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CULTURE カルチャー

2023.02.03


ソフィー・マルソー主演『すべてうまくいきますように』は、家族の最期をユーモラスに描く感涙作!

 

 
ソフィー・マルソー主演『すべてうまくいきますように』は、家族の最期をユーモラスに描く感涙作!

映画はタイトルが重要。もちろん内容が一瞬で伝わるのも優れたタイトルだが、「なんとなく気になる」「どんな作品なんだろう」と興味を抱かせる役割をもっているからだ。その意味で本作のタイトルは謎めいている。そしてタイトルからは想像もつかない物語と作品のムードに、うれしいサプライズを受け取れることだろう。

主人公はフランス人の父と娘。84歳のアンドレが脳卒中で倒れ、人生の希望を失ったことで安楽死を望む。その手助けを頼まれたのが、娘のエマニュエル。父の意思が変えられないと知った彼女は、合法的に安楽死をさせてくれるスイスの団体に頼み、その準備を進めるが、さまざまな問題も発生し……。

「すべてうまくいきますように」とは、スムーズに安楽死ができますように、ということか。あるいは父が決意を変えて、一日でも長い人生を送ろうとすることなのか? いずれにしてもシリアスな予感を漂わせる本作だが、意外や意外、全体のノリは軽やか。要所にユーモラスな描写も挿入し、もちろんエモーショナルな場面も用意する。思わぬプレゼントをもらったような珠玉の体験で満たされる一作だ。

安楽死の決意を絶対に変えない父アンドレの頑固さと、それに翻弄されるエマニュエルと妹の奮闘が、家族ならではのストレートな物言いと、家族だからこそ言えない本心が絡み合いながら進行。その脚本が絶妙で、多くの人が自分のドラマとして共感してしまうはず。もちろん高齢の親がいる人は身につまされる部分もあるが、その先の希望を感じられるのが本作の持ち味。“生きる意味”も説教くさくなく教えてくれる。そして注目なのが、エマニュエル役のソフィー・マルソー。1980年の『ラ・ブーム』で日本でもアイドル的な人気を誇った彼女も、今や50代。その年齢の重ね方が味わい深いし、相変わらずチャーミング。「そんな顔、カメラに撮らせていいの?」と心配してしまう瞬間も!? ベテラン女優の新境地を開く、フランソワ・オゾン監督らしいセンスも実感したい。

『すべてがうまくいきますように』2月3日公開
監督・脚本/フランソワ・オゾン 出演/ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエ、ハンナ・シグラ 配給/キノフィルムズ
2021年/フランス・ベルギー/上映時間113分
 

 


 

 

 
文=斉藤博昭 text:Hiroaki Saito
© 2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION
– SCOPE PICTURES
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