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CULTURE カルチャー

2022.10.01


【ブラッド・ピット】光と影を放ち続ける表現者の軌跡(後編)

 

 


還暦に向けてのカウントダウン。表現者としての彼が目指すもの
いま、彼の仕事ぶりには一つの特徴がある。まず俳優としては、決して表面的ではないもの、すなわち2時間の映画の中でじっくりと人間味が焙煎され、深みを増していくような役柄を求める傾向にある。もはや演技の域を超えて、探求という言葉がふさわしく思えるほどだ。

また、プロデューサーとしても彼にしかできない仕事ぶりが定着した。そこではまず、無二の表現方法や語り口を持った新たな才能を見つけ、手厚くサポートする。さらに、巨匠たちの長らく実現できずにいるプロジェクトをも支援するーーー。

こうやって出演、製作してきたフィルモグラフィを俯瞰すると、そこにはブラピならではの脈絡というか、揺るぎないポリシーが浮かび上がってくる。 

 
 

 

『オーシャンズ11』(2001年)
 

 

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)

例えば、これと決めた相手とは3回組んでいるパターンが多い。彼をメインストリームへ連れ出したリドリー・スコットとも3作品にわたって幅広く仕事し、俳優ブラピを一作ごとに驚くべき形態へとメタモルフォーゼさせるデヴィッド・フィンチャーとも3回。

気のおけない仲間同士が集った『オーシャンズ』も3回。さらに『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019年)で彼に俳優としてアカデミー賞をもたらしたクエンティン・タランティーノとも3回。

当然ながらコラボするごとに関係性は言葉を超えた濃密なものとなり、表現の可能性がさらに奥深いものへ研ぎ澄まされ、進化していく様子が見て取れる。
 

 

『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007年)

また彼は、たとえ商業的に失敗しようとも、それが信じるに足る道であるなら、同じ監督ともう一度組む。彼がその才能にぞっこん惚れ込んだアンドリュー・ドミニクとは、商業的に失敗した『ジェシー・ジェームズの暗殺』(2007年)以来、3度に渡って組んでいる。その点、彼は様々なインタビューで語っている通り、人生でも映画でも「失敗があるからこそ、人はそこから学び、成長できる」という思想に立っているかのようだ。
 

 

『ブレット・トレイン』(2022年)

弾丸特急のその先へ。今後も果てしなき探求は続く……
ロックダウンの最中に脚本を読んで笑い転げ、出演を決めたという『ブレット・トレイン』(2022年)は間違いなくこれまでにないブラピの一面を引き出した。

さらなる出演作としては『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督と初めて映画でタッグを組む『バビロン』(2023年日本公開)がある。1920年代のサイレントからトーキーへと様変わりするハリウッドを舞台に、いかなる絢爛豪華な映像絵巻が描かれるのか。

プロデュース作は今後もひっきりなしなのに対し、俳優としての出演作で確定しているのは、現時点でこれ一本のみのようだ。

もしかすると今後は、演じる役柄をこれまで以上に厳選していくのかもしれない。その中でいざ「この役を生きたい!」と感じたなら、その時は躊躇なくありったけの情熱を注いで、ふたたび探求へと乗り出していくのだろう。

来年には還暦を迎える彼が行き着く境地はいかなるものか。これからも光と影の表現者、ブラッド・ピットの一挙手一投足から目の離せない状況が続きそうだ。
前編中編へ) 

 

 
Information

●参考資料
『ハリウッド・ガイズ スーパーインタビューブック』 野中邦子訳(集英社/1998)
『ブラッド・ピット』エディターズ・オブ・US著、島田陽子訳 (ロッキング・オン/1998)
https://www.interviewmagazine.com/
https://www.bbc.com/

文=牛津厚信 text:Atsunobu Ushizu
Photo by AFLO
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