欲張りな大人のための優美なオープンカー!
男のステイタスでもあるクルマ。若い頃は走り、年を重ねた今は乗り心地が最優先。でも正直なところ、両方兼ね備えたクルマに乗りたい! そんな心を満たす1台をご紹介。
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- ドライブは楽し! vol.63
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[レクサス LC500 コンバーチブル]
LEXUS LC500 CONVERTIBLE
思うに、オープンカーには大きく分けて2つのタイプがある気がする。全身で風を浴びて走る2人乗りコンパクトスポーツカーと、ゆったりと優雅に走るのが似合う4シータータイプだ。イメージ的には前者は手動で幌を開けたり閉めたりする。逆に後者はスイッチひとつで電動開閉する感じとなる。
が、しかし、今回試乗した〈レクサス〉のオープントップモデルLC500 コンバーチブルは、そのどちらの要素も持っている気がする。走りを楽しみながらもシーンによっては優雅なオープンエアモータリングを楽しめるといった……。
事実、今回500㎞のロングドライブに出かけたのだが、まさにシーンごとに異なる顔を見せた。ちょっとしたワインディングはスポーティに駆け抜け、高速巡航では風の巻きこみの少ない快適なキャビンを演出してくれたのだ。まぁ、夏の直射日光は厳しいが、エアコンの風はしっかり身体を冷やしてくれる。
そんな仕様になったのは、このクルマの開発コンセプトに大きく関係してくる。それはずばり“走り”と“デザイン”。この2つを高いレベルで仕上げることに開発陣は全神経を注いだそうだ。
というのも、そもそもベースになるクーペボディのLCは“走り”を追求したモデル。ジャーマン3と呼ばれるドイツ勢に負けず劣らずのパフォーマンスを発揮する命題が課された。で、それはポジティブに評価され多くの支持を得たのだからこのクルマも負けるわけにはいかない。「オープンカーになったら走りがダメになった」では、レクサスブランド全体のイメージダウンにもなりかねない。
そこで屋根を切り取ったボディを補強して剛性を高め、軽量ソフトトップを取り付けた。骨組みはアルミのフレームを主体に一部マグネシウムを使っているから本気だ。ボディ側もレーシングチームが持つアイデアを取り入れた補強パーツを装着して重量増加を最低限に留めている。このへんの苦労話はきっと一冊の本が書けるくらいはあるだろうね。
そして出来上がったLC500 コンバーチブル。エンジンは5リッターV8が搭載されている。クーペにあるハイブリッドがないのは、ラゲージなどの使い勝手を優先しての判断だが、自然吸気のV8エンジンの音を直接耳にすると﹁これが正解!﹂という気持ちになる。これぞオープンカーの醍醐味! 運転席はV8のいいサウンドを聴く特等席であることを実感する今日この頃である。
“デザイン”にこだわってつくられたLC500コンバーチブルは、屋根を開けているときはもちろん閉めているときもかっこよく見えるようできている。ソフトトップのシルエットはボディの流れるようなラインを崩さず、かつクーペのイメージも損なわないように計算された。具体的には、ソフトトップの一番高い位置はクーペより5㎜高く設定されている。つまり、視覚的にそれでちょうど同じように見えることを掴んだのだ。数字が同じだからといってそれで終わりにしないのはさすがである。
また、屋根の開き方閉まり方も工夫されている。作動時間は約15秒なのだが、始めと終わりの動きを緩やかにして、自然な感じを出しているのだ。このへんは意図して見ていないとなかなか気づかないが、感覚的にそのほうがしっくりくるのは想像できる。このこだわりもすごい。
稼働は油圧式アクチュエーターによって行う。電動式では「ウィ~ン」という音が気になるからだ。メルセデス・ベンツ Sクラス カブリオレやベントレー コンチネンタルGTもこの方式を使う。しかも、ソフトトップの生地は四層で、その間に遮音材がきれいに詰まっている。なので、キャビンの静粛性はこのうえない。閉めたまま走っているとオープントップであることを忘れてしまうほど。きっと言わずに乗せて途中で開けたら助手席の彼女もびっくりだろうね。
01 インテリア
見た目も実用性も文句なし!
豪華でどこか妖艶なイメージのシート。ヘッドレスト後ろ側にはレクサスの“L”マークがエンボス加工されるなど、アクセントも忘れない。ステアリングヒーター、シートヒーターとともにネックヒーターも用意されるので冬のドライブにも準備万全。
02 スマホとの連携
日常をそのままクルマで再現
“Apple CarPlay”、“Android Auto”といったソフトでスマートフォンとの連携も問題なし。事前にスマホで検索していた地図もそのまま使えるし、ミュージックプレイリストもそのまま活用できる。センターコンソールのタッチパッドで簡単操作。
03 ルーフの収納
目を釘づけにする15秒のショー
キャンバス地のソフトトップはそのままキレイにトノカバー下に収納される。開閉時間は約15秒。時速50㎞以下であれば走行中も操作可能だ。カラーはブラックとサンドベージュの2種類。インテリアカラーは3種類から選べるのも嬉しい。
SPECIFICATIONS
レクサス LC500 コンバーチブル
●全長4770×全幅1920×全高1350㎜
●ホイールベース:2870㎜
●エンジン:5.0ℓ V8
●最高出力:477 ps/7100 rpm
●最大トルク:540 Nm/4800 rpm
●トランスミッション:10速オートマチック
●車両重量:2050㎏
●駆動方式:RWD
●定員:4名
●ハンドル位置:右
●燃料消費率(WLTCモード):8.0㎞/ℓ
●価格:1500万円(税込み)
●レクサスインフォメーションデスク
TEL:0800-500-5577
URL:https://lexus.jp/information_desk/
雑誌『Safari』11月号 P248~249掲載
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