世界のセレブを魅了する流麗なグランドツアラー! 〈マセラティ〉グラントゥーリズモ
〈マセラティ〉然とした流麗なスタイリングが目を引くグラントゥーリズモ。クルマ好きを魅了するエクステリアだけではない。インテリアも、エンジンも伝統を受け継ぎながら進化を遂げてきた、このクルマの魅力に迫る。
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- 大人の愛車選び! vol.22
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自動車メディアをご覧の方々はおわかりだろうが、一昨年あたりから〈マセラティ〉がにわかに動きはじめている。まずは新世代モデルのフラッグシップとしてスーパーカーのMC20が登場、それに続きコンパクトSUVのグレカーレがお披露目された。そのグレカーレは広いマーケットに向けたモデルであることから、2023〜2024日本カー・オブ・ザ・イヤーの“10ベスト”に残ることとなる。比較的身近なモデルであるとはいえ、イタリアの高級車ブランドの〈マセラティ〉がその中に入ったのは異例。仕上がりが高く評価されたのだろう。走りやデザイン、パッケージングがかなりいい。そして第3弾としてクルマ好きをざわつかせているのがこのグラントゥーリズモ。見るからにイタリアの香りをプンプンさせる。
このクルマの発表自体は少し前で、昨夏に国内ディーラーで展示されたり、11月には日本を含むアジア7カ国のメディア向けに限定車がアンベールされたりした。その意味ではすでに目にした方もいるかもしれない。お披露目活動を経て、ついに今年、本格始動となったわけだ。スタイリングはかなり〈マセラティ〉然としている。それもそのはず、かつて販売されていた同名のモデルによく似ているからだ。印象を新しくしているのはヘッドライトやグリルの意匠と位置関係で、新世代を象徴する。
が、フェンダーの膨らみや全体のプロポーションは、あえて以前のモデルを継承した。理由は〈マセラティ〉デザインとして完成されているものを変える必要はないと判断したからだ。デザインはブランドの財産であり、それを最適に扱うのもデザインチームの手腕。これはひとつの英断といえる。デザインチームのリーダー、クラウス・ブッセのインテリジェンスを感じさせる作品だ。
国内で展開しているグラントゥーリズモにはふたつのグレードがある。“モデナ”と“トロフェオ”だ。ともに3リッターV6ツインターボを積む。これはMC20やグレカーレにも採用され、デザイン同様、新世代〈マセラティ〉用に開発されたものだ。“モデナ”が490PS、“トロフェオ”が550PSを発揮する。
もうひとつ、今後導入予定とされる完全電動モデル“フォルゴレ”が存在する。こちらは761PSという強者。0〜100㎞/h加速2.7秒は尋常じゃない。最大トルク1350Nmも通常とはひと桁違う数字だ。電気自動車とはいえ、こんなスペック※のクルマを我々の前に登場させるのだから、ほかのメーカーとはひと味もふた味も違う。どうやらフォーミュラEに出場しているレーシングカーのノウハウをつぎ込んでいるようだ。
ちなみに、名前には意味があり、“モデナ”は〈マセラティ〉本社の地名、“トロフェオ”はトロフィーをもらえるレベルの走り、要するに表彰台に上るパフォーマンスを指す。そして“フォルゴレ”はイタリア語の“稲妻”。電気であることとその威力を表現したようだ。なんとなくイタリア人のユーモアを感じる。
そんな感じで走りに話題が集まるグラントゥーリズモだが、インテリアの高級感や上質さも見逃すわけにはいかない。最新のデジタルプラットフォームを持つインターフェイスもそうだが、シートやドアトリム、ダッシュボードを覆うレザーのエレガントさは抜群。これに魅了されるセレブは世界中に数知れずってところだろう。実にお見事である。
※欧州仕様の数値です。
大きく口を開けたようなグリルが〈マセラティ〉の特徴。トライデントのマークを含め、戦前のレーシングカーからの伝統だ。全体的なモチーフは1950年代にピニンファリーナが製作したA6 GCSベルリネッタ。抑揚のある前後のフェンダーがそんな感じ。エレガントの中に“艶”を匂わすのが〈マセラティ〉流。
インテリアにこだわったのも見逃せない。たとえば“モデナ”に施されたシートやトリムの刺繍グラフィックは、ミケランジェロが設計したローマのカンピドリオ広場へのオマージュだそうだ。刺繍や縫製の技術が上がったからだろうが、テキスタイルとテクノロジーの調和が〈マセラティ〉の世界観を広げる。
スイッチ類を減らし、ナビやオーディオ、温度コントロールやクルマの設定などはセンターモニターに集約された。しかも、上部にあるデジタルクロックと合わせ、ダッシュボードに自然に溶け込みデザインを邪魔しない。メータークラスターがフルデジタルなのもそうだが、インターフェイスの進化は絶妙。
海王神ネプチューンのイタリア語“ネットゥーノ”と名づけられた3リッターV6ツインターボエンジン。高出力なのはもちろん、そのサウンドとフィーリングは根っからのクルマ好きをワクワクさせる仕上がりだ。MC20に積まれるのと同型ユニットであることからも〈マセラティ〉の自信作なのがわかる。
SPECIFICATIONS
マセラティ グラントゥーリズモ モデナ
●全長×全幅×全高:4960×1955×1410㎜
●ホイールベース:2930㎜
●車両重量:1870㎏
●エンジン:V型6気筒ツインターボ
●総排気量:2992㏄
●最高出力:361kW(490PS)/6500rpm
●最大トルク:600Nm/2500~4500rpm
●駆動方式:FR
●トランスミッション:8速AT
●乗車定員:4名
●価格:2444万円~
※写真は一部日本仕様車と異なる場合があります。
●マセラティ コールセンター
TEL:0120-965-120
雑誌『Safari』6月号 P252〜253掲載
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