『スカイライン 奪還』『ルイスと不思議の時計』
『ザ・レイド』のイコ・ウワイスがエイリアンと格闘対決を挑む『スカイライン 奪還』と、ジャック・ブラックが魔法使いを演じる『ルイスと不思議の時計』をピックアップ!
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セレブで選ぶ編
『スカイライン 奪還』
ムネアツなポイントは?
・『ザ・レイド』のイコ・ウワイスが出演
・格闘術シラットでエイリアンと死闘を繰り広げる!
・前作と同じ3日間を描くが、反撃がテーマ
・ロボット同士のパワーファイトまで展開!
イコ・ウワイスと聞いてピンときた人はアクション映画がお好きな人だろう。インドネシアの伝統的な武術シラットのチャンピオンで、現在35歳。アクション映画界の期待の星だ。演技の表現力はまだまだなのだが、格闘での表現力はズバ抜けている。そんな彼が、ついにエイリアンと戦うというのだから見逃すわけにはいかない!
『ザ・レイド』で注目を浴びる
映画デビューは’09年『ザ・タイガーキッド 〜旅立ちの鉄拳〜』。そして世間から注目を浴びたのが‘11年『ザ・レイド』だ。SWAT隊員の1人として、無数のギャング相手に格闘アクションを披露したのだが、その動きは尋常ではないほど速い。打撃も力強く、ナイフを使った技に至っては、目で追えないほどのスピード。アクションファンの多くはその姿に衝撃を受けたのだが、それは映画関係者も同様で、‘なんと14年には超大作『スター・ウォーズ フォースの覚醒』に出演。ハリウッドへの進出を果たしたのだ。
エイリアンにシラットで闘いを挑む!
そんな彼が今回戦うのは、なんとエイリアン。前作で地球を3日間で征服してきたヤバい奴らなのだが、イコは銃を使わずまさかのシラットで真っ向勝負! クライマックスではラオスの寺院で複数のエイリアンを相手に大立ち回りを披露する。エイリアンものといえば、あっけなく人が倒される描写が多いだけに、格闘術で退治する様はなんとも痛快なのだ! ちなみに『ザ・レイド』出演したヤヤン・ルヒアンも出演。こちらも圧巻の格闘を見せるが、壮絶すぎるラストを迎えることに。
前作と同じ時間軸だが、こちらは反撃の物語
本作は、地球征服を描いた前作と同じ時間軸で展開するが、こちらは人類反撃の物語。父と子のエピソードに、新たな生命の誕生をめぐる攻防など、アクション以外も見どころが多い。もちろんハイドラックス社が手掛けるVFXも進化。エイリアン同士が巨大ロボットに搭乗して戦う東映ヒーロー的な演出もあるなど、最後までムネアツな内容と、満喫できること請け合いだ!
『スカイライン 奪還』
製作・監督・脚本/リアム・オドネル 出演/フランク・グリロ、ボヤノ・ノヴァコヴィッチ、イコ・ウワイス、ヤヤン・ルヒアン 配給/REGENTS/ハピネット
10月13日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー
©2016 DON’T LOOK UP SINGAPORE, PTE. LTD.
物語で選ぶ編
『ルイスと不思議の時計』
ムネアツなポイントは?
・主人公が突然、魔法使いの伯父と暮らすことに!
・魔法を演出するビジュアルがすごい!
・ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの掛け合いが面白い!
・学校内でのドラマは大人も共感度高し!
“魔法”と“少年の成長”といえば、ファンタジー映画の王道要素。その魅力を最大限に生かし、一見、子供向けのようで多くの世代にアピールするのが、この『ルイスと不思議の時計』だ。同名の原作は1973年に第1作が発刊されてシリーズにもなったベストセラー。日本にもファンが多い。
主人公が突然、魔法使いの伯父と暮らすことに!
主人公は、10歳の少年ルイス。両親を亡くした彼は、まだ一度も会ったことのない、母の兄である伯父のジョナサンに引き取られる。ジョナサンの屋敷には怪しい空気が立ちこめ、ルイスは夜な夜な不審な行動をとる伯父に怯えていた。隣に住むツィマーマン夫人も謎めいている。彼らはなんと魔法使いだった! 魔法の術を教わりながら、ルイスは屋敷のどこかに隠された魔法の時計を探し、世界の破滅を止めようとする……。
魔法を演出するビジュアルがすごい!
屋敷の中の家具が自由に動き出し、壁に掛かった絵も変化する。さらに奇妙なクリーチャーの出現など、ありとあらゆる“魔法”が繰り出され、そのビジュアルを観ているだけでワクワクする。隠された時計の秘密と、その時計の効力を使おうとする悪役などダークな要素もあるのだが、基本はエンタメ要素が強調されているのが今作の持ち味だ。
ジャック・ブラックとケイト・ブランシェットの掛け合いが面白い!
なにより、“キャラ立ち”と“キャスト”の相性が完璧。ジョナサンは魔法使いといっても、その腕はポンコツで頼りにならない。今年は『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』でも内面が女子高生になる役で爆笑させたジャック・ブラックが、今回も味わい深いコメディ名人芸を披露。一方で腕の立つ魔女のツィマーマン夫人には、アカデミー賞2度受賞のケイト・ブランシェットが扮し、なにかと上から目線の態度がハマりまくってる。すぐ口論になる2人は、まるで漫才コンビのようで面白すぎ!
学校内でのドラマは大人も共感度高し!
そして大人の観客にアピールする点は、ルイスの学校でのドラマだろう。転校先での孤独やいじめ、屈折した生徒同士の関係が描かれるが、シリアスになりすぎず軽やかに展開するぶん、素直に共感できる部分が多い。映画ファンにとっては、今作の監督がイーライ・ロスというのも意外なはずで、『ホステル』など過去に得意として血みどろ残虐映画のテイストを今回は封印。それでもところどころに顔を出すブラックなテイストは、イーライ節といったところだ。
『ルイスと不思議の時計』
原作/ジョン・ベレアーズ 監督/イーライ・ロス 出演/ジャック・ブラック、ケイト・ブランシェット 配給/東宝東和
2018年/アメリカ/上映時間105分
10月12日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
©2018 UNIVERSAL STUDIOS AND STORYTELLER DISTRIBUTION CO.,LLC
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito