【映画まとめ】ロン・ハワード監督が手がけた作品6選!
『Safari Online』で配信してきたロン・ハワード監督作品をまとめてご紹介!
『バックドラフト』
製作年/1991年 監督/ロン・ハワード 出演/カート・ラッセル、ウィリアム・ボールドウィン、ロバート・デ・ニーロ
火災現場では、不用意にドアを開けてはいけない!
消防士となった兄弟の葛藤と絆を描いた感動作。同じく消防士だった父親の後を継いで消防士一筋でやってきた兄スティーブンと、新米消防士として現場に配属された弟のブライアン。2人が駆けつける火災現場シーンでのリアルな炎の表現がなんとも圧巻な作品で、話題となった。
この作品が教えてくれるのは、とにかく火災に際には「不用意に扉を開けちゃダメ!」ということ。火災で高温になった密閉空間の扉や窓を開けると、急速に酸素が流れこんで大爆発が起きる現象“バックドラフト”が襲いかかるからだ。
消防士でもないのに燃えさかる炎の中で救出活動する機会はまずないが、しかし万が一、火災現場での救助に直面したら、扉を開ける際には十分気をつけるべし。そのためにもまずは本作を観て心の準備をしておけば、いざというときにオタオタせずに済むはずだ!
『アポロ13』
製作年/1995年 監督/ロン・ハワード 出演/トム・ハンクス、ゲイリー・シニーズ、ケヴィン・ベーコン
アポロ13号で爆破事故が発生!
宇宙空間と聞いて不安に思う人も多いだろう。けれどもご安心を。絶望の中でも、諦めずに地球への帰還を果たした男たちがいるのだ。
人類の月面着陸を実現させた“アポロ計画”で最悪の事態が発生。宇宙に打ち上げたアポロ13号で爆破事故が発生して、このままでは月に降りられないどころか、3人の乗組員の地球帰還も絶望的! “針の穴にラクダを通すような”という慣用句があるが、このミッションは純度100%の、“針の穴にラクダを通すような”超難関のオンパレードなのだ。
減っていく空気、凍える寒さ、少しでも間違えば大気圏で燃え尽きるか、地表か海に叩きつけられる。しかも月を一周するせいで地球との交信もできなくなる。あれもダメこれもダメ、次々と出される救出案もどこかに欠陥があり、もう運を天に任せてしまいたくなるが、最後の最後までできることはすべてやる。決して諦めないメンタルこそが、宇宙で一番必要なものだと教えてくれる映画だ。
『身代金』
製作年/1996年 監督/ロン・ハワード 出演/メル・ギブソン、ゲイリー・シニーズ
愛する人が人質になったら、強気で攻めるのも手だ!
人質事件となると、身代金の受け渡しタイミングでの犯人逮捕が定番。しかし、必ずしもそれしか方法がないわけではない。本作は、そんな状況に選択肢を増やしてくれる一助となる作品だ。
愛する息子を誘拐されてしまった航空会社の社長が、テレビカメラを通じて犯人グループにまさかの宣戦布告。「お前らにはビタ一文払わない。絶対にだ!」 誘拐事件において一番大事なのは、被害者の生命と安全。
だからこそ、要求された身代金を用意することも1つの選択肢だが、犯人がカネを奪って人質を殺してしまう可能性も捨てきれない。そこで社長は「お前らに200万ドル渡すくらいなら、このカネを懸賞金にしてお前らを追い詰めてやる!」と宣言するのだ。
もちろんリスクは承知の上。かなりトリッキーなウルトラCだが、状況によっては型破りで大胆なアプローチも必要。あとは的確な判断力と度胸が必要だと、ワイルド社長メル・ギブソンが教えてくれます!
『ビューティフルマインド』
製作年/2001年 原作/シルビア・ネイサー 監督/ロン・ハワード 脚本/アキバ・ゴールズマン 出演/ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス
夫婦の絆に涙する!
すべての真理を見つけるという、理想を追い続ける数学者の卵ジョン。名門大学院を卒業した彼は米国防省の暗号解読員として活躍するが、敵国の刺客の影に、つねに怯えていた。そんな彼の救いとなったのが、かつての教え子アリシアの存在。ジョンの不安定な精神状態は、やがて統合失調症と診断され、その病状は日増しに悪化していった。彼の妻となったアリシアは辛抱強く彼を救おうとする。
ノーベル賞を受賞した数学者ジョン・ナッシュの伝記に基づくヒューマンドラマ。周囲には変わり者と見られるだけで、じつは精神を深く病んでいた彼が、妻の献身的なサポートによって快方に向かい、絆の大切さを学んでいく。妻アリシアとは実際には離婚していた時期もあり、映画が史実と異なるとの批判も受けたが、離婚しても彼を見捨てなかったアリシアの献身は事実に基づく。主演を務めたラッセル・クロウはもちろん、アリシア役でアカデミー賞を受賞したジェニファー・コネリーの熱演にも注目。
『ダ・ヴィンチ・コード』
製作年/2006年 監督/ロン・ハワード 出演/トム・ハンクス、オドレイ・トトゥ、イアン・マッケラン
謎の暗号を、どう読み解く!?
トリックといえば“暗号”も重要なキーワードのひとつ。隠された暗号が壮大な事件に発展する作品といえば、ダン・ブラウン原作のロバート・ラングドン・シリーズだろう。トム・ハンクス主演による最初の映画化『ダ・ヴィンチ・コード』は、社会現象とも呼べるヒットを記録した。
パリのルーヴル美術館の中で館長ソニエールが殺害される。その被害者自身が死の間際に、床に暗号らしきメッセージを残していた。宗教象徴学の権威であるラングドン教授が、ソニエールの孫娘ソフィーとともに、レオナルド・ダ・ヴィンチの名画に隠された秘密や、キリストの聖杯の謎から、事件の核心に迫っていく。
キリスト教の常識を変えるような衝撃のネタと、カルト的な集団、殺人というセンセーショナルな要素がミックスされ、エンタメ的興奮も備えた謎解き映画だ。
【ここからオチ&トリック】
ソニエールはカトリック教会ではタブーである秘密を受け継いできたために犠牲となった。ダ・ヴィンチの名画“最後の晩餐”でキリストの隣にいるのは使徒ヨハネとされてきたが、実はこれが女性で、2人は子供をもうけ、その血を受け継ぐ者がソフィーだった。
『ラッシュ プライドと友情』
製作年/2013年 製作・監督/ロン・ハワード 出演/クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュール
雨の中のレース場面がスリリング!
近年のカーレース映画の中で、多くの人が“傑作”と讃えるのが、この作品。1976年、F1世界選手権での、ジェームス・ハントとニキ・ラウダという2大天才ドライバーの闘いを描く。豪放な性格で、直感型のハントと、冷静で頭脳派、すべて論理的に向き合うラウダ。絵に描いたように対照的な2人のキャラクターが、それぞれ共感を誘い、ライバル対決と、静かに育まれる絆がドラマチックに迫ってくる作り。演じるキャストもハマリ役で、とくにマーベル映画のソー役でおなじみのクリス・ヘムズワースは、ハントと一体化したような演技をみせてくれる。
もちろんクライマックスの最終戦が見せ場になるのだが、中盤のドイツGPが、尋常ではないレースの過酷さに加え、そこで起こる事故も衝撃的。雨の中の加速は、ほかのカーレース映画にはないスリリングなスピード感を味わうことができる。クラッシュの瞬間には背筋が凍るはずだ。2019年、ニキ・ラウダは70歳でこの世を去ったので(ジェームス・ハントは1993年に45歳で死去)、追悼の意味でも必見。