『マンマ・ミーア!』
製作年/2008年 監督/フィリダ・ロイド 脚本/キャサリン・ジョンソン 出演/メリル・ストリープ、ピアース・ブロスナン、コリン・ファース、ステラン・スカルスガルド、アマンダ・サイフリッド
結婚式でまさかの父親探し!
結婚式を描いた作品の多くは、タイトルに“ウェディング”の単語が入っていることが多い。しかし、それ以外で“結婚式の映画”として多くの人が真っ先に挙げるのが本作かもしれない。ABBAの名曲をミュージカルに仕立て、しかも舞台はエーゲ海に浮かぶギリシャの島。あらゆる点で、明るくハッピーなノリを満喫させながら、ヒロインが結婚式を挙げるまでの騒動を軽やかに描いていく。
シングルマザーのドナに育てられたソフィは結婚式を控え、本当の父親とバージンロードを歩きたいという思いを募らせる。母親の古い日記を盗み見した彼女は、父親の可能性として3人の男性がいると知り、とりあえずその3人を結婚式に招待。もちろん母親のドナには内緒で……。父親探しというシリアスなドラマも、ミュージカルなので軽快に展開。それよりも本作は、母と娘、それぞれの結婚に対する思いがエモーショナルで、見せ場の結婚式では大きなサプライズも待っている。メリル・ストリープら豪華キャストの中で、ソフィ役、アマンダ・サイフリッドのピュアな輝きが際立つ。
『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』
製作年/2002年 製作/トム・ハンクス 監督/ジョエル・ズウィック 脚本・出演/ニア・バルダロス 出演/ジョン・コーベット、レイニー・カザン、マイケル・コンスタンティン、ジア・カリデス
カルチャーギャップが面白い!
何もかもすんなり進む結婚話は、映画になっても面白くない。ゆえにウェディング映画のほとんどは、式までの山あり谷ありのドラマが用意される。これはその代表例。主人公は、ギリシャ系アメリカ人のトゥーラ。性格は控えめで、外見が目立つわけでもない彼女は、恋愛経験も少ないまま30歳を迎えた。しかしギリシャ系両親にとっての理想の人生は、結婚して子供を産み、家族のために生活すること。そして結婚相手も、同じギリシャ系なのが暗黙のルール。しかしトゥーラが一目惚れした相手は“非ギリシャ系”。そこからのすったもんだを描いた本作は、スター俳優が出ていないにもかかわらず、アメリカでの公開時、まさかの大ヒットとなって映画界を驚かせた。
原題は『マイ・ビッグ・ファット・グリーク・ウェディング』。グリークとは、ギリシャ式という意味。なんでもギリシャ式にこだわるトゥーラの家族と、結婚相手となる青年イアンとの間のカルチャーギャップで笑わせる。何とか結婚を認めてもらおうとするイアンの、涙ぐましい努力もコミカル。この映画を観ると、結婚とは当人同士の問題ではなく、家族すべてに関わる一大事であることを痛感するはず。自分が幸せを求めると、両親を悲しませる。そんなトゥーラの悩みは、結婚という枠を超えて、多くの人が共感してしまうし、両親の気持ちが変わる瞬間は、本作でも最高の感動ポイントだ。
『フォー・ウェディング』
製作年/1994年 監督/マイク・ニューウェル 脚本/リチャード・カーティス 出演/ヒュー・グラント、アンディ・マクダウェル、クリスティン・スコット・トーマス
30代ならではの結婚への苦悩を描く!
