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CULTURE カルチャー

2022.05.14

命がけの追走劇が面白い!
バウンティハンター映画5選!

 

 
逃亡者を捕まえて賞金を得るバウンティハンター。今回は、彼らが活躍する映画を5本セレクト。命がけの追走劇や逃げたり捕まえたりを繰り返す護送劇とパターンも様々。是非、お気に入りの一本を見つけてみて!
 





『ミッドナイトラン』

製作年/1988年 製作・監督/マーティン・ブレスト 脚本/ジョージ・ギャロ 出演/ロバート・デ・ニーロ、チャールズ・グローディン、ジョン・アシュトン

捕まえてからの護送劇が見どころ!
主人公ジャックは、マフィアの罠にはまって刑事の仕事を追われたバウンティハンター。ある日、彼は依頼主から、マフィアの会計士だったデュークという男を捕まえて連れてくるよう頼まれる。大金を横領して慈善団体に寄付したため、追われているデュークは身を隠していたが、ジャックはデュークを難なく見つけて連行。ところが、マフィアはもちろん、その犯罪を暴こうとするFBIが行く手に立ちはだかる。危機に直面した彼らの運命は!?

バディムービーの名作としても知られるサスペンスアクション。現代のアメリカの賞金稼ぎは保釈金業者からの依頼で、保釈中に逃亡した者を捕まえることが主たる仕事だが、本作のジャックはその専門家。元刑事らしく探偵の資質にも優れている。根はやさしいが、過去の苦い経験から、少々やさぐれ気味。そんな彼がマジメで、どこか天然ボケのデュークとの交流により、変わっていくのがドラマの妙味。アクションやデ・ニーロの妙演も見どころだ。 

 
 




『ピンク・キャデラック』
製作年/1989年 監督/バディ・ヴァン・ホーン 脚本/ジョン・エスコウ 出演/クリント・イーストウッド、バーナデット・ピータース

コミカルなやりとりが魅力!
タフなバウンティハンター、トムは、保釈金を踏み倒した人妻ルー・アンの捕獲を任される。ルー・アンは、人種差別主義グループの一員となった夫の偽札作りの濡れ衣を着せられたことに怒り、夫のキャデラックを奪い、愛娘を連れて逃亡していた。トムはルー・アンを捕まえたものの、キャデラックの中に本物の大金が隠されていたことから、予期せぬ騒動に巻き込まれていく。

クリント・イーストウッド演じるトムは腕っぷしが強く、度胸もあるが、彼と行動を共にするルー・アンも鼻っ柱の強さでは負けていない。そんな彼らの珍道中が物語を面白くする。ルー・アンにふんしたバーナデッド・ピータースとイーストウッドのコミカルなやりとりに注目。『ダーティハリー5』等でイーストウッドと組んだバディ・ヴァン・ホーン監督がオフビートなドラマを演出。 

 
 




『ドミノ』
製作年/2005年 製作・監督/トニー・スコット 脚本/リチャード・ケリー 出演/キーラ・ナイトレイ、ミッキー・ローク、エドガー・ラミレス、ルーシー・リュー

実在の女性バウンティハンターを描く!
俳優の父を持つロンドン生まれの少女ドミノは父の急逝後、荒れた生活を送るようになる。15歳でモデルの仕事をはじめるもうまくいかず、母とLAに渡ってからの学生生活も破綻。そんなある日、バウンティハンター募集の広告に心を動かされ、彼女はこの危険な仕事に夢中になっていく。有名になり、TVのドキュメンタリー番組が作られるほどになったドミノ。そんな彼女に、ある仕事が舞い込むが、それはこれまで以上に危険なものだった……。

実在した女性バウンティハンター、ドミノ・ハーヴェイの半生に基づくサスペンスアクション。追跡対象者がおとなしく捕まるわけではなく、反抗され、時には命の危機に直面するのも賞金稼ぎの仕事。そんな過酷な現実を見据えながら、スリルに魅せられたヒロインの壮絶な生を浮き彫りにする。主演を務めたキーラ・ナイトレーは反逆児というべきドミノ像をリアルに体現。なお、ドミノ本人は本作の完成直前に35歳で世を去った。 

 
 




『ジャンゴ繋がれざる者』
製作年/2012年 監督・脚本/クエンティン・タランティーノ 出演/ジェイミー・フォックス、レオナルド・ディカプリオ、クリストフ・ヴァルツ

奴隷が賞金稼ぎに転身する妙味!
1858年、黒人が奴隷として虐げられていた時代のアメリカ。奴隷のジャンゴは、奴隷制度を憎む凄腕の賞金稼ぎ、シュルツに買われて彼の相棒となる。お尋ね者の奴隷商人たちを仕留めた彼らはジャンゴの希望で、奴隷として売られた彼の妻を取り戻そうとする。ジャンゴの妻は、カルビンという冷酷な農場主の下で労働を余儀なくされていた。シュルツとジャンゴはカルビンに接近するが、この救出劇は多くの犠牲を払うことになる。

鬼才クエンティン・タランティーノによる大作ウエスタン。黒人奴隷が数奇な運命によって賞金稼ぎとなる意外な展開もさることながら、バイオレンスの激しさやユーモアもタランティーノ作品らしい。タランティーノは本作で2度めのアカデミー脚本賞を受賞。ジャンゴにふんしたジェイミー・フォックスや悪役レオナルド・ディカプリオなど、俳優陣のアクの強さが、とにかく光る! 

 
 




『夕陽のガンマン』
製作年/1966年 原作・製作・監督・脚色/セルジオ・レオーネ 音楽/エンニオ・モリコーネ 出演/クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフ

タイプが異なる賞金稼ぎが活躍!
開拓期のアメリカ西部。強盗団を率いるお尋ね者インディオには1万ドルの賞金がかけられていた。賞金稼ぎの“名無しの男”とモーティマーは、一匹狼ではあったが、手ごわいインディオを捕まえて賞金を山分けすべく、手を組むことに。“名無し”が一味に潜入するも、インディオは簡単に尻尾をつかませず、捕獲計画は難航。さらに悪いことに、“名無し”とモーティマーは、逆に一味に捕らえられ……。

セルジオ・レオーネ監督と主演クリント・イーストウッドのコンビによるマカロニウエスタンの定番。イーストウッドふんする賞金稼ぎ“名無しの男”は、レオーネとの他のコンビ作『荒野の用心棒』『続・夕陽のガンマン』と同様に、ニヒルな個性が映えるアンチヒーロー。金のために動き、そこに情や正義感が入り込む余地はない。対して、リー・ヴァン・クリーフ演じるモーティマーは、まだ少し人間味を覗かせる。タイプの異なる賞金稼ぎふたりを見比べるのも一興。 

 
 

 

 
文=相馬学 text:Manabu Souma
Photo by AFLO
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