電気自動車ならではのよさがある! 〈ビー・エム・ダブリュー〉iX xDrive50
これだけの短期間のうちに、国内外問わずに電気自動車がバカスカ導入されまくってくると、否が応でも既存エンジンモデルとの比較をしてしまう。まあ、それも仕方のないこと。そんな見比べの末、ここ数年のBEV乱立で思い知らされた“とある変化”がある。おわかりだろうか? それが“電動化モデルはカーデザインを変える”ということ。たとえばこの〈ビー・エム・ダブリュー〉iX xDrive50なんて、その典型かもしれない。
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その理由をお話しする前に、まずは〈ビー・エム・ダブリュー〉iX xDrive50をザックリとご紹介したい。コチラは同社における、電動化モデルの新しいフラッグシップモデルとなるSUVタイプのBEV。全長5m、全幅2mに迫る大柄なサイズ感が魅力の1台だ。
日本には動力性能や走行可能距離に応じて2種類のグレードが用意されるが、本日ご紹介するiX xDrive50はその高性能版のほう。コチラは303Ah(112kWh)の電池容量を持ち、一充電あたりの航続距離は650km(WLTCモード値)。前後にモーターを一基ずつ備える4WDシステム“xDrive”を採用し、最高出力523PS、最大トルク765Nmを発揮する。
先に述べると、走りのほうはかなり凄味が漂う仕上がり。さすが〈ビー・エム・ダブリュー〉と唸る、繊細なトルクマネジメントや操舵のコントロールがピカイチなのだ。地をビッタリと舐めるようなハンドリングには相当驚かされた。走行フィールの確かさは、競合欧州プレミアムEVの中でも、頭一つ飛び出ているといってもいい。
そんなiX xDrive50だが、冒頭に述べたようにデザインが弩級なのだ。まず、4シリーズから変更された縦型のキドニーグリルを持つのだが、もうすでに“グリル”と呼べない状態に。つまり、内燃機関がボンネットの中に収められていないことから、ここが完全に塞がれ、パネル状になっている。
格子状のラインはまるで蒔絵のようにチタニウムブロンズカラーで描かれた。機能のためのグリルがもはや、デザインの一部になったのだ。それでもこの形状のキドニーグリルを捨てないあたり、〈ビー・エム・ダブリュー〉の強いこだわりや頑固さが垣間見えるようにも思える。ちなみにフロントのエンブレムは、なんとウォッシャー液の補充口に。ボンネットは固定式になり、ユーザーは開けられない仕組みになっている。
そしてインテリアデザインも凄い。電動化モノはデジタルインターフェースやアシスタンスと相性がいいということで、ダッシュボードには14.9インチの大型ディスプレイが備えられた。もちろんメータークラスターもデジタル。コックピットに座ると、この“一枚板”感の迫力に一瞬たじろぐほど。ステアリング形状も変形型だし、センターコンソールは浮いたような形状。さらにこの中に配置されたシフトセレクターなどのボタン類はクリスタルガラス!
コンサバなドイツメーカーですらこのハジけよう。BEVはデザインだけでなく、メーカーのデザイン概念も変えた⁉
★DATA 〈ビー・エム・ダブリュー〉iX xDrive50
●全長×全幅×全高:4955×1965×1695mm
●車両重量:2530kg
●ホイールベース:3000mm
●航続可能距離:650km(WLTCモード)
●フロントモーター最高出力:190kW(258PS)/8000rpm
●フロントモーター最大トルク:365N・m(37.2kgm)/0~5000rpm
●リヤモーター最高出力:230kW(313PS)/8000rpm
●リヤモーター最大トルク:400N・m(40.8kgm)/0~5000rpm
●システム・トータル最高出力:385kW(523PS)
●システム・トータル最大トルク:765Nm(78.0kgm)
●駆動方式:四輪駆動
●税込み価格:1285万円
●BMWカスタマー・インタラクティブセンター
TEL:0120-269-437
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