Safari Online

SEARCH

CULTURE カルチャー

2022.07.16

屈折した心情を見事に表現する演技派!
ライアン・ゴズリング映画5選!

 




『ハーフネルソン』

製作年/2006年 監督・脚本/ライアン・フレック 共演/シャリーカ・エップス、ステファニー・バスト

俳優としての実力を知らしめた作品!
カナダ出身で、ディズニー・チャンネルの“ミッキーマウス・クラブ”の子役でデビューしたライアン・ゴズリングが、大人のスターとしてブレイクした映画といえば、2004年の『きみに読む物語』。そして俳優としての実力を知らしめたのが、その2年後の『ハーフネルソン』だ。NYブルックリンの中学校で歴史を教えるダンは、生徒からも信頼されていたが、私生活ではドラッグに溺れる日々。その事実が女子生徒のドレイにバレてしまい、ダンの運命は急展開をみせる。

ドレイも切実な秘密を抱えており、ダンと彼女はおたがいの弱さや悲しみを分かち合うようになる。そのプロセスが抑制されたタッチで展開し、2人の心にじんわり没入してしまう人間ドラマ。“オモテの顔”理想の教師と、“裏の顔”薬物中毒の男。人間の二面性をエモーショナルに、そしてスリリングに演じきったことで、ゴズリングは本作でアカデミー賞主演男優賞にノミネート。愛想がよく、繊細な性格のようで、じつは心に深い闇を抱えていそう……。そんな彼の個性の原点が本作から感じられるはずだ。2006年の作品ながら、日本では2017年にようやく劇場公開が実現した。 

 
 




『ラースと、その彼女』
製作年/2007年 監督/クレイグ・ガレスピー 脚本/ナンシー・オリバー 共演/エミリー・モーティマー、ポール・シュナイダー

ラヴドールとの純愛になぜか心動かされる!
ライアン・ゴズリングの初期の代表作のひとつだが、ストーリーだけ紹介すると、かなり不思議で怪しい一作。それゆえに強いインパクトで記憶に残ると言ってもいい。アメリカの小さな町に暮らす、主人公の青年ラース。穏やかな性格で、どこかナイーヴな雰囲気を漂わせる彼は、女性に対しては極端にオクテで、恋人を作れずにいた。ある日、兄夫婦はラースから恋人を紹介したいと聞かされる。しかしその相手は、人間ではなく“人形”。ネットで購入した等身大のラヴドールで、ビアンカという名前。兄夫婦はどう対処すればいいかわからず、医師にも助言を求めつつ、とりあえず人間としてビアンカに接することに……。

危険な要素満点なのに、全編を貫くのは、優しくピュアな空気感。ラースを演じるゴズリングが、ラヴドールに純愛をそそぐ様子を素直に表現し、余計なツッコミを入れる余地を与えない。そして前半こそ、この特殊なシチュエーションに引いてしまう人もいるが、中盤からラースの感情が伝わるようになると、知らず知らず共感してしまう。観ているこちらも、ビアンカが生身の人間だと錯覚する瞬間も多発! これは妄想が現実となる、映画のマジックのひとつかも。怪作が心地よい愛の物語へと向かう、レアな体験を味わえる。 

 
 




『ブルーバレンタイン』
製作年/2010年 監督・脚本/デレク・シアンフランス 共演/ミシェル・ウィリアムズ、フェイス・ワディッカ、マイク・ヴォーゲル

夫婦の心の距離を見事に表現!
どこか屈折感を抱えながらも、自分の意思や、愛する相手にはまっすぐに向き合う。しかし、人生に不器用な一面が顔を出し、感情を激しく爆発させる……。ライアン・ゴズリングに、このパターンがあまりに似合うと教えてくれたのが、『ブルーバレンタイン』だ。引越し業者として働いていたディーンは、医大生のシンディと恋におちる。しかしシンディは元恋人との間で子供を身ごもり、ディーンはすべてを受け入れて彼女との結婚を決意する。それから5年後、5歳になった娘はディーンを父として慕っているが、ディーンとシンディの夫婦関係は崩れかけていた。

ディーンのシンディへの情熱が一気に盛り上がり、おたがいをいつくしみ合った5年前。そして夫婦になって、心が離れつつある現在。2つの時間が交錯する構成なので、結婚生活の現実と切実さが痛いほど伝わってくる。夫婦の絆を何とか取り戻したいディーンが、シンディを誘ってモーテルで過ごすシークエンスは、両者の気持ちが生々しくて胸が締めつけられるのは確実。ゴズリングの純情ダメ男っぷりがハマり役で共感してしまうが、シンディ役、ミシェル・ウィリアムズも相手への揺れ動く心情をきめ細やかに表現。ここまでリアルなラヴストーリーも珍しく、観た後に誰かと語り合いたくなる一作。 

