーやジャーマン・シェパード、コーギーなどさまざまな犬種に生まれ変わり、そのつどの飼い主との“使命”(犯人逮捕や人命救救助、飼い主が家族を作るまでを見守ったり……)を果たして、また次の”犬生”を送るべく生まれ変わる。
そして最後はセントバーナードとオーストラリアン・シェパードのミックス犬に転生して、ついにイーサンに巡り合う。
ハルストレム監督は『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』『HACHI 約束の犬』と本作を入れると、これまで3作の犬映画を監督するほど大の犬好き。
『HACHI』では犬の目線として彩度を落とした映像を用いるなど(犬は一般的に赤緑があまり判別できないよう)、犬の気持ちがわかっているかのような演出を披露。
本作でもまた犬の想いが伝わってくる演出やナレーションが随所に盛り込まれている。もし飼い犬がこんなにも一途に自分を探してくれていたら……と思うと、胸がアツくなる感動作だ。
『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』
製作年/2014年 監督/コルネル・ムンドルッツォ 出演/ジョーフィア・プソッタ、シャンドール・ジョーテール、リリ・ホルヴァート
犬たちの反乱に衝撃を受ける!
“犬は最良の友”とはよく言ったもので、犬が登場する映画には、人間との絆を描いた感動作が多い。けれども、全く趣が異なるのがハンガリーから放たれた本作。
雑種犬には重税が課せられるこの世界で、主人公のリリは愛犬(けれど雑種)ハーゲンをかわいがっていたものの、無理解で高圧的な父親によってハーゲンはある場所に置き去りにされてしまう。
後日、ハーゲンを必死に探すリリだったが見つからない。一方、街を彷徨っていたハーゲンは野犬狩りに追われた末、ブローカーに売り渡され、目を覆うような残酷な方法で調教されて獰猛な野性が目覚める――。
誰もいない街中を自転車で走るリリを空撮のカメラが捕らえ、不穏な静寂が続いた直後、250頭もの犬がリリの後を一斉に追い駆けるクライマックスはCG一切ナシで撮ったそうで、息を飲む迫力。
力強く猛々しい犬の疾走は最大の見どころだろう。犬版『猿の惑星』ともいわれている本作。追い込まれ虐げられた犬たちの突如の“反乱”はさまざまな示唆に富む。
『マイ・ドッグ・スキップ』
製作年/2000年 監督/ジェイ・ラッセル 出演/フランキー・ムニッズ、ダイアン・レイン、ケヴィン・ベーコン
犬と少年の成長物語!
『ホワイト・ゴッド』からは一転、“犬は最良の友”を描く、犬と少年の友情&成長物語で、原作は作家ウィリー・モリスの自伝小説。
1942年、ミシシッピー州。内気でひ弱な友達がいない主人公ウィリーは9歳の誕生日に母親からジャック・ラッセル・テリアの子犬をプレゼントされる。スキップと名付けたその犬は、ようやくできたウィリーの唯一無二の親友になる。
人懐こく賢いスキップと過ごすことで、いじめっ子たちとも渡り合い、次第に外の世界に目を向けて変化していくウィリー。友達ができ、淡い初恋をし、アメフトや野球をする仲間もできる……。
そんな成長が微笑ましいエピソードと共に描かれていく。けれど、ある時、ウィリーがとったある行動が原因でスキップの命が危険にさらされることになる。人間同士でも近くにいる人の大切さを忘れて傷つけてしまうことがあるけれど、ウィリーもそう。
その時、自分の過ちに気付き、心を正せるかは成長の重要な側面なのだと、ちょっとほろ苦い気持ちに。ウィリーの隣人で野球選手ディンクを演じたルーク・ウィルソン、厳格な父親を演じたケヴィン・ベーコン、明るく朗らかな母を演じたダイアン・レインが堅実な演技を魅せる。
『ジョン・ウィック:パラベラム』
製作年/2019年 監督/チャド・スタエルスキ 出演/キアヌ・リーヴス、ハル・ベリー、ローレンス・フィッシュバーン
犬との超絶コンビプレーで敵を退治!
元凄腕の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)が、亡き妻の遺した愛犬を無残に殺されたことから裏社会に復帰。たったひとりで巨大マフィアを壊滅させて、愛犬の復讐を果たした痛快作のシリーズ3作め。
本作では掟を破ったことで命を狙われる立場となったジョンがNYから逃亡するハメになり、シリーズ史上最も派手で壮絶なアクションを繰り広げる。
シリーズを通して犬が出てくるので本作でももちろん登場。特に白眉はハル・ベリー演じるソフィアとジョン、ソフィアの愛犬という、人間ふたり、犬2頭の共闘シーン。
よく訓練された犬がソフィアの指示に従って敵に襲いかかっていく様子(ドッグ・フー)はかっこよすぎ。ソフィアと並んで歩く2頭の堂々とした(ちょっと得意げ)姿がとても凛々しく、そしてかわいい。やはり『ジョン・ウィック』シリーズといえば犬! “犬は最良の相棒”なのだ。
photo by AFLO