オーラが違う新型ランクル! 〈トヨタ〉ランドクルーザー
ついに来ました! この日を待ち望んでいた方も、きっと多いに違いない。かくなる筆者だって、いざこのクルマを目の前にしたとき、ちょっと身震いしてしまったくらいなのだから。〈トヨタ〉ランドクルーザーのフルモデルチェンジだ。
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実に14年ぶりに完全刷新されたランドクルーザーは、北米で販売されているタコマやタンドラなどのフルサイズ・ピックアップトラックのようなギラつきのある、強いエクステリアに生まれ変わっている。強烈なファンのいるモデルだけに、新型のデザインに関してはネット上でも賛否両論、といったところだったが、いざ実物を目の前にすると、べらぼうにかっこいい。ヨーロッパ系のクロスカントリーモデルとはまた違った、ガッチリと堅牢な雰囲気をボディ全体から醸し出していて、オーラすらも漂っているような風格なのだ。
ライト関係もやっぱりシャープで美しい。LEDはチューブ状になっていて、フロント・リヤともに流れるシーケンシャルウインカーを採用。大柄なボディの、左右方向への伸びすらも演出しているようだ。
エクステリアもさることながら、やはり14年の歳月を一気に飛び越え進化したのは、ナビゲーションシステムはじめ、コックピットの充実だ。
今回試乗したのは最上級グレードのZXだったが、新型ランドクルーザーは全モデルに12.3インチの高精細TFTワイドタッチディスプレイを採用。静電式で、直接指で操作できる。横長のディスプレイには左側にマップ、右側にエアコンなど、自分の好みに合わせて情報を分割させて表示させることも可能だ。
また、この画面には優れたカメラシステムで、直接視界で見にくいところを表示させることもできる。カメラはフロント、左右、そしてリアに配置されていて、細い道からの脱出でも、クルマの周囲の状況(路面含む)を映し出す。さらに、長くて厚いボンネットをスケルトンにして車両下や前輪の位置を確認できるよう、アンダーフロアビュー機能を前後に搭載。スタックや行き止まりなどの状況でも、いちいち車外に出て確認する、なんて手間はいらない。
その画面の下には主要な機能のショートカット、マップやオーディオなど複数のボタンが大きなサイズで配置され、さらにドライバー側には走行に関するいくつかのボタンとダイヤルが配置されている。そう、カタログに掲載されている「どこへでも行き、生きて帰って来られる」というセンセーショナルな文言こそ、世界でランドクルーザーが支持されている、その確固たる証拠だ。このオフロード性能は今回、試すことができなかったために言及しないが、きっと期待を大幅に上回る結果を見せてくれるに違いない。
さて、今回のニュースは、実は“都会での洗練”にあるのではないかと、筆者は密かに思っている。最上級グレードのZXと、スポーティなGR Sportには、都会で嬉しい走行モード“Sport S”と“Sport S+”が設定されているからだ。ガソリンエンジンは3.5ℓV6、その豊かなパワーを“スポーツモード”で試せる喜び!
写真はGR Sport
今回の試乗は街乗りのみ、だったのだが、実は静粛性も格段に向上し、またトランスミッションとの組み合わせの妙で、シティクルーザーとしても恐ろしい快適さを実現していた。生きて帰って来ることを心配しないで済むような都会の人々にも、満足度の高い1台になっているのだ。
★DATA 〈トヨタ〉ランドクルーザーZX(ガソリン車)
●全長×全幅×全高:4985×1980×1925mm
●車両重量:2500kg
●ホイールベース:2850mm
●エンジン:3.5ℓV型6気筒インタークーラー付きターボ
●最高出力:305kW(415PS)/5200rpm
●最大トルク:650Nm(66.3kgm)/2000~3600rpm
●トランスミッション:10速オートマチック
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:730万円
●トヨタ自動車 お客様相談センター
TEL:0800-700-7700