 
 




『ドライヴ』
製作年/2011年 原作/ジェームズ・サリス監督/ニコラス・ウィンディング・レフン 共演/キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、クリスティーナ・ヘンドリックス

愛する女性のためなら危険を顧みない!
ライアン・ゴズリングの代表作を聞かれ、この作品を挙げる人はかなり多いのではないか。彼が演じるのは、ハリウッドの撮影現場で活躍するスタントドライバー。その運転能力が買われ、強盗の逃走に加担する“闇仕事”もこなしていた。そんなある日、彼は同じアパートで暮らすアイリーンとエレベーターで知り合う。二人の間には恋の炎が燃え上がるが、アイリーンには幼い息子がいて、夫は服役中。やがてその夫が出所し、ゴズリングの主人公は、借金に苦しむ夫の強盗計画に協力することになる。

映画撮影でのカースタントも描きつつ、この『ドライヴ』の見どころは、犯罪の片棒をかつぐ主人公の鮮やかなドライビングテクニック、そして愛した女性を幸せにするため、恐ろしい組織も敵に回そうとする究極の自己犠牲。この主人公、とにかく寡黙。つねに口に楊枝を加えている。知り合いから“キッド”と呼ばれているが本名は定かではない。孤独な姿は西部劇のヒーローのようでもあり、アウトローな行動も含めて、映画ファンの心をくすぐりまくる。監督はデンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン。カンヌ国際映画祭では本作で監督賞に輝き、次の『オンリー・ゴッド』でもゴズリングを起用した。 

 
 




『ラ・ラ・ランド』

製作年/2016年 監督・脚本/デイミアン・チャゼル 共演/エマ・ストーン、キャリー・ヘルナンデス、ジェシカ・ローゼンバーグ

人生のターニングポイントを思い出させる!
ライアン・ゴズリングの主演作で、日本で最も高い興行収入を記録したのが『ラ・ラ・ランド』。アカデミー賞では6部門受賞し、彼も主演男優賞にノミネートされた。ミュージカルというジャンルも、そのキャリアでは特別な作品である。ゴズリングが演じるのは、ジャズピアニストのセブ。バーで彼の演奏にときめいたのが、女優志望のミア。2人は夢を語り合ううちに恋人同士となるも、その後、切ない運命が待ちかまえる。人々が踊り出す軽やかなオープニングナンバー(日本でもCMで使われたりして有名)から、一気に観る者のテンションは上がってしまう。

ミュージカル黄金期の名作へのオマージュが散りばめられた本作。渋滞のハイウェイや、街を見下ろすグリフィス天文台、そして映画会社のスタジオなど、“夢が叶う街”ロサンゼルスらしい風景が次々と登場。主人公たちの恋やサクセスストーリーに、これ以上ない背景になっている。本作でアカデミー賞主演女優賞のエマ・ストーンを相手に、ゴズリングも軽やかなステップで踊るが、何より心に残るのはラストシーンの彼の表情。“あの時、もし……”と、映画を観た人すべてがそれぞれの人生のターニングポイントに思いを馳せるはず。 

 
 

 

 
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
photo by AFLO
〈オメガ〉の“プロフェッショナルライン”に注目。復活した“レイルマスター”と 新色の“シーマスター”、心躍るふたつの名作。
SPONSORED
2025.06.27

〈オメガ〉の“プロフェッショナルライン”に注目。
復活した“レイルマスター”と 新色の“シーマスター”、心躍るふたつの名作。

〈オメガ〉を象徴するコレクションとして、1957年に創設された“プロフェッショナルライン”3部作。その中でも“レイルマスター”は、鉄道職員や電気技師といった強い電磁場が発生する場所で作業する人々を耐磁性の高さで支えた名作。そして、“シーマ…

TAGS:   Urban Safari Watches
〈ブランパン〉の名シリーズから新作登場。大人の休日にはシックなダイバーズを。
SPONSORED
2025.06.27

〈ブランパン〉の名シリーズから新作登場。
大人の休日にはシックなダイバーズを。

時計の人気トレンドにヴィンテージスタイルがある。1953年に誕生し、基本デザインを継承する“フィフティ ファゾムス”もそのひとつかもしれない。だがそこに懐古趣味はなく、常に新鮮な魅力を感じさせる。機能美という不変の価値があるからだろう。新…

