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CULTURE カルチャー

2025.04.22


【GWにオススメ】ワーナー ブラザース スタジオツアー東京の特別企画『炎のゴブレット』の注目ポイントとは?

 

  

 


2023年に開業し、現在も多くの人で賑わうワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター。映画のシリーズ4作目『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の公開20周年を記念し、特別企画『炎のゴブレット』が開催中だ(9月8日まで)。シリーズの中でも同作は、三大魔法学校対抗試合が描かれるなどスケール感や映像の進化は群を抜き、展開はドラマチック。対抗試合の代表者を選ぶ“炎のゴブレット”や、主人公ハリーらが試合で奪い合う“金の卵”など同作に登場した、シリーズファンには忘れがたいアイテムも、この特別企画の目玉になっている。これらの小道具すべてを手がけたピエール・ボハナが、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』製作当時の秘話などを語ってくれた。

ーー『炎のゴブレット』は三大魔法学校対抗試合が展開することから、独特のスペクタクル感、驚きのビジュアルがシリーズでも突出しています。作り手側にとってもターニングポイントの作品でしたか?

「『炎のゴブレット』は、われわれ製作陣すべてが大きな自信をつけた作品になりました。これ以降、ストーリーが大がかりな規模で展開するわけですし、ルック的、美学的にも確立されたことを実感できたからです。小道具やセットのパーツもデザインとして飛躍し、以降の作品の“基準”が作られました。それが『炎のゴブレット』ですね」

ーータイトルにもあるゴブレットは、対抗試合の出場者を決める重要なアイテムとして登場します。制作過程について教えてください。

「ゴブレットに関しては、素材となる材木を探す工程にはじまり、すべてが忘れがたい体験になりました。多くの材質を比較して、向き、不向きを発見するなど、私のこの仕事でも最高のサンプルと言えるでしょう」

ーーゴブレットの制作には、どれくらいの時間がかかったのですか?

「だいたい2カ月から2カ月半だったと思います。最初の1カ月は素材となる材木探しに費やされました。チョコレート色がふさわしいのでメキシコ産のシタンを提案したところ、スチュアート・クレイグ(美術監督)が“もっとクラシカルな感じがいい”とイングリッシュ・エルム(楡の木)の代案を出したのです。ところがそのエルムは病気の流行で本数が極端に少なくなっていました。たまたま嵐で飛ばされたエルムを保管している材木商が見つかり、長さ3mほどの材木を3〜4個だけ譲り受け、ノミで削ってゴブレットを作ったわけです。変形を防ぐために毎日のようにシリコンオイルに浸すなど、限られた材木でミスが許されないプロセスでした」
 

  

 

ピエール・ボハナ
ロンドンにある、エフェクトの会社や制作会社でキャリアを積み、3大スタジオであるパインウッド、リーブスデン、シェパートンで映画制作に携わる。特殊な小道具や衣装、模型制作に従事し、『ジャッジ・ドレッド』、『スター・ウォーズ/ファントム・メナス』、『トゥルーナイト』などの作品に参加。その後、『タイタニック』のタイタニック号の小道具制作において注目されたことをきっかけに、映画『ハリー・ポッター』シリーズにて小道具制作の制作ヘッドを務める。

ーー今回のスタジオツアーでは、ゴブレットのケースも展示されています。ツアーで目にするケースは実際に撮影で使われたものだそうですね。

「もともとはケースが上部から畳まれて、小さな箱になるデザインを考案したのですが、その流れは視覚効果で処理されることになり、ケースが大広間に運ばれてくるシーンのために制作したわけです。ただ撮影まで6週間という時点で、そのシーンの脚本が書き換えられ、実際の制作期間は3週間。かなり急ピッチであれだけのケースが完成したのは誇らしいです」

ーー続いてデス・イーター(死喰い人)のマスクについて聞かせてください。ヴォルデモートをはじめ、ハリーたちの脅威となる闇の勢力のキャラクターたちの“仮面”は、シリーズ後半のスリルを加速させました。

「デス・イーターのマスクも『炎のゴブレット』のラスト、トム・リドルの墓のシーンで初めて登場します。最初は半分が骨のような銀メッキのデザインでしたが、それは製作陣があまり気に入らなかったようです。その後、5作目の『不死鳥の騎士団』では、中世ヨーロッパの鎧にインスパイアされたデザインにして、各キャラクターの個性に特化するなど進化させました。シルバーや銅を定着させるエレクトリック・フォーミング(電鋳法)で表面コーティングを繰り返し、成形し直し、化学薬品なども使って完成していくわけです」

ーー実際に俳優がマスクを装着するので、取り扱いも慎重になりそうですね。

「デス・イーターのマスクは、演じる俳優だけでなく、スタントダブルの人も着用します。スタント用はゴム製のバージョンだったりするのですが、その場合も、顔にぴたりとフィットするように作成するわけです。こういったマスクは、着用時間をできるだけ短くしたいのですが、フィットしていればダメージも少なくて済みますね」

ーーそしてもうひとつ、『炎のゴブレット』の重要アイテムといえば、ハリーがドラゴンから奪おうとする金の卵です。

「卵はアクション場面に応じて多くの仕様が必要とされました。ドラゴンが守っている基本のバージョンは、見た目が重要なので金メッキをほどこしています。2つ目のバージョンは、俳優が持ってラグビーボールのように蹴ったり、投げたりするので、安全性も考えてゴム仕様にして何度も作り直しました。そして3つ目は、監督生の浴室で使われた“開く”バージョン。樹脂を用いて芯の部分の気泡を表現しています。今回の展示は“開かない”バージョンですが、卵の彫刻、そのディテールを堪能してほしいですね。ホグワーツ(魔法魔術学校)の伝統へのリスペクトも感じてもらえるはずです」

ーー小道具担当として、『炎のゴブレット』で今も印象に残っているシーンはどこですか?

