『ロスト・バス』22人の生徒を乗せたスクールバスが山火事に直面! 奇跡の救出劇にハラハラする!
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時として新作映画が、そこで描いた背景だけでなく、記憶に新しい出来事とリンクすることがある。まったくの偶然だが、これも映画が起こすマジックのひとつ。この『ロスト・バス』は、2018年に起こった山火事を描いた作品だが、2025年初めのロサンゼルスでの大規模な山火事とどうしたって頭の中で重なってしまい、衝撃がさらに生々しくもたらされるはず!
カリフォルニア州の北部で、シエラネバダ山脈の麓にある町、パラダイスの近郊で大規模な山火事が発生する。炎が急速に広まるなか、孤立無縁となった小学校に生徒たちが取り残され、スクールバスの運転手が助けに行くことに。2018年、実際に起こった救出劇が映画化された。緊急無線で学校へ向かったドライバーのケビンが、教師のメアリーと、22人の小学生たちを避難所へ送り届けようとするが、道路の大渋滞、バスに迫る炎……と次から次へと難関が待ち受け、文字どおり究極のサバイバルが展開していく。監督を務めたのは、ポール・グリーングラス。『ジェイソン・ボーン』シリーズでリアリティ満点のアクションを演出し、9.11テロを再現した『ユナイテッド93』など、ドキュメンタリーのような臨場体験をもたらす腕が天才的。冒頭の強風や山崩れにはじまり、住民の脱出劇、そして消防士たちの消火と救援活動が、怒涛の勢いで描かれ、観ているこちらは山火事の真っ只中に放り込まれた錯覚をおぼえる。
VFXが進化した近年は、炎の映像はCGなのが一般的。しかし本作は、ガス管を巡らせた広大なセットを用意し、本物の炎をかなりの量、使っている。電柱が倒れて電線が火を噴き、スクールバスの壁面や窓ガラスが真っ黒になるなど“本物”が伝える恐ろしさは、火災パニック映画の歴史でも最上級だろう。ケビンは子供たちを守りながら、複雑な事情も抱えた自身の家族の安否も心配する。難しい役どころを、オスカー俳優のマシュー・マコノヒーが全身全霊で演じているが、驚くのはケビンの息子と母に、マコノヒーの実の息子と母がキャスティングされた点。特に息子役のリーヴァイ・マコノヒーは、これが映画初出演とは思えない屈折感まで見事に表現。サラブレッド俳優として、父の跡を継ぐ活躍に期待できそう!
Apple Original Films『ロスト・バス』10月3日配信
製作総指揮・原作/リジー・ジョンソン 製作・脚本/ブラッド・イングルスビー 監督・脚本/ポール・グリーングラス 出演/マシュー・マコノヒー、アメリカ・フェレーラ、ユール・バスケス、アシュリー・アトキンソン 配信/Apple TV+
2025年/アメリカ/上映時間129分
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画像・映像提供 Apple