【映画まとめ】ロバート・ゼメキス監督が手がけた映画5選!
『Safari Online』で配信してきたロバート・ゼメキス監督が手がけた作品をまとめてご紹介!
『キャスト・アウェイ』
製作年/2000年 製作・出演/トム・ハンクス 監督/ロバート・ゼメキス 出演/ヘレン・ハント
孤独な心を癒すためにモノに話しかけろ!
乗っていた貨物機が太平洋上で墜落し、なんとか救命ボートにしがみついて漂流。ようやく陸地に着くも、そこは動物さえいない無人島だった。同乗していた仲間は遺体で流れ着き、主人公チャックの孤独なサバイバル生活がはじまる。チャック役がトム・ハンクスであるということも大きな要因だが、ビデオテープやスケート靴、ドレスなどの漂着物を駆使したアイデアでサバイブする方法など、超シビアな状況ながら、いい意味での軽妙さふがあるのも本作の魅力。感情移入しやすいサバイバル映画だ。
とはいえ、無人島での生活は4年にもおよび、チャックは自殺を考える瞬間もある。肉体的にももちろんだが、精神的に追いつめられてしまうのだ。そんな状況でチャックの心の支えになるのが、ウィルソンである。人間の顔を描き、ウィルソンと名付けたバレーボールに、常にチャックは語りかけ、孤独な心を癒そうとする。限界状態では、どんな物でもいいから他者の存在が生きる勇気を与えてくれる、というわけだ。そのウィルソンとの別れのシーンは強烈に胸を締めつけられる。
『ホワット・ライズ・ビニース』
製作年/2000年 監督/ロバート・ゼメキス 出演:ハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー
超常現象? それとも人間の仕業!?
ロバート・ゼメキスが得意のCG技術をふんだんに用いたヒッチ・コック風サスペンス。研究者ノーマンと妻のクレアは、誰もが羨むような夫婦。しかし妻は、湖のほとりに建つ自宅でおかしな現象が相次いでいることに気づく。浴室の鏡に文字が浮かんだり、写真盾が倒れたりーーー。盾の裏にはマディソンという名の女性が失踪した記事が。ふと超常現象との繋がりを感じたクレアは、儀式によって霊を呼び寄せてみることに。その結果、記憶の奥に封じられていた、ノーマンとマディソンが浮気関係にあった過去が呼び起こされる。
【ここからがネタバレ】
クレアが夫を問い詰めると、彼はかつて浮気を暴露すると脅してきたマディソンを殺害し、遺体を湖に沈めたことを告白する。彼は真実を知ったクレアをも殺そうと襲い掛かるが、揉み合う二人を乗せたクルマは方向性を失い、湖の中へ。すると水底からマディソンの霊が現れ、ノーマンが息絶えるまで掴んで放さない。そうやって彼女は復讐を遂げ、再び水底へ戻っていくのだった……。“ノーマン”という名や“バスタブ”も『サイコ』のオマージュであるのを意識して楽しみたい一作。
『マッチスティック・メン』
製作年/2003年 製作総指揮/ロバート・ゼメキス 製作・監督/リドリー・スコット 出演/ニコラス・ケイジ、サム・ロックウェル
騙される快感を味わえる!
トリックに騙される快感。それをマックスで味わうとしたら、やはり詐欺師の映画ではないか。主人公は詐欺師のロイ。潔癖症で外出は苦手という変わり者だ。別れた妻との間に生まれ、まだ会ったことのなかった14歳の娘アンジェラと初めて面会したところ、意気投合。アンジェラも父の仕事に興味をもつ。
物語のメインとなるのは、ロイと相棒のフランクによる、大金持ちを標的にしたかつてない詐欺計画。しかしロイは何者かに殴られて気を失い、自身の貸金庫から大金が消えてしまう。
気がつけば、警察から尋問を受けていた……という急展開。リドリー・スコット監督にしては珍しく、軽快なノリの逸品だ。切なくも清々しいラストが印象的。
【ここからオチ&トリック】
すべて相棒のフランクが仕組んだ罠で、アンジェラも彼の仲間。ロイの実娘のフリをしただけで、年齢も14歳ではなく21歳だった。ロイと生活した彼女は、貸金庫の暗証番号も盗み見していた。ロイから悩みを聞いた精神科医もフランクの仲間。
『マリアンヌ』
製作年/2016年 監督:ロバート・ゼメキス 出演/ブラッド・ピット、マリオン・コティヤール
諜報員同士の成りすまし夫婦がむかえる結末とは!?
その”出逢い”は、スリリングで情熱的だった。第二次大戦下のカサブランカで二人は諜報員として出会い、仲睦まじい夫婦に成り済ましたまま、現地のドイツ大使の暗殺に打って出る。初めてのミッションはこれ以上ないほど大成功。やがて彼らは猛烈に愛し合い、ロンドンで新婚生活を始め、やがて子宝に恵まれるなど未来は輝かしいものに見えた。しかし……。
序盤は、名作『カサブランカ』(42)にも似た空気感を織り交ぜながら男女の駆け引きを描き、かと思えば後半、事態は予想を遥かに超えた心理戦の様相を呈しはじめる。主演のブラピはかつてアンジェリーナ・ジョリーと『Mr.&Mrs.スミス』(05)に主演したが、本作に少なからず重なり合うテーマとエッセンスを感じ取る人もきっと多いはず。ゼメキス作品ならではの特殊効果も健在で、砂嵐が吹き荒れる中、クルマの座席で愛し合う二人を映すカメラが、窓ガラスをすり抜けて遠ざかっていく場面など、クラシカル&マジカルな映像そのものがまるで一人のスパイの如く介在しているのが印象的。
『魔女がいっぱい』
製作年/2020年 製作/ギレルモ・デル・トロ、アルフォンソ・キュアロン 監督/ロバート・ゼメキス 出演/アン・ハサウェイ、オクタビア・スペンサー、スタンリー・トゥッチ
大人が楽しめるブラックユーモアがたっぷり!
世界のあちこちに魔女が潜んでいるが、その姿は人間と区別がつかない。魔女たちは時折、邪悪な魔法を使って人間を動物の姿に変えてしまう。とくに嫌っているのが、人間の子供たちだった……。1960年代を舞台に、タイトルどおり世界中の魔女が集結するドラマが展開。
設定だけ聞くと、ちょっと子供向けのファンタジーのようだが、原作者は、ジョニー・デップ主演で大ヒットした『チャーリーとチョコレート工場』と同じ、ロアルド・ダール。今回もブラックなユーモアや、皮肉たっぷりのセリフが繰り出され、意外なほど大人向け。子供にとっては怖い絵本をめくる感覚があるかも!?
多くの魔女のトップに君臨するグランド・ウィッチ(大魔女)役が、アン・ハサウェイ。『チャーリー〜』でジョニー・デップが演じたウォンカと比べたくなる怪演は今作の見どころだ。歩き方や台詞まわしも独特なうえに、ただでさえ目鼻立ちがくっきりの彼女の顔が、特殊メイクとCGで恐るべき表情に変化するシーンには誰もが呆然とするはず!
合わせて読みたいゼメキス作品!
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