TAGS:   Urban Safari Watches
リーダーにふさわしい〈グラスヒュッテ・オリジナル〉の一本。端正な機械式時計で仕事にも優雅さを。
SPONSORED
2025.06.27

リーダーにふさわしい〈グラスヒュッテ・オリジナル〉の一本。
端正な機械式時計で仕事にも優雅さを。

クルマやカメラなどドイツの工業製品の高い機能と品質は世界的に知られる。時計も例外ではない。〈グラスヒュッテ・オリジナル〉はその代表格だ。クラシカルなスタイルに決して派手さはない。だが漂う気品は、伝統に培われた揺らがぬ時計作りの哲学と美学を…

TAGS:   Urban Safari Watches
〈パネライ〉の傑作がさらなる進化。タフさと品格を併せ持つエレガントダイバーズ。
SPONSORED
2025.06.27

〈パネライ〉の傑作がさらなる進化。
タフさと品格を併せ持つエレガントダイバーズ。

歴史に裏打ちされた信頼性と機能。そして、存在感を放ちながら、品を保つデザイン性。そのすべてを兼ね備えた〈パネライ〉の“ルミノール マリーナ”は、知性と余裕をまとう大人にふさわしい腕時計だ。その傑作コレクションが今年、大胆な進化を遂げたとい…

TAGS:   Urban Safari Watches
〈エドックス〉の人気ダイバーズ時計が日本限定で登場!“とろやわ”ストラップで夏のビーチを満喫!
SPONSORED
2025.06.25

〈エドックス〉の人気ダイバーズ時計が日本限定で登場!
“とろやわ”ストラップで夏のビーチを満喫!

煌めく太陽に、白い砂浜、青い海。夏のビーチ遊びの季節がやってくる! ラフなビーチコーデの手元だって、やっぱり快適さを求めておきたい。そんな海遊びにはラバーストラップのダイバーズ時計が最適だ。そこでプッシュしておきたいのが〈エドックス〉の日…

TAGS:   Fashion Watches
〈ザ・ブセナテラス〉で過ごす憩いの時間!沖縄バカンスは贅沢でリラクシングなステイを!
SPONSORED
2025.06.25

〈ザ・ブセナテラス〉で過ごす憩いの時間!
沖縄バカンスは贅沢でリラクシングなステイを!

〈ザ・ブセナテラス〉は、日々の疲れを癒し、日常では味わえない贅沢な時間を過ごせる。充実したホテルの設備・サービス、海に面した立地を生かしたマリンアクティビティプログラム。ここは1泊2日くらいでは気づけない、魅力を秘めている。パートナーとと…

TAGS:   Stay&Travel
これでライフスタイルが見違える!新鮮アイテムでいつもの夏をアップデイト!
SPONSORED
2025.06.25

これでライフスタイルが見違える!
新鮮アイテムでいつもの夏をアップデイト!

いよいよ待ちに待った夏。バカンスを楽しみにしている人も多いだろう。たとえ予定がなくても、気温の上昇とともに気分をぐっと上げていきたい。そんなときに必要なのが、ライフスタイルをアップデイトするためのアイテムだ。これさえあれば、いつもとはひと…

サンダルは履き心地と見た目のよさで選ぶ!夏に大活躍するサンダルは、〈ロンハーマン〉別注が優秀!
SPONSORED
2025.06.23

サンダルは履き心地と見た目のよさで選ぶ!
夏に大活躍するサンダルは、〈ロンハーマン〉別注が優秀!

夏がやってくると気分も開放的になり、休日はお出かけモードに。街にショッピングに行くのもいいし、たまにはアウトドアで自然の中に身を置くのも気持ちよさそうだ。もちろん、ご近所を散歩する程度で、家でゆっくり過ごすというのも幸せ。で、そのどんなシ…

TAGS:   Fashion
〈ジラール・ペルゴ〉夏の限定モデルが登場!サマーバカンスの相棒は“懐色”の復刻ダイバーズで!
SPONSORED
2025.06.20

〈ジラール・ペルゴ〉夏の限定モデルが登場!
サマーバカンスの相棒は“懐色”の復刻ダイバーズで!

マニュファクチュール=自社一貫生産体制を2世紀以上も貫き続けるスイス、ラ・ショー・ド・フォンの名門時計ブランド〈ジラール・ペルゴ〉。そのコレクションはどれもクラシカルかつドレッシーで気品に満ちたもの。そんなイメージを、文字どおりあざやかに…

TAGS:   Fashion Watches

NEWS ニュース

More

loading

ページトップへ