2026.06.07 NEW
街を走れば誰もが振り向く レア中のレアなアメ車! 1932年式 フォード・B型・ デュースクーペ
今回は、アメ車好きがたどりつく頂点に君臨すると言っても過言ではない、激レアな名車をピックアップ! 数々の名車を見てきたIKURAさんが惚れ込むほど魅力的な1台は、誌面で見られるだけでも眼福なストリートロッドだ。
激しくホイルスピンしながら登場した今回の1台。その名は、1932年式のフォード・B型・デュースクーペ。アメ車好きな人なら、この車がどれだけレアかわかるはずだ。「知人が仕上げたものを譲ってもらったんだよね。とにかく美しい! これからまだ手を入れるつもりだけど、すでに完成度がかなり高いよ」。曲線を多用した流れるようなスタイリングは、現代の車ではまず再現不可能だ。
フード内にキレイに収められた355スモールブロックにスーパーチャージャーを搭載したエンジン。「音も加速もすごいけど、このエンジンは比較的乗りやすいほう。まぁ、初心者には無理だけど(笑)」同車は、量産化に成功しアメリカ国民の足として広く普及したT型フォードを祖とする。A型、B型と進化し、これは初のV8エンジンを搭載したB型となる。「オリジナルの再現ではなく、カスタムするのが前提。ホットロッドやストリートロッドに仕上げるのが定番だね」。エンジンはもちろん、足まわりもすべてワンオフで作り替えられる。「ピラーを短くするチョップトップも多い。フロントウィンドウが極端に狭いから、信号待ちの際には覗き込まないと見えないけど(笑)」。
アルミニウムを使いワンオフで作られたメーターまわりやハンドル。「細部までかなり精密で高品質。でも、もっとクラシックな感じにしたいから、さらに作り直す予定だよ」デュースクーペは1年間しか製造されていない激レアモデル。「それだけにかなりお高いけどね。地方でマンションが買えるかな。まぁ、車1台を1から作り上げているから当然なんだけど」。さらにその人気を押し上げているのが映画の影響。「これと同じ窓が5つあるファイブウィンドウが『アメリカン・グラフィティ』に登場して、人気に火がついた。アメ車の世界に留まらず、アメリカンカルチャーの象徴だよ」。そんな背景もあって“一度でいいから乗ってみたいアメ車”の常連となったが、いざ日常で乗ると大変なことばかりだったとか。
意外に広々としたトランクルーム。「燃料タンクとバッテリーはトランクに収納されている。エンジンルームや車内もまだスペースがあるから、快適に乗るためにエアコンを入れたいね」エンジンフードを開けると見えるのが、スモールブロックエンジン×B&Mスーパーチャージャー。ドラッグレースでは12秒台を狙える代物だ。「ファイナルギアがドラッグレース用だからね。でもホイールベースが短いから、ちょっと怖い(笑)」。
ぶっといタイヤは、レース用の“フージャー29 X 12. 50 R 15 LT”。「ドラッグレースを走るなら、これぐらいじゃないとね。ホイールベースが短い分、幅がないと安定性が出ないよ」そんなスペックを誇る同車は、普段乗りには完全なオーバースペック。「パワステじゃないし、エアコンもない。現代の車に搭載されている機能なんてひとつもない。だから、相当運転に慣れている人じゃないと持て余すよ。それにベンチシートだから、カーブではカラダが左右に振られてしまう」。ただし、車格がコンパクトカーと同じぐらいとあって、駐車場問題はクリアできるそうだ。「日本で乗るメリットはそれぐらい(笑)。そもそも日本でこれだけのクオリティに仕上がったものを見つけるのが困難。これは年代に作ったものだけど、今1から作り上げようと思うと、6000万円はかかると思うよ。だからロールスロイスと並んでも全然見劣りしない。むしろ高級ホテルに乗りつけたら断然カッコいい」
最も気に入っているのが、リアデフまわりだという。「見えないところまでキレイに仕上げてある。足まわりも含めたレイアウトも完璧だね。これを見ながらメシが3杯食えるよ」イクラさんがそんな車を愛する理由はほかにもあるという。「亡くなった親父が1932年生まれなんだよね。実は親父が亡くなるまで、この車に乗ろうとは思っていなかった。そういう思い入れがあるから、他人に譲ることは当分ないかな」。そもそも一度手放すと、そうお目にはかかれない。「性格がちょっとクセありだけど、むしろそれが魅力に思える。そんな車には滅多に出会えないから、やっぱり手放したくなくなるよね」
IKURA
これまで300台以上のクルマを乗り継いできた生粋のカーマニア。日本最大級のアメリカンカスタムカルチャーの祭典“アメフェス”の主催者としても有名。そのほか、ミュージシャンやタレントとしても活躍している。
URL:https://ikura61official.com
Information
※『Safari』7月号186〜187ページ掲載
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写真=瀬田秀行 文=安岡将文
photo : Hideyuki Seta text : Masafumi Yasuoka cooperation : Luminox, Deus Ex Machin
photo : Hideyuki Seta text : Masafumi Yasuoka cooperation : Luminox, Deus Ex Machin







































































