毎日過ごしたいスーパーカー! 〈マクラーレン〉GTS
〈マクラーレン〉と聞いたとき、なにを思い浮かべる? 超好調なF1での戦績? それともハイパフォーマンスでシャープなスーパースポーツカー? いずれにせよ“日常に寄り添うクルマ”をイメージする人は皆無だと思う。だけど、実はこのモデルなら、意外に毎日を一緒に過ごせるかも。〈マクラーレン〉GTSだ。
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そもそも同社の中でも、GTシリーズ自体が異色のポジションではある。ご存知のとおり、プレミアムブランドやスーパーカーメーカーもこぞってSUVをリリースする時代にあって、〈マクラーレン〉はその方向には傾かないと(現状は)謳っている。しかし1台のクルマに求められる要件が多様化する中で、その代わりに(?)出してきたのがGTシリーズというワケ。GTの名のとおり、より遠いところに走れる利便性を兼ね備えているのにもかかわらず、ほかのモデルと変わらない、特徴的なディヘドラルドアを備えたワイド&ローなルックス、ということで、見た目はスパルタン、乗ったら意外なほどに快適、なギャップに驚くこと請け合い!
このGTSは先代モデルとなるGTの後継モデルとなる。プラス15PSの出力の拡大は、一般道ではなかなか味わえないだろうなと覚悟して乗り込んだけれど、いやいやどうして。GTから拡大されたエアロパーツのサイズ(フロントのエアロデザインやリアフェンダー上のエアインテークなど)に加え、シャークフィンの形状変更やリアディフューザーの大型化など、GTモデルとはいえふんだんに注ぎ込まれたF1由来の空力テクノロジーと併せて、アクセルペダルを踏み込むとつい「おお」と声が出るほどの豊かなトルクを感じることができる。しかし、振り回されないのが“さすがGTS”を感じるゆえん。走行モードがかなり効果的なイイ仕事をしてくれるのだ。
GTSには「コンフォート」「スポーツ」「トラック」に加え、「なにも選択しない」というデフォルトを含む4つの走行モードが備えられている。なかでも秀逸なのが実は「コンフォート」。コレを選ぶとサスペンションの動きが恐ろしくなめらかになるのだ。感覚的に“いいセダン”みたいな感じのアタリで、コレならなるほど、大切な人とドリンクを片手に、一緒に遠くまでドライブしたくなる。こういったスーパースポーツのコンフォートモードはたいがい、ただモッタリしているだけで退屈なモノだけど、GTSのコレはほどよくシャッキリ、そして十分にリッチ。長いドライブの間のほとんどをこのモードに頼ってしまったほどだ。
もちろん地に這うドラポジだから、最初はサイズを掴むのに戸惑うかもしれない。しかし、優れた設計で、意外にも見通しはよく、慣れたら駐車場へのアプローチや細い路地だって、わりとイージーに入れてしまうのも驚き。
しかも4ℓV8ツインターボを搭載したこのルックスなのにもかかわらず、GTシリーズだけはグローブボックスをオプションで選べたり、また運転席のうしろにラゲッジスペースを備えていて、〈マクラーレン〉で唯一“ゴルフバッグを積める〈マクラーレン〉”として認識されているモデルでもある。
この見た目でこの乗り心地、を、逆の意味で楽しめる。こんなスーパースポーツの選び方もあるってこと、是非覚えておいて!
★DATA 〈マクラーレン〉GTS
●全長×全幅×全高:4683×2045(ミラー折り畳み時)×1213㎜
●車両重量:1483㎏
●ホイールベース:2675㎜
●エンジン:4ℓV型8気筒ツインターボ
●最高出力:467kW(635PS)/7500rpm
●最大トルク:630N・m/5500~6500rpm
●トランスミッション:7速オートマチック
●駆動方式:後輪駆動
●マクラーレン・オートモーティブ
URL:https://cars.mclaren.com/jp-ja
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