走り好きがとにかく絶賛!〈アルピーヌ〉A110は一体なにがいいのか?
「最近のクルマはどれも優等生で、キャラ的に面白みがない」。もしアナタがそう思っているなら、是非一度乗ってほしいクルマがある。それが〈アルピーヌ〉A110だ。というのも、このクルマに乗った人はとにかく絶賛。ほかのスポーツカーと比べても、「段違いで楽しい!」という声が後を絶たない。そしてこの〈アルピーヌ〉A110が、さらに個性を磨いた新型の受注を2月から開始している。果たしてどのようにアップデイトされたのか、さっそくフォーカスしてみよう。
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そもそもA110は、1963年に登場した、ライトウェイトスポーツで知られる名車がルーツ。レースでも数々の戦績を残していて、FRPボディにルノー製エンジンを積んだA110は、1973年に開催されたWRC(世界ラリー選手権)では初代王者に。そんな輝かしい栄光と美しいボディデザインは、今でも多くの人を惹きつけてやまないのはご存知のとおりだ。
そんな背景を持つA110だが、今回受注を開始した新型のポイントは、まずグレードが整理されたこと。これまでA110 ピュア、A110 リネージ、A110 Sだったラインアップが、新型ではA110、A110 GT、A110 Sに再構成された。もちろん中身も一部改良。各グレードの個性がさらに際立つ展開になっているのだが、やっぱりこのクルマのよさは、なんといっても基本性能の高さにある。
写真はA110
写真はA110 GT
写真はA110 S
たとえば、最もシンプル&ベーシックで、クラシックA110の正当な後継者とされるA110は、車両重量がなんと1110kg。ボディを含む重量の96%がアルミ製で、前後重量配分は44対56と理想的。そこにミッドに積まれた最高出力252PSの1.8ℓ直列4気筒ターボエンジンを組み合わせ、0-100km/h加速は4.5秒を誇るというのだから楽しくないはずがない。
もちろん傑出したハンドリングに貢献する足まわりもしっかり。ダブルウィッシュボーンサスペンションが高い接地性を生み出し、しかもダンパー内にセカンダリーダンパーを備える“ハリドロリック・コンプレッション・ストップ”を採用。クルマのキャラクターをスペックで読み解ける人なら、すぐに「ワインディングで走らせてみたい!」と思うのではないだろうか? さらにそんなクルマの特性は、最高出力300PS、最大トルク340N・mと大幅にスペックアップされたA110 GT、A110 Sともなると、グッと別次元に誘ってくれるのは言うまでもない。
タイムレスなデザイン!
高性能ライトウェイトスポーツの楽しさを存分に味わえるA110だが、一方で見るたびに「かっこいい!」と感動を呼ぶボディデザインも心を捉えて離さない。強烈な個性を放つオリジナルのA110を現代に蘇らせたデザインは、流麗、エレガントでスピード感にあふれるもの。ちなみにチーフデザイナーのアントニー・ヴィラン氏によると、往年の〈アルピーヌ〉の歴代モデルをデザインスタジオ全員で実物大スケッチ。そうする過程の中で、アルピーヌ・ブランドのDNA、過去と未来を繋げるエレメントを炙り出していったという。「スタイル面で決定的だったのは、外に向かって威張る感じより、攻撃的でなくエレガントであることこそ〈アルピーヌ〉らしい、ということでした。〈アルピーヌ〉のもたらす純粋なプレジャーとはマスを削り、”light is right”であること。300~400PSが当たり前の世界でパワーを誇示することでなく、200PSちょっとでも受け入れられるクルマであることです。あとひとつ言えることは、”未来のクラシック”になるもの、時間の経過に流されないもの、としたかったのです」
さらにアントニー・ヴィラン氏にとって、難しかったのは外装よりもむしろ内装のほうだったようだ。
「往年のA110の雰囲気をそのまま移すと、今日の新車としては快適性に乏しく、スパルタンにすぎます。サーキット用のクルマと異なる官能的なマシンであることを、軽さとピュアさの中で表現しつつ、快適で洗練されている必要があったのです。多くの高級スポーツカーは洗練されていますが、やはりスチールボディの上にプラスチックとモケット、ウレタンを重ねた通常どおりの内装であることは否めない。だから〈アルピーヌ〉は思い切って、すべて剥ぎとるところからはじめました。もともとアルミのボディの上に、アルミと革とカーボンを載せただけ、というミニマルさです」
こうやって完成したA110のデザインだが、ご覧のとおり華美な装飾はなく、純粋に走る楽しみを具現化しているよう。さらにアントニー・ヴィラン氏は、
「時間性、時代性を感じさせないデザインであることが目標でしたし、今後も同じA110を継続していくことがマーケティング、エンジニア、そして工場との共通認識ですから」と語っている。
そのほか新型A110では、すべてのグレードで新たにマルチメディアシステムを採用。“Apple CarPlay”、“Android Auto”に対応し、インフォテイメント環境が大きく向上したのはニュースだ。これにより、日常のドライブがよりいっそう楽しいものになっている。
とにかく往年のデザインを引き継ぎつつも、ライトウェイトスポーツだから実現できたエキサイティングな走りが楽しめる新型A110。クルマを操る本当の醍醐味を味わいたいなら、素通りできない1台なのは間違いない。
★DATA 〈アルピーヌ〉A110全グレード共通
●全長×全幅×全高:4205×1800×1250mm
●ホイールベース:2420mm
●エンジン:1.8ℓ直列4気筒DOHCターボチャージャー付き
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:後輪駆動(MR)
〈アルピーヌ〉A110
●車両重量:1110kg
●最高出力:185kW(252PS)/6000rpm(ECE)
●最大トルク:320N・m(32.6kgm)/2000rpm(ECE)
●0-100km/h:4.5秒
●最高速度:250km/h
●車両本体価格:811万円
〈アルピーヌ〉A110 GT
●車両重量:1130kg
●最高出力:221kW(300PS)/6300rpm(ECE)
●最大トルク:340N・m(34.6kgm)/2400rpm(ECE)
●0-100km/h:4.2秒
●最高速度:250km/h
●車両本体価格:893万円
〈アルピーヌ〉A110 S
●車両重量:1120kg
●最高出力:221kW(300PS)/6300rpm(ECE)
●最大トルク:340N・m(34.6kgm)/2400rpm(ECE)
●0-100km/h:4.2秒
●最高速度:260km/h
●車両本体価格:897万円
※諸元はすべて参考値