近未来戦争の主役はアンドロイド兵士?『デンジャー・ゾーン』
近未来の戦争はどうなっているか? テクノロジーの進化をさまざまに予想して、斬新なシーンで驚かせてきたアクション映画は、これまでもたくさん作られてきた。もちろん非現実的な設定も映画らしく楽しめるし、リアリティ満点に迫ってくる衝撃作もあった。この『デンジャー・ゾーン』は、その両面を備えた力作だ。
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『デンジャー・ゾーン』
胸アツなポイントは?
“外見も感情も人間と同じアンドロイドの死闘ぶりに涙するはず!”
舞台は、2036年。アメリカ軍では“ガンプ隊”と呼ばれるロボットの兵士団を前線での戦いに投入していた。このあたり、ウィル・スミス主演で、ロボットが人間の日常にとけこんでいた『アイ,ロボット』(2035年が舞台で時代も近い!)を思い出す。『デンジャー・ゾーン』では主役の一人であるリオ大尉がバイオテクノロジーで作られたアンドロイドである。
外見は人間そのもの。しかし肉体の内部はマシンのような構造。ターミネーターにも近いが、感情も人間とほぼ同じだ。リオ大尉の元に送り込まれたのが、ドローン操縦の任務で失態を犯したハープ中尉。恐るべき反乱軍の黒幕が核兵器を使うと知ったリオが、ハープとともに武装地帯の外へ出て、世界の危機を救おうとする。
人間とアンドロイドのコンビの場合、人間側が”常識”をもっているケースが基本だが、今作は実地での戦闘経験がゼロのハープが、何から何まで理解しているリオに従う関係性が、映画の面白さを加速。『アベンジャーズ』シリーズのファルコンで知られるアンソニー・マッキーが、冷徹で無敵なリオにぴたりとハマっているので、ハープが部下としてついていく展開にも共感してしまうのだ。
そして中盤からは、その関係が変化し、衝撃のクライマックスへ向かう流れで、ここも驚き。リオの完璧すぎる銃撃テクニックが駆使され、ガンプ隊も奮戦するバトルシーンの緊張感と迫力や、犬のようなロボットなど細部の近未来ビジュアルなど、要所に見どころを配置しつつ、バディムービーとしての味わいも深い!
『デンジャー・ゾーン』
製作・出演/アンソニー・マッキー 監督/ミカエル・ハフストローム 出演/マイケル・ケリー 配給/ネットフリックス
2021年/アメリカ/115分
2021年1月15日よりネットフリックスで配信中