Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2023.11.03

稲垣吾郎と新垣結衣が共演
朝井リョウ原作の映画『正欲』で問いかけられるマジョリティ側の感覚と意識の正しさ


写真左/両親と広島の住み、大型ショッピングモールで働く桐生夏月(新垣結衣)。写真右/夏月の同級生で横浜で働く佐々木佳道(磯村勇斗)

朝井リョウの小説『正欲』を実写化した映画『正欲』が11月10日(金)より劇場公開される。
 

 
本作は家庭環境、性的指向、容姿など様々に異なる背景を持った5人を描いていく群像劇。そして物語が進んでいくうちに少しずつ、彼らの関係が交差していく。新垣結衣演じる桐生夏月と磯村勇斗演じる佐々木佳道が“水”に性的興奮を覚えるなど、彼らは“普通”ではないことに苦しんでいる。誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、とつながり合うことを求める彼らの姿に、観る側は最初、戸惑うかもしれない。
 

 

横浜地方検察庁の検事で、妻の由美、息子の泰希と3人で暮らしている寺井啓喜(稲垣吾郎)

その仕掛けについて『あゝ、荒野』『前科者』の岸善幸監督はこう語っている。「(検事役の)寺井啓喜役を演じてくれた稲垣吾郎さんに最初にお会いしたとき、こう伝えたんです。『啓喜はいわゆる大多数の側の人です。もしかしたら、マジョリティとして観客にいちばん近い感性かもしれません』と。『観客は、初めは啓喜の感覚で観はじめるかもしれないけど、そのうち啓喜のほうがおかしいんじゃないかと見えてくる作品にしたいです』と。その方針は撮影でも、編集でも貫いていて、群像劇としての骨格を使いながら、自分たちの感覚がぐらついていくような共感を観客にしてもらいたいと思って作りました。ひと口にマイノリティといっても、細分化されると、その言葉では掬いきれない人たちが必ずいて。そういった人たちの人間らしい側面が後半で見えてきて、そこに共感してほしいなと。そういう意味で追求したのは“つながり”ですね。ひとつではない多様な、いろいろなかたちの“つながり”だったと思います」
 

 

写真左/大学で学園祭実行委員を務める神戸八重子(東野絢香)。写真右/ダンスサークル”スペード”に所属する諸橋大也(佐藤寛太)

観客は“普通”でない人たちの話を観ているうちに、それぞれが持つ“常識”や感覚に対して「それは本当に正しいことなの?」という疑問を投げかけられる。それを考えさせることも本作の狙いのひとつだと岸監督は言う。「“多様性”の意味を問いかけるのはもちろんですが、人間は誰もが二面性を、もしかしたら二面以上を持って生きていると思うんです。会社とか学校とか日常を送る顔は、さまざま使い分けられていて、本当の顔は、実は他人には見せたくない。本当の顔で生きていくということは、日常性とかけ離れることでもあって、どうしたって孤独になる。そこは特殊性癖を持つ人もそうではない人も同じような気がしています。そういう意味では、『特殊な性的指向ってなに?』ということよりは、マジョリティ側の感覚や意識をあからさまにすることのほうが大事でした。『私たちの本来の感覚って何なのか、それは間違っていないのか?』と疑ってもらえればいいのかなと思います」

世間に合わせるため本来の自分を隠し、そのギャップに苦しむ桐生夏月役を演じた新垣結衣には、これまで印象が変わるほど衝撃を受けるはず。また、男性が苦手な神戸八重子役に扮した東野絢香の繊細な演技にも圧倒されるに違いない。

『正欲』11月10日(金)、全国ロードショー
原作/朝井リョウ『正欲』(新潮文庫刊)監督・編集/岸善幸 脚本/港岳彦 音楽/岩代太郎 出演/稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、佐藤寛太、東野絢香 配給/ビターズ・エンド
2023年/日本/上映時間134分

【あらすじ】横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた……。

 
 

 


 

 

 
Information

●noteでも映画情報を配信しています。フォローよろしくお願いいたします!
https://note.com/safarionline

©2021朝井リョウ/新潮社 ©2023「正欲」製作委員会
きっかけは〈MINI〉!“新しい自分”に出会える特別なオーナー体験、募集開始!
SPONSORED
2025.09.04

きっかけは〈MINI〉!
“新しい自分”に出会える特別なオーナー体験、募集開始!

「今とは“違う自分”に出会ってみたい」あるいは「本当の自分を発見したい」。そんなアナタに必要なのが“遊び心あふれる新しい自分”を探す旅。とはいえ今回は、リゾート地や最果ての土地を目指すのとは違って、“新しい自分”に出会うために新しいクルマ…

いつでもどこでも〈ロンハーマン〉が相棒!オンラインストア5周年記念のスペシャルアイテムは力作揃い!
SPONSORED
2025.09.03

いつでもどこでも〈ロンハーマン〉が相棒!
オンラインストア5周年記念のスペシャルアイテムは力作揃い!

