“Lamborghini GIRO JAPAN 2017 Osaka”に同行取材!
〈ランボルギーニ〉だけのドライブツアーってどんな感じ?
クルマ好きにとって週末のドライブは、愛車と触れ合える最高のひととき。「あ~、やっと乗れる~♪」と愛車に近づくだけで、心ウキウキ。もちろん走り出せば、愛車との対話がスタート。走りに夢中になりつつも、「このひとときがずっと続けばいいなぁ」な~んて思うのは、クルマ好きなら誰でも身に…
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クルマ好きにとって週末のドライブは、愛車と触れ合える最高のひととき。「あ~、やっと乗れる~♪」と愛車に近づくだけで、心ウキウキ。もちろん走り出せば、愛車との対話がスタート。走りに夢中になりつつも、「このひとときがずっと続けばいいなぁ」な~んて思うのは、クルマ好きなら誰でも身に覚えがあるだろう。
8月5日(土)~6日(日)の2日間にわたり開催された“Lamborghini GIRO JAPAN 2017 Osaka(ランボルギーニ ジーロ ジャパン 2017 オオサカ)”は、そんな楽しい思いをみんなで分かち合おうと、〈ランボルギーニ〉オーナーを対象に企画されたドライビングツアー。
そもそもこれと同様のツアーは、イタリアや中国など、すでに世界各地で開催されていたもの。日本では今年7月、名古屋~伊勢を舞台にはじめて実施。そして、今回ご紹介する大阪ツアーは、日本では2度めの開催ということになる。
ちなみにツアー名にあるGIROとは、イタリア語で“回る”とか“周遊”という意味。その言葉どおり今回のツアーでは、大阪を旅立ち淡路島から香川を巡り、再び大阪へ戻るルートを設定。走行距離も長く、初回の名古屋ツアーでも走行距離350㎞を超える旅だったが、今回はそれを上回る往復500㎞超え。これはかなりのロングドライブだ。
初日の行程は、大阪を11時に出発し、明石海峡大橋を経由し淡路島へ。そこでランチとクラフト体験を楽しんだ後は、神戸淡路鳴門自動車道に入り、最終的に香川県琴平町にある宿泊施設を目指すというルート。スタート地点となったATCホール広場には、朝から続々と関西エリアのオーナーが駆る〈ランボルギーニ〉が集合。あちらこちらで響きわたる野太いエンジンサウンドを耳にすると、やっぱりこちらも気分が高揚してくる。なんたって、メディア用を含む合計15台の〈ランボルギーニ〉が集結しているのだから、興奮しないほうが無理。参加オーナーにとっても、ツアー参加車両が1台1台と到着するたびにじ~っと眺めては、「おお~!」と歓声を上げていたのだから、よっぽど嬉しいに違いない。そりゃそうだ。普段は1人、あるいはパートナーとともに楽しむ〈ランボルギーニ〉でも、このツアーに参加すれば話は別。同じ〈ランボルギーニ〉好きと愛車談義ができるうえ、旅の思い出を共有できるとなれば、思わず心が躍ってしまうのが本音だろう。
さて、車体にツアーのステッカーを張りATCホールを出発した参加車は、阪神高速道路へと進む。筆者もまずは、航空機から着想を得て作られた特別限定車“ウラカン アヴィオ”に乗りこみ、最初の休憩地点である淡路ハイウェイオアシスを目指した。ドライブの最初のハイライトは、明石海峡大橋。全長なんと3911m、中央径間(1991m)では世界最長を誇る美しいつり橋だ。当日は35度超えの猛暑日とはいえ、天気は快晴。橋下に望む明石海峡は青く爽やかで、視線の先にある淡路島もクリアに見えて気持ちがいい。橋の道路は片側3車線と余裕があるが、この日は比較的交通量が少なめ。さらに、まわりに建物がないせいか、道路がとても広く感じられる。それに気をよくして、“ウラカン アヴィオ”を追い越し車線へ。すかさず、ステアリングにある走行モードを街乗り用の“ストラーダ”から、サーキット走行用の“コルサ”にチェンジ。アクセルを踏んでみた。すると、地面から湧き上がるような轟音とともに背中が押され、加速が止まらない。しかも、乗っているクルマが“ウラカン アヴィオ”。どこまでも真っ直ぐに続く道が滑走路に感じられて、気分はまるで戦闘機に乗っているかのような感覚に襲われる。羽さえあれば、このまま大空へと駆け上がってく、そんな感覚だ。とはいえ、ここはドイツのアウトバーンではない。あわててアクセルを緩めたものの、ここで、「自分は〈ランボルギーニ〉に乗っている」とあらためて意識させられた。