結婚式を描く映画というものは、だいたいクライマックスに主人公の式やパーティが用意され、そこが作品でも最大の盛り上がりをみせる。本作もその法則に沿いながら、タイトルにあるように4回の結婚式が描かれる(原題は『4回の結婚式と1回の葬式』なので、後者のシーンもある)。しかもその4回がどれも特徴的。幸せな瞬間を数多く体感できるので、結婚を予定している人には参考にもなる。ヒュー・グラントのキャリアの中でも、彼らしさが最も発揮された一本として根強い人気を誇っている。
ヒューが演じるのは、ロンドンに暮らす32歳のチャールズ。恋愛には困らないモテ男ながら、結婚には興味がなく、友人の結婚式に出席するのが日常になっていた。ある日、花婿付添人を務めた式で、彼はアメリカ人女性のキャリーと出会い“運命”を感じるも、キャリーには金持ちのフィアンセがいた。ようやく結婚を決意しはじめたと思ったら、自分だけの気持ちだけでは実現しないと気づく……。そんな30代ならではの悩みを、ヒュー・グラントを中心に芸達者の俳優たちが軽やかに奏でていく。ゲイのキャラクターを含めた仲間たちの友情ストーリーとしても楽しく、共感させるポイントが多い。
『ウェディング・プランナー』
製作年/2001年 製作総指揮/メグ・ライアン 監督/アダム・シャンクマン 脚本/パネラ・フォーク、マイケル・エリス 出演/ジェニファー・ロペス、マシュー・マコノヒー、ジャスティン・チェンバース
結婚式を盛り上げるお仕事ムービー!
結婚式の主役は、もちろん新郎新婦。しかし真の主役は、式を作り上げる人かもしれない。本作は、結婚式のプロデューサー=ウェディング・プランナーを主人公にしたロマンティック・コメディ。サンフランシスコで、この職種の第一人者として活躍するメアリーは、自分の結婚そっちのけで、仕事に忙殺される日々を送っていた。そんな彼女の新たな仕事は富豪の娘の結婚式。うまくいけば会社の共同経営者になれると知り、張り切るが、事故に遭いそうになった彼女を救ってくれた相手に恋をしてしまう。彼はなんと、富豪の娘の婚約者だった。
新郎新婦からのバラエティ富んだ注文や、家族へのサポートなど、結婚式や会場の裏ネタが満載なので、“お仕事ムービー”としても必見。仕事に集中するか。自分の想いに正直になるか。いかにもロマンティック・コメディらしい展開を、メアリー役のジェニファー・ロペスが生き生きと演じ、観ているこちらもテンションが上がる。仕事が完璧なメアリーは、私生活もオシャレできっちり。そんな姿は(映画とはいえ)職業を超えて見習いたくなってしまう。
『ベスト・フレンズ・ウェディング』
製作年/1997年 製作・脚本/ロナルド・バス 監督/P・J・ホーガン 出演/ジュリア・ロバーツ、ダーモット・マローニー、キャメロン・ディアス、ルパート・エベレット
元カレの結婚にジェラシーが爆発!
結婚式といえば、基本的に当事者たちにとっては幸せで満ち溢れた一大イベント。しかし周囲には、良く思ってない人もいて……というわけで、その結婚を何とか阻止しようとするのが本作の主人公。料理研究家で28歳のジュリアンは、大学時代のボーイフレンドで、今は良き友人でもあるマイケルから結婚するという知らせを受ける。しかも結婚式の4日前に! じつはジュリアンは「おたがい28歳まで独身だったら、結婚しよう」とマイケルと約束していたのだ。モヤモヤしたままマイケルと再会したジュリアンは、彼の婚約者キムを紹介され、一気にジェラシーの感情がめばえてしまう。
元カレへの複雑な心情。“大切な相手を幸せにできるのは私だけ”という自分勝手な思い込み。そこに仕事と結婚の関係なども絡み、ジュリアンがマイケルの心を取り戻そうとするドラマは、最後の最後までどんな結末になるかハラハラしっぱなし。ジュリア・ロバーツが、ちょっぴり傲慢で強引なジュリアン役を嫌味なく好演するが、新婦となるキム役のキャメロン・ディアスがあまりにキュートで、主人公の恋敵なのに応援したくなってしまう。彼女のカラオケシーンは見どころだ。ラヴコメの天才である2大女優が、結婚をテーマに最高の共演を果たした一作。
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