こだわりの強い男は、ファッションもインテリアも、実際に触れてみてから手に入れたいと思う人は多い。自分の目で確かめることは大切だからね。でも、その目を先見の明を持つ〈ロンハーマン〉がすでにしてくれているとなれば話は違う。要は、その信頼があれ…

TAGS:   Fashion
普段使いにちょうどいい限定バッグ発見!ヴィンテージ感漂う作りで、秋スタイルに男らしさをプラス!
SPONSORED
2025.09.02

普段使いにちょうどいい限定バッグ発見!
ヴィンテージ感漂う作りで、秋スタイルに男らしさをプラス!

休日にウィンドウショッピングに行ったり、彼女と映画デートに出かけたり。こんなふうに気軽に街に出るときは、嵩張らずさっと肩掛けできるようなバッグが便利。といっても、せっかくのお出かけスタイルにそぐわないものでは本末転倒……。というわけで、使…

TAGS:   Fashion
即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 大人好みの人気ブランドが、特別仕様になって登場! 
SPONSORED
2025.09.01

即完売〈ロンハーマン〉の別注アイテム! 
大人好みの人気ブランドが、特別仕様になって登場! 

大人には、見た目の落ち着きと品だけでなく、上質な素材による肌触りのよさも大切。その風合いのよさは、醸し出す雰囲気までグッと格上げてくれるから、モノ選びをするときには外せない点。それはカジュアルなアイテムであればあるほど、大事になってくる。…

TAGS:   Fashion
〈フランク ミュラー〉×〈ダナー〉の最新ブーツがお目見え!ワザありデザインが目を引く意外なコラボの1足!
SPONSORED
2025.08.25

〈フランク ミュラー〉×〈ダナー〉の最新ブーツがお目見え!
ワザありデザインが目を引く意外なコラボの1足!

昨年、驚きとともにユニークな取り組みと評判を呼んだ、〈フランク ミュラー〉と〈ダナー〉のコラボブーツ。早くも登場した第2弾はキャラ立ち必至なデザインはそのままに、カラーやディテールでグレードアップ! 質実剛健なアウトドアブーツを、アートな…

TAGS:   Fashion
俳優・竜星 涼がまとう〈ベル&ロス〉の新作!強く輝きを放つ黒スケルトン!
SPONSORED
2025.08.25

俳優・竜星 涼がまとう〈ベル&ロス〉の新作!
強く輝きを放つ黒スケルトン!

航空計器からインスパイアされた四角と丸の組み合わせで唯一無二の地位を築き上げている〈ベル&ロス〉。特に現代的なデザインが人気の"BR-05"シリーズに新加入したのが、シャープな輝きと力強さを秘めたセラミック製の黒スケルトンだ。年々深みを増…

TAGS:   Fashion Watches
屈指の“メイド・イン・ジャパン”デニム〈デンハム〉白澤社長もお気に入り!ヴィンテージ感漂う大人のワイドデニム!
SPONSORED
2025.08.25

屈指の“メイド・イン・ジャパン”デニム〈デンハム〉白澤社長もお気に入り!
ヴィンテージ感漂う大人のワイドデニム!

太めのダメージデニムはストリートなイメージが強く、若者が穿くものと思っている人も意外と多いのでは!? そこでおすすめしたいのが、〈デンハム〉のワイドデニム“ジャンボ”。膝に入った適度なクラッシュや、腿に施された絶妙なバランスのヒゲなど、ま…

TAGS:   Fashion Denim
遊びも食も宿泊も充実の〈インスパイア〉リゾートへ!週末を遊び尽くす大人の韓国!
SPONSORED
2025.08.25

遊びも食も宿泊も充実の〈インスパイア〉リゾートへ!
週末を遊び尽くす大人の韓国!

羽田空港や成田空港から約2時間で行ける〈インスパイア・エンターテインメント・リゾート〉。迫力のウォーターアトラクションを楽しめるプールや贅沢な5ツ星ホテル、きらびやかな韓国最大級カジノ、食欲をそそる韓流の肉料理など、多彩な魅力が集まってい…

TAGS:   Gourmet Stay&Travel
【時計】ブランド刷新の仕掛け人CEOが語る〈オリス〉は、イタリアにおける“ピアッツァ=広場”でありたい
SPONSORED
2025.08.22

【時計】ブランド刷新の仕掛け人CEOが語る
〈オリス〉は、イタリアにおける“ピアッツァ=広場”でありたい

グループに属さない独立系時計ブランドならではの自由な時計作りで、存在感を放つ〈オリス〉。スイスの機械式時計の文化継承に多大な貢献を果たしてきた“正統派の後継者”である一方、1980年代に趣味的な高級品に留まっていた機械式時計を身近な存在に…

TAGS:   Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