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CULTURE カルチャー

2020.05.19

怪物俳優の名演技に唸る!
ロバート・デ・ニーロ映画5選!

ハリウッドの名優ロバート・デ・ニーロ。彼の凄さといえば、その徹底した役作り。代表的なものだと“体重を20kg以上増やす”、“タクシードライバーとして3週間勤務”、“物語の舞台となる土地で暮らす”など。その独特の方法は、“デニーロ・アプローチ”と呼ばれ、多くの俳優たちから尊敬されている。そんな彼の名演技が楽しめる作品を5本セレクト!


『ディア・ハンター』

製作年/1978年 製作・監督/マイケル・チミノ 共演/ジョン・カザール、メリル・ストリープ

若きデ・ニーロの共感力がスゴイ!
ロバート・デ・ニーロの初期の代表作といえば、『ゴッドファーザー PARTⅡ』や『タクシードライバー』を挙げる人が多く、早くから強烈なキャラクターを自分のものにする“怪物的名優”と認知されていた。そんな初期のキャリアの中で、“どこにでもいそうな若者”を名演した大傑作が『ディア・ハンター』だ。

アメリカ、ペンシルヴェニア州の鉄鋼の町に住むマイケルは、仲間とともにベトナム戦争に出征することになる。壮行会となるパーティや鹿狩り(ディア・ハンター)という日常風景が一変。ベトナムでのドロ沼の苦境から、あの有名なロシアンルーレットへとなだれ込む。基本的には戦争映画なのだが、出征前の友情を描くシーンがことのほか長いので、観終わった後は、ヒューマンドラマとしての感動が強い。

マイケル役としてのデ・ニーロは、戦争という極限状態で狂気をちらつかせる瞬間もあるものの、強い個性の仲間を思いやる、穏やかな印象が強い。そこに素直に共感させるところが、若きデ・ニーロの才能だ。親友に思いをはせるラストシーンの彼の表情は忘れがたい。アカデミー賞では作品賞など5部門受賞。 

 
 

 


『レイジング・ブル』

製作年/1980年 監督/マーティン・スコセッシ 共演/ジョー・ペシ、キャシー・モリアーティ

体重を27kg増やした伝説的作品!
最近ではクリスチャン・ベールや、日本の鈴木亮平のように、役に合わせて極端な体重の増減に挑む俳優が増えたが、その原点といっていいのが今作のデ・ニーロだ。すでにアカデミー賞では助演男優賞を受賞済みで、主演男優賞にも2度ノミネートされていた彼が、念願のその主演男優賞に輝いた記念すべき一作である。

デ・ニーロが演じたのは、実在のミドル級ボクサー、ジェイク・ラモッタ。納得のいかない判定負け、八百長試合などを経験し、タイトルマッチで復活するも、性格が災いして破滅的人生にも導かれる。デ・ニーロはボクサーらしい肉体を作り上げたうえに、引退後の太った姿を再現するため、なんと体重を27kgも増量。信じがたい変貌は、いま改めて観ても驚くばかり!

全編、モノクロ(タイトルなど一部のみカラー)なのだが、その美しさは、ため息が出るほど。生々しさに徹するボクシングのシーンも、モノクロゆえの荘厳さが漂っている。そんな極上の映像美とともに、栄光と挫折、プライドが激しく交錯する劇的な男の運命が強烈に迫ってくる、まぎれもない傑作だ。 

 
 

 

『ケープ・フィアー』
製作年/1991年 監督/マーティン・スコセッシ 共演/ニック・ノルティ、ジェシカ・ラング、ジュリエット・ルイス

静かなる狂気に震える!
強烈な役が多かったキャリアの初期を経て、俳優としての円熟期に入ったデ・ニーロが、再び過激な持ち味を全開にしたのが、この作品。若い時代のような振り切った感じではなく、静かに、そして不気味に狂気を漂わせる演技に、名優の底知れぬ実力がマックスで発揮されている。

1962年の名作『恐怖の岬』のリメイク。少女暴行の罪で14年の刑期を終えたマックスだが、自分を救えなかった弁護士への恨みが消えず、その一家に近づき、家族を崩壊させていく。マックスは復讐のために直接、手を下すのではなく、法を犯さないレベルでじわじわと弁護士家族を支配し、彼らの心を操る。映画を観ているこちらも、精神的な恐怖に陥っていき……というサイコスリラー。

全身タトゥーで、過剰に鍛え上げた肉体。外見もインパクト大なうえに、相手の弱みを瞬間的に察知し、利用する動物的本能、そして人のよさそうな態度がモンスターのように豹変する瞬間と、デ・ニーロの演技はトラウマになるほどの迫力。弁護士の娘との危険なやりとりなど、心ざわめかせるシーンが多数! 

 
 

 


『グッド・シェパード』
製作年/2006年 製作・監督/ロバート・デ・ニーロ 共演/マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー

監督としての力量も発揮!
ロバート・デ・ニーロの長いキャリアの中で、『ブロンクス物語/愛につつまれた街』に続いて2本めの監督作。もともとフランシス・フォード・コッポラが監督する予定だったが、コッポラは製作総指揮に回り、デ・ニーロにバトンが渡された。とはいえ、重厚かつ骨太な演出力で、監督としての手腕をきっちりと発揮。マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリーという大スターが共演し、デ・ニーロ自身も主人公を諜報機関に誘う将軍役で登場する。

大学生のエドワードが秘密結社に参加したのをきっかけに、やがてCIAの有能な諜報員になるまでを描く。愛する女性がいながら、友人の妹を妊娠させ、結婚するなど私生活のドラマと、世界の運命も左右する仕事の両面を、じっくりと見据えた力作。

デ・ニーロによると「実際のCIA職員が完成作を観て、納得してくれた」とお墨付きをもらったそうで、内部の裏切り者や対立する国のスパイとの攻防など、徹底してリアルだ。メリハリのある展開で、2時間47分という長さを飽きさせない。 

 
 

 


『マイ・インターン』
製作年/2015年 製作・監督/ナンシー・マイヤーズ 共演/アン・ハサウェイ、レネ・ルッソ

一歩引いた受けの名演技に唸る!
最近のロバート・デ・ニーロは、“老いて、なお過激”と“いい人オーラ”という両面で活躍中。前者の代表格が『アイリッシュマン』での暗殺も請け負うドライバー役なら、後者は『マイ・インターン』だろう。

通販サイトの会社に、シニア・インターン制度で採用された、70歳のベン・ウィテカー役。パソコンの使い方にも疎い彼だが、自然体でやさしい人柄のおかげで、若い社員にとって“癒し”の存在になっていく。なかでも仕事とプライベートの両面に問題を抱える女社長ジュールズには、ベンが長い人生経験を生かした最高のアドバイスを与える。

年齢差によるカルチャー・ギャップでほっこりした笑いを届けつつ、シリアスなトラブルには冷静に、的確に対処して胸を熱くさせる。そんなベン役で、デ・ニーロはあくまでも自然体。ジュールズ役のアン・ハサウェイを前に、一歩引いた受けの演技には、長年のキャリアの余裕が感じられ、デ・ニーロのファンなら感動せずにはいられない。

ストーリー自体はわりと予想どおりだけれど、そうした安心感もデ・ニーロ映画としては異色。若い世代にとって、“理想の上司”“理想のおじいちゃん”が、ここにいる! 

 

 
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
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