すごいヤツが改良されて再登場! 〈トヨタ〉GRカローラ
腕に覚えのある“クルマニア”なら誰しも「もっと自分の手足のように操れるマシンが欲しい」と思うようになるハズ。プロドライバーによる華麗なドリフトなんかを観るたびに「ああ、あんなマシンがあれば自分だって」な〜んて、その想いが強くなるのも当然のこと。しかし、このクルマを雪道で振り回してきた筆者は思った。「いや、みんなこのクルマに乗れば、その願いは叶うんじゃない……?」 そう、またココからすんごいクルマが出てきてしまった。〈トヨタ〉GRカローラが改良を受けて再登場だ。
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もうすでにモータースポーツ好き、クルマ好きには周知の事実だが、〈トヨタ〉のスポーツブランドである〈GR〉は“Gazoo Racing”の頭文字だ。“Gazoo Racing”はWRCやWEC、そして昨年に電撃提携を発表したF1など、世界トップカテゴリーへの参戦を頂点とし、底辺には参加型のワンデーラリーなどまでを含めたモータースポーツ活動のこと。なかにはトヨタ自動車会長であるモリゾウこと豊田章男氏もレーシングドライバーとして参戦するスーパー耐久なども組み込まれており、モータースポーツを市販車の開発の場とすることで、GRブランドは“モータースポーツ起点のクルマづくり”をリアルに叶えてきた。
完全自社開発のスポーツ四輪駆動“GR-FOUR”を最初に叶えたGRヤリスや、それをベースとした5枚ドアのGRカローラは、そのプロジェクトのコアとなるモデルでもある。で、先に改良型が発売されたGRヤリスに続いて、今回はGRカローラが改良を受けて再登場となったというワケ。まず大きな変更はトルクの向上。そもそも3気筒エンジンで300psを超える高性能な1.6ℓターボを心臓としているのだが、その最大トルクを370Nmから400Nmにまで引き上げた。さらに、前後ショックアブソーバーにリバウンド側で作動するスプリングを内蔵し、内輪側のリフトを制御することでロールを抑制している。また、リアアクスルのトレーリングアーム取り付け点位置を上げることでリアの沈み込み・姿勢変化を抑えた、……というように、改良内容はかなりマニアックかつ実践的。じゃ、「運転してみたら実際どうなのよ」、「それって実感できる変化なの?」という問いには全力でイエスだ。
まず試乗のシーンである雪道は、普段のアスファルトよりも当然接地が薄い。しかしリアの沈み込みがないからか、しっかりと四輪が地面を捉えて、トルクが上がっているにもかかわらずホイールスピンもなく、とにかくスッと進み出す。これがまず素直なことに感激してしまう。さらなる感動ポイントは、鼻先が容易にコーナーの先を向くことだった。ミューが不安定な雪上路において、こんなにグイッと鼻先が旋回するなんて、味わったことのない快感。正直トルクの向上は二の次にして、素直でクイック、そして過敏すぎない。このバランスがめっちゃいい!そしてハンドリングに集中したいなら、やはり今は2ペダルの選択肢もオススメしたい。そう、今回はGRヤリスにも設定された8速DATが設定されたのだ。個人的には「速く走りたいならコレ一択では?」と思うくらい、低速でガンガン引っ張るスポーツATとなっている。逆に、峠メインでシフトをコネコネするにはMTかなって感じで、これは用途に合わせて選んでほしい。
今回はオプションの設定も豊富だから、是非抽選に挑んでもらいたい。なお、懸念の生産台数の増加に関しては鋭意チャレンジ中との開発陣の言葉も得ているから、これもASAPで大いに期待したいところ!
★DATA 〈トヨタ〉GRカローラ GR-DAT(8AT)
●全長×全幅×全高:4410×1850×1480㎜
●車両重量:1500㎏
●ホイールベース:2640㎜
●エンジン:1.6ℓ直列3気筒インタークーラーターボ
●最高出力:224kW(304PS)/6500rpm
●最大トルク:400N・m(40.8kgm)/3250〜4600rpm
●トランスミッション:8速AT(GR-DAT)
●駆動方式:四輪駆動(GR-FOUR)
●税込み価格:598万円
●トヨタ自動車 お客様相談センター
TEL:0800-700-7700
URL:https://toyotagazooracing.com/jp/gr/corolla/
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