淡路島に入ると、海岸線を走るコースへ。右手には青い海。長いビーチがところどころ続き、車窓を流れる風景にテンションが上がる。それにしても淡路島は、ドライブにぴったりなところだと思った。美しい自然に心癒されるのは当然なのだが、なにしろ信号が少ない。北淡インターを降りてランチ会場まで約30分の距離だが、信号で止まったのはたった1回だけ。つまり、V10サウンドをBGMにずっと海沿いを走る幸せがず~っと続くわけで、これはたまらない。晴れた日の淡路島ドライブは、是非おすすめしたい。
ドライブツアーだから、〈ランボルギーニ〉とともに風光明媚な日本を走れるだけで嬉しい。とはいえ、そこはホスピタリティの高さも自慢のこのツアー。ウエスネスパーク五色での豪華ランチの後は、クラフト体験が用意されていた。「いったいなにを作るのかな?」と参加者はみんなソワソワ。さっそく敷地内にある工房を訪れてみると、そこで目にしたのは粘土らしき四角い箱? 聞けば、ここ淡路島は約400年の歴史を持つ瓦の有名な産地。淡路瓦といえば、三州瓦、石州瓦と並ぶ日本三大瓦のひとつなのだ。というわけで、四角い箱の正体は、淡路瓦に使われる粘土。そして本日のお題目が、それを自由にアレンジすることだ。参加者は用意された粘土の箱をくり抜いたり、模様を描いて小物入れにするなど、まるで小学生の工作の授業さながらに、真剣に取り組む姿がとっても印象的だった。ちなみに作った作品は工房で焼かれた後、1カ月ほどで参加者の手元に届くことに。ツアー終了後しばらくして、楽しい思い出に再び浸れるのは、実に気の利いた演出だと思った。
その後一行は、瀬戸大橋が眺められる瀬戸中央自動車道の与島パーキングエリアを経て、香川県琴平町にある宿泊施設へ。〈ランボルギーニ〉を降りたら、今度は楽しい夕食会が待っていた。ここでもオーナーたちの話題になるのは、やっぱり愛車のこと。ここはチャンスとばかりに、みなさんに〈ランボルギーニ〉の魅力についてちょっと聞いてみることにした。すると挙がったのは、低く構えた精悍で美しいデザイン、自然吸気のV型エンジン、野太いサウンド、圧倒的な速さという点。特にエンジンに関しては、多くがほかとの違いを熱心に語ってくれた。それもそのはず、いまや時代はダウンサイジング。排気量を小さくしてターボでパワーを補うタイプが主流となっている。そんな中、〈ランボルギーニ〉のエンジンはあくまで自然吸気(ノンターボ)にこだわり、大排気量で圧倒的なパワーを絞り出す稀有な存在。そしてその先には、「スーパースポーツってこうあるべきなんだよ」と言わんばかりの〈ランボルギーニ〉の強いこだわりがあって、オーナーはそんな姿勢にどうしようもなく惹かれてしまう、そんな印象を持った。〈ランボルギーニ〉のオーナーになることは並大抵のことじゃない。でも、それを実現することは、間違いなくライフスタイルのステージを上げるということ。そう考えると、〈ランボルギーニ〉の魅力には“人生を変えてしまうクルマ”という側面もあるだろう。果たしてそんな人生からはどんな風景が見えてくるのか? 楽しそうに〈ランボルギーニ〉の魅力を語るオーナーを見ていると、その風景はキラキラと輝いている、そんな気がした。
2日めも快晴に恵まれたこのツアー。初日とほぼ同じコースを辿り、ウェスティン淡路にて昼食。その後一行は、最終目的地である大阪天満宮へと向かった。「なんで大阪天満宮なの?」とずっと思っていたが、それは着いてのお楽しみとのこと。天満宮といえば、学問の神様として有名な菅原道真公を祀っているが、〈ランボルギーニ〉と学問がどうしても結びつかない。で、現地に到着すると、すでに境内にはオーナーたちの愛車が勢揃い。ここではじめて「あ、クルマの安全を祈願してお祓いをするんだ」ってことに気づいた。なんという心遣いかと感心したのだが、それも束の間、本殿でご祈祷を受けたときに牛の絵を見てまたまた驚いた。聞けば天満宮では、牛は祭神の使者。わざわざ大阪天満宮を祈祷の場所に選んだのは、エンブレムに闘牛があしらわれ、牛と深い縁がある〈ランボルギーニ〉に引っ掛けてのことだったのだ。う~ん、これはお洒落。菅原道真公も“イタリアの猛牛たち”を目の前に、さぞご満悦だったに違いない!? その後、無事ご祈祷を終えた一行はここで解散。最後を安全祈願で締めくくり、オーナーたちの表情も満足げだった。振り返ると、〈ランボルギーニ〉が連なって豪快に走り抜ける光景を間近に見られ、しかも一緒に編隊に加わることができたのは本当に嬉しい体験だった。ランボルギーニ・ジャパンでは、今後もこのようなオーナーイベントを積極的に開催したいとのこと。クルマを売るだけじゃなく、〈ランボルギーニ〉に乗って楽しむ体験を提供する活動には、今後も注目したい。