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2025.01.17


ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600e

〈フィアット〉ブランドとして約1年半ぶりとなる新モデル、600eが登場した。車名の末尾に“e”が付くのでわかるとおり、このクルマは電気自動車。いかにも〈フィアット〉らしいコンパクトSUV。そのユニークな魅力に迫る!

ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600eこのクルマの呼び方をご存知だろうか。600eは“セイチェントイー”と読む。“セイチェント”はイタリア語で600のこと。500を“チンクエチェント”と呼ぶのと同じ単純な数字の呼び方である。一桁の6(セイ)と三桁の100(チェント)を組み合わせたものだ。数字繋がりでいえば、ミッレミリアというレース名を耳にした人はいるだろう。これは1000(ミッレ)という数字と距離の単位マイル(ミリア)の組み合わせだ。つまり、1000マイルのことで、その距離を走る公道レースを示す。ちなみに、イタリア人が口にする「グラッチェミッレ!」のミッレも1000のこと。要するに、「たくさんありがとう!」って意味になる。

それはともかく、このモデルの元ネタは1955年にリリースされたコンパクトカーに遡る。633㏄エンジンをリヤに搭載していたモデルが始祖。走りのよさから〈アバルト〉が目をつけレースカーに仕立てたことでも当時話題となった。そんなモデルがときを経てBEV(電気自動車)で蘇った。500eの成功を受けての誕生である。プラットフォームは同じステランティスグループのものがベース。よって、〈プジョー〉e-208や〈ジープ〉アベンジャーとは兄弟車。今後、マイルドハイブリッドモデルも追加されるというから、ラインナップも華やぐであろう。ユーザー目線で見ても選択肢が増えるのは嬉しい。

華やぐといえば、このデザインはさすがイタリアンブランド。500eを彷彿とさせる可愛らしさを見事に表現している。600eは4ドアだが、小さな2ドアの500eに負けないほどだ。丸みを帯びたボディラインと眠い目を表現したLEDヘッドライトは愛くるしい。まさにデザインクオリティの高さとイタリア人のユーモアを感じさせる1台である。

ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600e改めていわせてもらうと、このクルマはBEVである。ガソリンエンジンのような内燃機関を持たず電池のパワーだけで走行する。見た目が可愛いだけでなく、メーカーの有する最新テクノロジーが満載されているのだ。

では、気になるそのパフォーマンスだが、搭載されるのは54kWhのリチウムイオン電池。最高出力は115kWで最大トルク270Nmを発揮する。1充電あたりの航続距離は493㎞という数値だ。コンパクトなボディながら効率よくバッテリーを積むことで航続距離を長くしている気がする。これを500eに置き換えると、バッテリーは42kWhで、最高出力87kW、最大トルク220Nm。1充電あたりの航続距離は335㎞だ。やはりどちらかというと500eはシティユースに重きを置いている。ドアの枚数で決めるのもいいが、自分の行動パターンに合わせてチョイスするのもいいだろう。充電は、どちらも普通充電と急速充電に対応する。

600eの優位性はサイズにもある。全長4200× 全幅1780× 全高1595㎜はユースフル。商店街など道幅の狭いところを走るのにも不都合はない。近年はクルマが全般的に大きくなっているので、このサイズはありがたい。

そしてもうひとつ。インテリアのデザイン性の高さには感心させられる。シンプルな構成のダッシュボード、きれいに並べられたスイッチ、センターディスプレイに映し出されるおしゃれなグラフィックからは、開発陣のデザインに対するこだわりを強く感じる。お見事! だ。

大人が欲しくなる理由!  
ミッドセンチュリー風な味つけ


ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600eインテリア、特にダッシュボードまわりは1955年デビューの初代600からインスピレーションを受けたものがちりばめられる。いうなれば’50年代のデザインテイスト。2本スポークのステアリングホイールはまさにそれでレザー調にすることで雰囲気を高めている。センターコンソールもミッドセンチュリー風。

シートを含めた色使いが秀逸


ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600eダッシュボードやドアトリムなどはアイボリーを基調としてデザインされた。このセンスはまさにお洒落そのもの。シートは“FIATモノグラム”エコレザーシートが取り付けられる。バックレストが大きくロングドライブでも疲れなそうなのがグッド。“600”の刺繍が目を引く。キャビンは思いのほか広い。

ふたつの充電方式にしっかり対応


ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600e充電はボディ左サイドにある充電ポートで行う。200 V用普通充電のケーブルは標準装備。でもって日本規格の急速充電にも対応しているので不便はない。1充電あたりの航続距離は493㎞と思いのほか長いのは嬉しい。エアコンの使用状況にもよるが、週末、都心から郊外に出かけるのにはストレスなさそうだ。

デザインを通して見える遊び心


ユニークなデザインが視線を集める電気自動車 〈フィアット〉600eこのクルマのデザインには、初代600と2022年に発売を開始した電気自動車500e(上の画像)のデザインアクセントが取り入れられている。特に後者との関連性は高く、ヘッドライトの印象は近い。このへんのデザインを使ったユーモアのセンスは素晴らしい。こんな遊び心のあるクルマはそう多くない。

SPECIFICATIONS
フィアット 600e
●全長×全幅×全高:4200×1780×1595㎜
●ホイールベース:2560㎜
●車両重量:1580㎏
●フロントモーター:交流同期電動機
●最高出力:115kW(156PS)/4070-7500rpm
●最大トルク:270Nm/500-4060rpm
●駆動方式:前輪駆動
●乗車定員:5名
●価格 : 585万円
※写真は欧州仕様車です。日本仕様と異なる場合があります。

 
Information

●CIAO フィアットフリーダイヤル
TEL:0120-404-053

雑誌『Safari』2月号 P182〜183掲載

アーロン・テイラー=ジョンソンが表紙を飾る
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