「巨大な水槽で撮影を行った水中シーンでしょう。あの水槽は、おそらく今もヨーロッパで最大だと思います。私たちはマーピープル(半魚人)の持つ三又の槍を作成し、ハリーのメガネも水中用ということでゴーグルのバージョンに新調しました。ダニエル・ラドクリフの顔に合わせてゴーグルのゴムを調整したりと、小道具担当として時間のかかったシーンになりました」

ーー原作者のJK・ローリングは、小道具に関して細かくチェックしたのでしょうか。

JK・ローリングはプロデューサーのデヴィッド・ヘイマンとやりとりしていました。もちろんつねに意見は言っていたようですが、『炎のゴブレット』の時点で、彼女はシリーズ全体のビジュアルに満足しており、原作者の立ち位置も理解していたようです。3作目の『アズカバンの囚人』以降、ハリーの杖を原作とは違ったデザインに変えたのは、映画として物語を語るうえで必要だったわけで、この点も彼女は承諾しました」

ーーあなたはマッド・アイ・ムーディ(死喰い人と闘う元“闇祓い”の義眼の魔法使い)の杖がお気に入りだそうですね。

「ムーディ役のブレンダン・グリーソンは、アイデアも多く出すオタク気質の俳優で、合計4本の杖を使っています。アイルランド出身の彼は“ベルファストのタワーに似た杖を作ってほしい”と要望してきました。そこでステンレス製で、地面に突き刺さるようなタイプを制作しました。そのタイプは、彼が脚を触るシーンで使われただけですけど(笑)。ムーディといえば、ホウキもハイグレードのチタンで作りました。闇祓いたちは、映画『イージー・ライダー』でのバイクのようにホウキに跨(またが)るのですが、うまく乗りこなしてくれたと思います」

ーー『ハリー・ポッター』シリーズの1作目から最後まで関わり、その後も多くの大作で仕事をしていますが、最近のあなたの作品について“これが自慢!”というものを教えてください。

「『デューン 砂の惑星 PART2』の、ブリーザー・システム(呼吸装置)でしょうか。ピストンやパイプが付いた面白い小道具になったと思います。じつは私の父が、1984年のデイヴィッド・リンチ監督の『デューン/砂の惑星』で模型のスーパーバイザーを務めており、縁(ゆかり)のある作品で、このような装置を作ったことは感慨深いです。ブリーザー・システムは現場でも好評で、使われるシーンが増えましたよ」
 

  


【映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』公開20周年記念 特別企画「炎のゴブレット」】
実施期間:2025年4月18日(金)〜9月8日(月)

●注目ポイント①”
トム・リドルの墓”


映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』のなかでも、物語の転換点となる重要なシーン、ヴォルデモート卿の復活。その舞台となったトム・リドルの墓が日本初上陸。実際に映画制作に携わったスタッフによって忠実に再現されている。
 

 
注目ポイント②”炎のゴブレット”


三大魔法学校対抗試合の出場者を選ぶ役割を果たした青い炎が揺らめくゴブレットが大広間に登場。炎が青から赤に変わると、選手の名前が書かれた紙片が宙を舞うあの名シーンが再現される。
 
 
注目ポイント③”水中シーンの舞台裏”


三大魔法学校対抗試合の第二の課題で描かれた水中シーンの舞台裏を、精巧に作られたロンの水中ダミー人形や実際に撮影で使用されたものを展示しながら解説していく。
 
 
注目ポイント④”デスイーターのマスク”


死喰い人(デスイーター)の進化では、ヴォルデモート卿の復活をきっかけに、デスイーターのマスクのデザインがどのように変化を遂げたのかを知ることができる。
 
 
注目ポイント⑤”プロジェクションマッピング”


ホグワーツ城の模型をプロジェクションマッピングによって演出。第一の課題でファイアボルトに乗ったハリーと、火を吹きながら追いかけるドラゴンとの疾走感あふれる映像演出が楽しめる。映画の音源が使用され、立体的な映像で再現されたストーリーに目を奪われるはず。

GWに予定を立てていない人は、是非足を運んでみてはいかが?
 
  

 

 
Information

●ワーナー ブラザース スタジオツアー東京メイキング・オブ・ハリー・ポッター
住所:東京都練馬区春日町1-1-7
特設サイト:https://www.wbstudiotour.jp/the-goblet-of-fire-2025/

インタビュー取材=斉藤博昭  interview:Hiroaki Saito
ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 特別企画「炎のゴブレット」
Warner Bros. Studio Tour Tokyo – The Making of Harry Potter.

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