好調の理由はルックス、それとも荷室!?〈トヨタ〉クラウンエステート
正直、「そんなに!?」と驚いているところ。〈トヨタ〉クラウンエステートの人気だ。販売台数への反映はまだまだこれから、というわけで実数ではないのだが、ごく個人的にSNSなどでの反応は非常に好調だと感じている。クラウンエステートは、去る3月11日に発売がやっと発表され、これで3年にわたる16代目の新世代クラウン商品群のラインナップが大団円を迎えたことになる。そして最後のコイツがまた、それにふさわしい風格と走りを備えているからつい唸った、ってワケ。
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クラウンは1955年に誕生した超ロングセラーモデル。今回のエステートを含む16代目クラウンのラインナップは2022年のクロスオーバーからスタートしている。セダン市場の縮小から、一時はマイナーチェンジが見送られ、そのまま葬られるかと思われたクラウンの歴史。しかし、それを逆手にまさかの4ボディタイプを時差で揃えていく“群”という発表方式を採用した〈トヨタ〉はやっぱり、大企業でありながらチャレンジャーでもあると感じる。
そして実は、最初のクラウンとなったクロスオーバーの原画デザインを提出したのは、20代の若いデザイナーだったという。このデザインを見て「これならセダンもやってみれば?」と豊田章男会長が開発にゴーサインを出した、というのはあまりにも有名な業界裏話だ。
で、前置きが長くなったけれどエステートだ。今回、エステートとはいいながら、ほぼSUVのようなルックスを採った。個人的にはもう少しフロアの低いステーションワゴンが欲しかったところだけど、北米での販売を視野にいれると、SUVに近づけたほうが売れそうだったという局面もありそう。なので、ボディサイズはクラウンクロスオーバーと似たような感じになっている。リアエンドのルーフだけクロスオーバーに加えて+80㎜と高く、エステートの名にふさわしいボクシーなリアスタイルに仕上がっている。荷室はさすがに“エステート(住居)”というだけあって、実に2mもの長さ!しかもフルフラットになるから、寸法上は大谷翔平選手だって車中泊できるほどのゆとりがあることになる。いや、ホント冗談じゃなく、めっちゃ広い。
ルックスでいえば、ヘッドライトはクラウンシリーズらしい鋭い瞳を備えたお馴染みのアレなのだが、クロムメッキをあまり使わず、バンバーレスのように外板同色のメッシュ形状が可変していくような、リズミカルなパターンが採用された。どこかクラシカルさも感じさせるような、上品な佇まいに仕上がっている。
パワートレーンは2.5ℓのシリーズパラレルハイブリッドと、2.5ℓプラグインハイブリッドのPHEVの2種。特にPHEVの静粛性とパワフルなモーター走行になめらかなサスペンションの組み合わせは感激だった。双方AWDのみの設定だが、だからこそフロアにバッテリーの重量があるPHEVの堅牢なボディを、後輪側からもしっかり押し出してハンドリングもほどよく重厚。つまりドライブフィールもどこか奥ゆかしさを残しておっとり、しっとりでほどよく肌に馴染む感じなのだ。なのに、パワフルで軽やか。う〜ん、これは長距離もラクそう!
いやはや、このクラウンシリーズ、すべてに統一して“クラウン味”を持たせながら、実は細分化させるそのモデル構成にこそ拍手。さあ、あなたの生活にぴったりなのはどのクラウン?
★DATA 〈トヨタ〉クラウン エステートRS(プラグインハイブリッド車)
●全長×全幅×全高:4930×1880×1625㎜
●車両重量:2080kg
●ホイールベース:2850㎜
●エンジン:2.5ℓ直列4気筒
●エンジン最高出力:130kW(177PS)/6000rpm
●エンジン最大トルク:219N・m(22.3 kgf・m)/3600rpm
●フロントモーター最高出力:134kW(182PS)
●フロントモーター最大トルク:270N・m(27.5 kgf・m)
●リアモーター最高出力:40kW(54PS)
●リアモーター最大トルク:121N・m(12.3 kgf・m)
●トランスミッション:電気式無段階
●駆動方式:四輪駆動(E-Four)
●税込み価格:810万円
●トヨタ自動車 お客様相談センター
TEL:0800-700-7700
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